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ネガティブを治すのに役立つ、今すぐできる認知療法を紹介します。

ネガティブ,治す


ネガティブを治す!すぐできる認知療法で④

 

当コラムは10分程度かかります。

コラム③では、「ネガティブ反すう」の対処法をご紹介しました。まずは、今の自分のネガティブ反すう傾向をセルフチェックしてみてくださいね。

ここでネガティブを強めてしまう原因をもう一度整理しましょう。ネガティブを強めてしまう原因は「①自責が強い」「②「ネガティブ反すう」傾向が高い」「③認知の歪み」の3つでしたね。今回は3つ目の「認知の歪み」を修正する方法をご紹介します。

 

認知の歪みはネガティブを強める

ネガティブが強い人は、何でも無い出来事を偏った、誤った価値観で捉えることがあります。良い出来事でも同様です。このような歪められた思考のクセを「認知の歪み」と言います。

「認知の歪み」とは、全く合理的でない誤った考え方のことをいいます。事実とは違う、極端で大袈裟な考え方です。医者のアーロン・ベックが提唱し、その後デビッド・D・バーンズが認知の歪みについて10種類のパターンを挙げました。

例えば、仕事中にミスをしたらみなさんはどう考えるでしょうか?

「誰でも起こることだ。今度からチェックを入念にしよう」
「もう自分はおしまいだ!自分なんて必要とされない!」

もし、自分はおしまいだ!と考える人は認知の歪みが起きているといえます。 

先ほどの例のように、ネガティブな認知の歪みが起きた場合、憂うつや不安など気持ちがどんどんとネガティブになり、次第にストレスに繋がります。そしてうつ病などの心の病気になることもあるのです。ネガティブを直すには、認知の歪みを修正することがおすすめです。

 

必見!「認知」とは何か?を教えます

「認知」と聞くと難しい言葉かもしれませんが、物事をどのように考え判断するか、認識する過程のことを指す心理学の専門用語です。

例えば「あの人から嫌われた!」と考えた場合、嫌われたという出来事よりも、「嫌われた」と認識したということが大事なのです。もしかすると、同じ出来事でも嫌われたと感じない人もいるはずです。

気分や感情は事実ではなく自分が認知した結果、ネガティブな感情は歪んだ認知が生み出すのです。認知の歪みは言わば心の癖のようなものなので、自分で修正することもできます。

考え方などの心の癖=認知の歪みを修正する専門的な方法を認知行動療法といいます。

 

ネガティブのパターン?10の歪み

これから認知の歪みについて、10個のパターンをご紹介します。これらは1つ1つ独立するというより、いくつも重なり合ってネガティブな認知となることもあります。みなさんはこんな考え方したことはありませんか?

①価値観はすべて白か黒!「全か無かの思考」
物事を白か黒かで判断することを指します。「〜の場合もあるかもしれない」といった中庸はなく、とても極端な考え方です。

例えば、少しでもミスをしたらもうおしまい!すべて台無し!と考えるのがこれにあたります。一部分だけを見て「いつも」「全部」と言ったり「絶対にそうだ」など断定的な言葉を使うことが多くあります。また、とても仲が良いのに些細なことで突然「裏切り者!」と手のひらを返される…など、人付き合にも影響します。あまりにも修正が難しい場合は、精神的な疾患に繋がることもあります。

②人にも自分にも厳しい?「〜すべき思考」
物事を「〜すべきである」「〜しなければならない」と考えることです。周囲の事情や例外は認めず、他人にも自分にも求めるのでとても窮屈な人間関係になります。

③決まっていつも不幸…「行き過ぎた一般化」
証拠もないのに自分の経験の一部分から「(どうせ)いつも〜になる」など法則や理論をつくることです。また。一つのことから別のことへと波及することもあります。

「職場のAさんから挨拶されなかった。きっと嫌われているんだ。自分はいつも人から嫌われるんだ」
などと考えます。ネガティブな一般化は、いつも自分に悪いことが起きるので、憂うつな気分に陥っていきます。

④ポジティブが見つからない!「心のフィルター」
「選択的抽象化」「心のサングラス」ともいわれます。物事の悪い部分ばかりに目が向きとらわれてしまい、よい部分やポジティブな部分など他の要素を全く評価しない認知です。例えば、数学のテストだけ悪く、他のテストの成績はよかったのに「こんな点数をとってしまった…!」などと考えます。

⑤「マイナス化思考」
成功したことは「まぐれ」と思い、失敗には「やっぱりそ自分は失敗する」と考えることをいいます。よい事を無視するだけでなく、それを悪いことにすり替えてしまいます。また、「よかった」という価値を下げるため自信がなくなっていきます。

⑥結論が一足飛び!「結論の飛躍」
結論の飛躍とは誤った推測をすることです。「心の読みすぎ」と「先読みの誤り」という2種類に分かれます。心の読みすぎは人の行動や反応、表情などからネガティブなことを推測することをいいます。例えば、街でばったり会った友達に声をかけたら、友達がそっけなかった。

