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緊張で吐き気も?!不安を軽減しよう

緊張,吐き気


緊張で吐き気も?!不安を軽減しよう④

 

当コラムは10分程度かかります。 コラム③では、緊張を高めている原因の1つ「周りの評価を気にする」の解決法をご紹介しました。具体的には、新しい視点や考え方を取り入れることで緊張を和らげるということでしたね。

もう一度整理しますと、緊張を高める原因となる考え方は「①悪い結果を考える」「②周りの評価を気にする」「③高い目標設定をする」がありました。

今回は緊張を高めている原因の3つ目「高い目標設定をする」の解決方法として、適度な目標設定をご紹介します。練習問題を通して不安を軽減するコツをつかんで緊張を軽減していきましょう!

 

自分の実力を確認!緊張を克服しよう

人は何かを取り組むときに、やる気を上げ効率よく進める為に目標を決めます。達成できれば、自信になりまた新しいチャレンジができますが、自分には見合わない高い目標を設定で思うような結果が出ず自信を無くしてしまったり、緊張を高めてしまうことがあります。

高い目標を設定することそのものに問題があるのではなく、それを実行するのに自分がどのように感じるのかということが重要です。高い目標が自分にとってのストレスになってしまうことで緊張を高めるのです。では高い目標がどのようにしてストレスに繋がるのか、以前にお話した、認知的評価の視点からご説明します。

認知的評価とは、「ストレスになりそうな出来事を自分がどのように評価するか」という考え方のことです。認知的評価には2種類あり、出来事を「恐い」「脅威だ」と感じる一次的認知評価と、「できる!」という自信を感じる二次的認知的評価がありました。自分にとって高すぎる目標の設定を、

「実行できないのではないか」
「それは自分にとって脅威的だ」
と評価をすることによってストレスが生まれ緊張することにつながります。

高い目標であっても、一次的認知評価や二次的認知評価が保てるような目標を設定することができれば、挑戦するためのモチベーションになります。まずは、自分の実力を正しく知り、上手な目標設定をすることが緊張を和らげることになります。

緊張で吐き気も?!最適な目標で克服を

高すぎる目標設定で緊張を高めてしまったサトウさんをご紹介します。

サトウさんは今まで100点を取った事はありませんが「絶対に100点をとる」という思いから、テスト前日は緊張とプレッシャーであまり眠れませんでした。テスト本番では、わからない問題につまづくと「解かなければ…」と思ってしまい時間がかかり、結局100点どころかいつもより悪い点数を取ってしまいました。

サトウさんは「絶対に100点を取る」という少し無理のある設定から、緊張を高めてしまい、結果パフォーマンスを低下させることになりました。

サトウさんのように、高すぎる目標をかかげてしまう人にはある特徴があります。それは、

「まじめで完璧主義な性格」

まじめで完璧主義な人は『自分で決めたことは「必ず」「正確に」達成しなければならない』と考えがちです。目標を達成したいという思いや期待を心理学では「達成動機」と呼びますが、まじめで完璧主義な人は完璧主義でない人に比べ達成動機が高いといわれています。完璧主義な正確は自分が完全であることに意識が集まります。

自分の決めた目標にストイックに取り組むことができ、それに自分が満足できれば、完璧主義は悪いことではありません。しかし、自分が完璧でありたいという思いが周囲の評価を気にすることで生まれる場合、失敗を恐れ緊張をしたりストレスを感じることがあります。失敗を恐れるあまり、目標や計画していたことから逃げ出してしまう、突然やめてしまうなど失敗から回避しようと行動することもあります。

心と身体が緊張することでどんどんストレスを強めていき、息が苦しくなったり、頭痛や吐き気、人が怖いと思ったり、プレッシャーへの日常的な不安などさまざまな不安の症状となって表れます。本人自身も気づかないうちに、高い目標を自分の中で決めて、それを達成できるかどうかとても不安に感じるようになります。それがプレッシャーになり、自身のストレス緊張をかなり強めてめてしまうのです

