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情緒不安定を診断・チェックしてみよう!

情緒不安定,診断・チェック


情緒不安定を診断・チェックしてみよう①

情緒不安定を専門家が解説します

当コラムは10分程度かかります。

みなさんはじめまして!
コラム担当 兵働
出典担当  橋爪です。
私たちは臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや精神保健に関する活動を行っています。

みなさんの周りに、情緒不安定だと感じる人はいませんか。また、自分自身が情緒不安定だと思うことはありませんか。日常生活を送っていると、ハッピーな気分の時もあれば、落ち込んでしまうこともありますよね。これは誰にでも起こる当たり前のことです。しかし、その気分の波が大きくなりすぎてしまうと、人付き合いや日常生活支障をきたすこともあり要注意なのです。

「情緒不安定」という言葉を聞いて、どのような状態をみなさんは想像するでしょうか?急に落ち込んだり泣き出してしまう…逆にハイテンションになったり急に怒り大声をあげるなど…

自分の気持ちや精神状態が安定せず不安になったり落ち込むことを精神医学や臨床心理学では「抑うつ」と呼びます。気分が落ち込んで何もやる気になれないような状態も当てはまります。反対に気持ちが高ぶったりハイテンションになることを「躁状態」と呼びます。

情緒不安定は自分の気持ちが安定しないだけではなく、身体の調子にも影響します。それだけではなく、気分が落ち込んだから食べ過ぎてしまう、買い物し過ぎてしまう…など日常の自分の行動にも影響することがあります。抑うつ状態や躁状態になる背景はさまざまあります。

・他人と上手に距離がとれない
・仲の良い友人や交際相手と安定した関係が築けない
など、人付き合いに情緒不安定が関連している場合は、「自分が見捨てられる(た)のではないか」という不安が関係していると考えられています。自分が見捨てられないか、好かれているかという確認のために、周囲の人に確認をしたり、時には試す、攻撃や衝突を起こすこともあります。

情緒不安定を日常のよくある出来事だと放置していると、知らないうちに精神状態が悪くなって、うつ病などの病気を引き起こしてしまうかもしれません。もしかしたら情緒不安定かもしれないと悩んでいる方、ちょっとした工夫や考え方次第で、気持ちを変えることができますよ。

情緒不安定を改善して楽しい毎日を過ごすために、気持ちを安定させるポイントを全5回のコラムで解説していきます。

 

情緒不安定は、自分も周りも苦しめる

情緒不安定な人は、自分の心の中でいろいろなことを考えすぎてしまいます。楽しい、悲しい、イライラする、泣きたくなる、など感情の波が激しく、それが態度にも表れ自分のみならず、周りの人達にも知らず知らずのうちに影響を与えてしまうことがあります。

感情の波や振れ幅が大きいと、ちょっとしたことで喜怒哀楽に変化が生じます。喜や楽はポジティブな感情ですが、怒や哀はネガティブな感情で、できれば感じたくない感情でしょう。

感情の動きの振れ幅が大きく、怒りや哀しみの感情を上手にコントロールできないと、感じたくないネガティブな感情から逃れるために、強い言動で他人を攻撃することがあります。また、相手へ感じている攻撃心を自傷行為や浪費、飲酒などといった形で紛らすことがあります。自傷行為に加えて、反対に自分自身を責めることもあります。時には仲のよい友達に向かって絶縁を言い放ってしまうことや、「顔も見たくない!死んでしまえばいい!」と言ってしまうこともあります。

激しい怒りを感じたり、親しい間柄でも喧嘩をすることはあるでしょうが、それが頻繁に起こると周囲の人と上手に距離がとれずに衝突が増えていきます。周囲の人を自分の感情の変化によって振り回してしまうのです。そのため次第に安定した人間関係を築きづらくなります。

このように情緒不安定な人は、気持ちとは裏腹にうまく人間関係が築けないことが多いかもしれません。

自分を責めて落ち込む→仕事や勉強に身が入らない・疲れが溜まりやすくなる・周囲に怒りをぶつける→ますます人と関わる事ができない→情緒不安定が加速する

こういった情緒不安定な状態が長く続くと、最悪の場合、自傷行為、他人を傷つける、うつ病や専門的な診断名ですが、パーソナリティ障害などの精神疾患を患うことがあります。自分自身で判断をせず、気になることがあれば病院などの専門の機関で相談をするとこが必要です。

 

情緒不安定傾向の診断・チェック!

今まで情緒不安定についてご説明してきました。人間ですから生きて入れば怒ったりイライラしたりもする…筆者である私たちも痛感しています。

ここは心機一転をはかり、自分の心の状態を知るための、簡単な診断・チェック「情緒不安定傾向診断」をしてみましょう!

