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ネガティブ思考を改善するための正しい帰属へのコツをご紹介します。

ネガティブ思考


ネガティブ思考を改善!正しい帰属へのコツ②

コラム①では、ネガティブ思考を強めてしまう3つの原因をご紹介しました。具体的には「①自責が強い」「②ネガティブ反すう傾向が高い」「③認知の歪み」でしたね。

今回はネガティブ思考を強めている理由の1つ目「自責が強い」を解決するコラムです。解決に効果的な「原因帰属を見直す」について事例や練習問題を交えながら、詳しく紹介をしていきます。

 

原因帰属とは。ネガティブ思考に影響?

みなさんは「原因帰属」という言葉をご存知ですか。

原因帰属とは、人が行動した結果の原因をどこに求めるかという事を意味します。そして「帰属」は人が原因を推測する心理的過程のことを指します。このような原因を求める帰属は、ハイダーという心理学者が初めて研究し「帰属理論」として確立されています。近年では、認知心理学の方法論や理論の研究として進められています。

帰属には、以下の2つのパターンがあります。

①内的帰属
行動の結果を、性格や能力など自分の内部に求めます。例えば、試験で一生懸命勉強していい点数がとれた時には「一生懸命試験勉強を頑張ったおかげだな」と、自分の「がんばり」に求めるパターンです。

②外的帰属
行動の結果を、状況や運など自分の外部に求めます。例えば、一生懸命勉強したけれど試験でいい点数がとれなかった時には「試験の内容が難しかったからかな」と、「試験の難易度」に求めるパターンです。

この2つのパターンは必ずしも正しい帰属の仕方をするとは限らず、人によって大きな違いがあるのが特徴です。

ネガティブ思考が強いスズキさん

ここで、何でも自分のせい!と考えてしまう、ネガティブ思考が強いスズキさんをご紹介したいと思います。

スズキさんはヤマダさんとペアでテニス大会に出場することが決まりました。スズキさんは試合前から「どうせ大会に出ても良い成績を残せないよ…」と悪い結果ばかりに目が行きネガティブ思考に考えていました。

そして、大会当日。

勝利をした時には「運が良かっただけだし、ヤマダさんがいたから勝てたんだ…」と考えてしまいました。そして、試合で負けた時には「負けたのは自分のせいだ。占いでも今日は良くないって出てたし。ヤマダさんも今日調子悪かったのは、自分のせいだろうな…ペアが自分じゃなかったら勝ててただろうし…」とネガティブ思考ばかりを考え落ち込んでしまいました。

 

ネガティブ思考は帰属を誤りやすい

ここで、ネガティブ思考が強いスズキさんの考え方を原因帰属で整理してみましょう。

勝ったという良い結果には
「運が良かっただけ」と外的帰属で考えています。

負けたという悪い結果には
「試合で負けてしまったのは自分のせいだ」と内的帰属で考えています。

本来は、良い結果には「内的帰属」し悪い結果には「外的帰属」しがちですが、スズキさんのようにネガティブ思考が強い人は、逆に帰属してしまいやすいのです。

このように、原因を誤った方向に理由づけ、ネガティブ思考を繰り返してしまうと自分に自信が持てなくなり、ますますネガティブ思考を強めてしまうため正しく帰属する事が大切です。

 

ネガティブ思考を改善!2つのコツとは

実は、ネガティブ思考が強くなくても、人は帰属をしばしば誤ることがあります。このような場合、正しい帰属に導く方法を身に付けておく良いでしょう。ここでは、正しい帰属に導くコツを2つご紹介します。

 

①他人に原因や責任を求める
思い切って他人に原因を求めてみましょう。「無責任な…」と思うかもしれませんが、これこそがネガティブ思考を強めている要因の1つです。ネガティブ思考が強い人は自分の責任にしがちですから、少しでも他人に求めるようにしましょう。

②その時の状況や環境に原因を求める
他人に原因を求めることに抵抗がある人は、その時の状況や環境に求めてみましょう。例えば、「仕事で忙しかったから」とか「天気が悪かったから」など自分のこと以外に求めるようにしましょう。