緊張を克服!最適な目標設定3つの手順

みなさんももしかしたら当てはまることがあり、ゾッとした方もいらっしゃるかもしれません。

ここでリラックスとリフレッシュ。適度な目標設定のコツを先ほどのサトウさんの例で考えていきましょう。

①自分の実力を知る
目標を決める前に、今の自分の実力を正しく知る必要があります。
サトウさんでいえば、今までのテストの結果を振り返ってみるといつもだいたいどのくらいの得点を取れているかわかるでしょう。

②最高と最低の2つの目標を決める
目標は「最高の目標」と「最低の目標」の両方を考えます。
最高のイメージと最低でもクリアしたいラインを作っておきましょう。

③目指す目標を決める
最後に身の丈にあった「目指す目標」を決めます。
ポイントとしては、最高の目標と最低の目標を参考にして「最低の目標よりちょっと高い」で設定すると、プレッシャーを感じることは少なく、余計な緊張を感じなくなります。

それでは、さきほどのサトウさんの例で考えてみましょう。

①自分の実力
ここまで取れていた得点→70点くらい

②最高の目標・最低の目標
・最高の目標…100点を取る
・最低の目標…70点くらい(いままで取れていた得点)

③目指す目標
・75点以上を取る


高い目標を決めることは決して悪いことではありません。しかし、高すぎる事は緊張を高めて自分自身を苦しめてしまいます。このように、自分の身の丈にあった設定ができると、過度に緊張感をもつことがなく本番に臨むことができるようになります。

コツを確認!練習問題で緊張を克服

それでは、目標設定のコツを意識しながら練習問題に取り組んでみましょう!

次の問題では、高すぎる目標を決めてしまっている状況を挙げています。あなたなりに適切な最高の目標・最低の目標、そして目指す目標を考えてみてください。

問題1
あなたは大事な資格の試験を控えています。その試験は60点以上取れれば合格します。「1問も間違えないように完璧に解かないと…」と考えていました。それぞれの目標を考えてみましょう。

○「最高の目標」 ⇒ 
○「最低の目標」 ⇒
☆「目指す目標」 ⇒

 

問題2
あなたは友人の結婚式でスピーチを控え、うまくいくかどうか不安でとても緊張しています。そのとき、「スピーチ内容を全部覚えて、かまずに堂々と話さなければ…」と考えていました。それぞれの目標を考えてみましょう。

○「最高の目標」 ⇒ 
○「最低の目標」 ⇒
☆「目指す目標」 ⇒

 

 

問題はいかがでしたか?問題1はサトウさんの例に近かったので、考えやすかったと思います。問題2は少し難しく感じたかもしれませんね。以下に、解答例をご紹介しますので確認してみましょう。

 

問題1の解答例
○「最高の目標」 ⇒ 100点を取る
○「最低の目標」 ⇒ 60点を取る
☆「目指す目標」 ⇒ 70点を取る

問題2の解答例
○「最高の目標」 ⇒ スピーチ内容を覚えてかまずに人の目を見ながら話す
○「最低の目標」 ⇒ 前は向けなくてもスピーチ内容が書かれた紙を見ながら話す
☆「目指す目標」 ⇒ スピーチの紙を見つつ、なるべくつかえずに時折前を向いて話す

 

少しの工夫で緊張を克服!

練習問題をやってみていかがでしたか。適切な目標設定をどのように考えていくかがポイントですから、ご紹介した手順を元に、最高の目標、最低の目標、そして「最低の目標より少し高い目標=目指す目標」を作っていきましょう。

「高い目標」と「目指す目標」を比べると、目指す目標を立てた時のほうが緊張を強く感じないと思います。少し工夫するだけで、緊張の高まりを押さえることができますから、ぜひやってみてくださいね。

次回は、緊張コラムのまとめとしてお伝えしてきたポイントをご紹介していきます。一緒に確認しましょう!

★ 実力を確認して緊張を克服しよう
★ 緊張が高いと吐き気を伴う事もあります
★ 最適な設定で緊張による吐き気も克服
★ 練習問題を通して不安や吐き気の症状も軽減しよう

 

*出典
・ 対人ストレス過程の検証 加藤 司 教育心理学研究 49(3),295-304,2001- 09-30
・認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)
・学業場面における不健全完全主義者の動機づけに随伴性自己価値および失敗の反すうが及ぼす影響 胡 (増井)綾乃 岩永 誠 パーソナリティ研究 24(3),190-201,2016

 

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