状態を表すいくつかの言葉の中から、あなたの今の気分にどれくらい当てはまるかを調べます。以下の項目から最も当てはまるものを一つ選んでください。回答が終わったらすべての項目の得点を合計してくださいね。

 

 

診断・チェック!情緒不安定傾向を確認

10点~20点 今の情緒不安定傾向は低めです。
普段情緒不安定になることはあまりないと思われます。しかし、環境の変化やストレスを強く感じると、情緒不安定になる可能性もあります。定期的にこの診断をやってみて、心の状態を診断・チェックしましょう。


21点~30点 今の情緒不安定傾向は中程度です。

日常生活の中で情緒不安定になることがあるでしょう。コラムで紹介する情緒不安定を改善する方法を実践してみましょう。生活の中で意識するだけで、自分を変えることができ、情緒不安定が緩和されると思います。


31点~40点 今の情緒不安定傾向は高めです。
気分の波に巻き込まれて、生きづらさを感じていませんか。情緒不安定の改善法も対策としてはもちろん大切ですが、あまり自分の中でためこまず、場合によっては適切な医療機関でカウンセリングを受けることをおすすめします。

 

情緒不安定になる3つの原因

情緒不安定傾向の診断・チェックをして、今の情緒不安定傾向を知ったところで、今度は原因について見ていきましょう。情緒不安定になってしまう原因は、大きく分けると3つあります。

 

①感情のコントロールが下手
情緒不安定になりやすい人は、自分自身の感情のコントロールが苦手な人が多いです。自分の心の状態を客観的に見ることができないため、自身の情緒不安定な状態に気づいていなケースもあります。感情のコントロールの方法をコラム②でご紹介していきます。

②考え方が極端すぎる
情緒不安定になりやすい人は、周囲の人からの評価や言葉にとても過敏なところがあります。相手の言動を気にしすぎて、自分の感情が大きく揺さぶられてしまうのです。

物ごとは1つの捉え方だけでなく様々な視点で見る事ができますが、情緒不安定な人は、極端に考えすぎる思考のクセがあります。自分の思考のクセに気づき別の視点を取り入れる事で、気持ちが安定し他人の言動を気にする事が少なくなります。コラム③で詳しくご紹介します。

③ “安心感”が少ない
気持ちが安定するためには、家族関係や人間関係の安定、ほっとできる場所、物の存在が必要になります。自分の周りにそうした“安心できる”ものが少ないと必然的に情緒不安定になりやすくなってしまいます。特に、家族関係として「幼少期の母子関係」と「過去のトラウマ体験」が大きく影響していると言われています。

幼少期の母親との信頼関係は、子供にとっていわば「安全基地」で、その後の対人関係の基礎となります。それがうまく形成されないと、不安を感じやすくなり、情緒不安定になりやすいとされています。そこで、改めて家族関係、日常生活で安心を見つけられる考え方・捉え方をコラム④でご紹介します。

 

情緒不安定は改善できます!

情緒不安定傾向の診断・チェックの結果はいかがでしたか。気をつけてほしいのは、これはあくまで「今の」あなたの状態ということです。時間と共に、心の状態は常に変化します。できれば月に一度ほど情緒不安定の診断・チェックを行い、自分を見つめ直しましょう。自分を知ることで、情緒不安定が大きくなる前に対処できるようになります。

コラム② 情緒不安定を知ることのメリット
コラム③ 安心感を見つけて情緒不安定を改善
コラム④ 考え方を変えて情緒不安定を治す

情緒不安定になると対人関係もうまくいかなくなり、思い悩んでばかりで必要以上にエネルギーを使い心も身体も疲れてしまいます。「情緒不安定なのは自分の性格だから仕方ない」と諦めないでください。気持ちを安定させるコツを知ることで、情緒不安定は少しずつ改善できますよ。

次回のコラムは、情緒不安定になる原因の一つ目「感情のコントロールが下手」の対処法をご紹介します。次回の情緒不安定コラムもお楽しみに!

★ 放置厳禁!自分も周りも苦しめる情緒不安定
★ 診断・チェックで情緒不安定傾向を知ろう
★ 情緒不安定になる3つの原因がある

 

*出典
・『パーソナリティ障害とむきあう―社会・文化現象と精神科臨床』林 直樹,日本評論社(2007)
・『人格障害の臨床評価と治療』林直樹,金剛出版(2002)
・抑うつの鑑別を極める 野村総一郎(編)医学書院(2014)

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