 

正しい帰属へ導くポイントは、結果の原因が1つと思い込まずいくつか可能性があると考えることです。様々な視点で物事を見ることができると、冷静に判断したり客観的に見ることができるようになります。そうすることで、自分ばかりに責任を押し付けることもなくなりネガティブ思考も改善されるようになります。

 

ネガティブ思考を改善!練習問題と解説

それでは、ご紹介した2つのコツを踏まえながら、練習問題を取り組んでネガティブ思考の改善を目指しましょう!それぞれの問題で、他にどのような原因や可能性があるか考えてみてくださいね。

問題1
あなたは会社に勤めています。部下が単純な確認ミスをしてしまい相手先の会社に迷惑をかけてしまいました。「私がちゃんと部下の仕事を確認していなかったからだ。しっかり部下を教育していればこんなことにはならなかった」とマイナス思考に陥ってしまいました。どのような原因が考えられるでしょうか。自分に求める以外で、その他の可能性をいくつか考えてみましょう!

回答

 

 

問題1の解説
この問題では、自分自身がミスではなく部下がミスしたにもかかわらず、自分の責任を過度に追及しています。つまり、悪い結果を自分に原因帰属していますね。ですから、原因を外部のもの(環境や状況、他者など)に帰属するように考えることが求められます。

≪解答例≫
・かなり仕事が忙しい時期だったから部下も見落としがあったんだな
・部下がしっかり確認していればよかったのに
・部下も疲れていて注意力が散漫になっていたんだな

解答例は部下に責任を押し付けているようにも感じるかもしれませんね。でも、ミスをしたのはまぎれもなく部下です。ネガティブ思考が強い人の特徴は、悪いことをなんでも自分のせいにしてしまう傾向です。そんなネガティブ思考が強い人は、他人にも一部は責任があるという視点を持っても良いでしょう。

 

それでは、2つめの問題に進みましょう。

 

問題2
あなたは友人から遠距離恋愛の相談に乗っていました。ずっと相談に乗っていましたが、結局その友人は別れてしまいました。「私がうまくアドバイスできなかったから別れちゃったんだ…」とネガティブな考えに陥ってしまいました。どのような原因が考えられるでしょうか。自分に求める以外で、その他の可能性をいくつか考えてみましょう!

回答

 

 

問題2の解説
この問題では、恋愛相談に乗っていた相手が別れてしまうというものでした。自分のことではないのにもかかわらず、その結果の原因を自分のせいだと思っていました。

≪解答例≫
・きっと相性がよくなかったんだな
・かわいそうだけどすぐに新しい人が見つかるだろう
・遠距離恋愛でなかなか会えなかったのだし仕方ない

別れてしまった理由はわかりませんが、少なくとも恋愛相談に乗っていたことが原因ではなくて当人同士の問題の方が大きいと思います。そして、遠距離恋愛という環境の可能性も捨てきれませんよね。このように様々な可能性を考えるとネガティブ思考から抜け出しやすくなります。

 

ネガティブ思考を改善する第一歩!

練習問題をやってみていかがでしたか。簡単にいくつも思いつく方もいれば、悩んでしまった方もいるかもしれません。

ポイントは、物事の原因は一つではないと知ることです。様々な可能性を考えてみることで、誤った原因帰属によるネガティブ思考の強化を抑えることができます。とはいえ、最初から様々な原因を考えるのは難しいでしょう。

まずは、自分の帰属の誤りに気付くことから始め、ご紹介した2つのコツを意識して考えてみましょう。少しずつ視野が広がっていきますから、焦ることはありません。あなたのペースでゆっくりやっていけばいいですよ。

今回はネガティブ思考を強めている「自責が強い」を改善するコツをご紹介しました。次回はネガティブ反すうに対処する方法を紹介していきます。次回のネガティブコラムもお楽しみ!

★原因帰属の間違いはネガティブ思考を強める
★ネガティブ思考の人は帰属を間違えやすい
★正しい帰属へ導く2つのコツでネガティブ思考を改善
★練習問題でネガティブ思考を改善しよう
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