「あの人は自分のことを嫌っているんだ」
などと考えます。友達は急いでいたのかもしれない、後で聞いてみようなど確認することなく早合点してしまいます。先読みの誤りは、物事を悪い結果になると推測することをいいます。例えば、病気になったら

「これはきっと不治の病でもう治らない」
など悲劇的に考えす。この認知の仕方はうつ病の人によくみられます。

⑦見方がチグハグ?「誇大視と過小評価」
自分の失敗や短所などを実際よりもとても大きく受け止め、一方で成功や長所は実際よりもとても小さくに考えることです。①の全か無かの思考や⑤のマイナス化思考に似通った部分もあります。

⑧「感情の決めつけ」
自分の感情の一部分にとらわれてネガティブに考えることをいいます。例えば発表前に緊張を感じたら、「こんなに緊張しているんだから、失敗するに違いない」などと考えます。④の心のフィルターに似通った部分もあります。

⑨ネガティブをネーミング「レッテル貼り」
ある出来事や失敗からネガティブなレッテルを貼ることをいいます。③の行き過ぎた一般化をさらに強めた場合にレッテル貼りになります。ミスを「失敗した」ではなく「何もできないダメな人間」などと捉えます。レッテル貼りは自分にだけでなく周囲の人へも行うため他人のミスに対しても「こんなこともできない無能なヤツ」と考えたりします。

⑩全部自分のせい?「自己関連づけ」
物事をすべて自分が関係している、自分のせいではないかとかんがえることをいいます。自分に責任がないことでも責任を感じてしまうので、自分に対する評価が低く、罪悪感がしょうじます。

ネガティブが強い人は、いくつかの思考パターンを持っているのではないでしょうか。このようなネガティブを引き起こすパターンを改善するには、認知の歪めている自分の思考パターンに気づく事からまず始める事が大切です!

 

ネガティブを治す!認知療法のコラム法

たくさんの認知の歪みについてご紹介をしたので少しお疲れではないでしょうか?ここでリフレッシュ!ワークをご紹介します。

ここでは、認知の歪みを修正するのに効果的な「コラム法」をご紹介します。自分の思考が整理できパターンに気づくため、ネガティブの改善にも役立ちます。

コラム法とは正式な名称は認知再構成法といいます。ベックが開発しました。表(コラム)にして書くのでコラム法と呼ばれています。自分がどれくらいネガティブな考えや気持ちを持っているかパーセント(%)で表すことで自分の考え方をわかりやすく整理することができます。

コラム法は、ネガティブな気分や不適応な行動を引き起こす認知を明らかにし、自分で修正する方法です。場面ごとに瞬間的に感じる考えやイメージのパターンを自分自身で理解し、修正することができます。

用意するのはペンと紙だけ、コラム③で行ったワークの応用バージョンです。
コラム法は次のような手順で実践します。

①ネガティブな気持ちになった出来事を書きます。
(いつ、どこで、何が、どのように起きたか詳しく書きます。また、周りの人がいた場合は、誰が何をどのように言ったのか、後に出来事について自分が考えたことや行動、体調の変化などがあれば、それも詳しく書きます。)

②瞬間的に感じる考えやイメージを書きます。
またその考えやイメージが自分の心の中に占める割合を書きます。

③その後の自分の気持ちを具体的に書きます。
自分の心の中に占める割合を書きます。

④②の考えやイメージについて、別の考え方ができないか検証します。自分の心の中に占める割合を書きます。
新しい考えが客観的、事実に近いものでそれを取り入れられそうであれば高い割合を記入します。

⑤新しい考え方を取り入れた結果、③が変化したか、自分の心の中に占める割合を書きます。

 

気持ちや考え方などはできるだけ多く書き出すことがおすすめです。
ではこれから実際にコラム法を実践してみましょう。

 

コラム法の練習!ネガティブを克服

これからコラム法のワークをご紹介します。先ほどの手順を参考に書き出してみましょう。

 

①ネガティブな気持ちになった出来事
②瞬間的に感じる考えやイメージ+心の中の割合(%)
③その後の自分の気持ち+心の中の割合(%)
④別の考え方の検証+心の中の割合(%)
⑤新しい考え方を取り入れた結果の自分の気持ち+心の中の割合(%)

 

 解答例
①ネガティブな気持ちになった出来事
今日会社でミスをしてしまった。すぐに上司に報告し修正した。上司から「今まで一人でやってたのかぁ。ペアにした方がいいかな?」と言われた。家に帰って上司の言葉の意味を考えた。次第に胃が痛くなった。

②瞬間的に感じる考えやイメージ+心の中の割合(%)
・ミスをするなんて自分はダメだ。(40%)
・明日もミスをするかもしれない。(30%)
・上司は自分をダメな奴、必要ない奴だと思ったのではないか。(100%)

③その後の自分の気持ち+心の中の割合(%)
・悲しい(30%)
・恐い(40%)
・不安(70%)
・疑い(90%)

④別の考え方の検証+心の中の割合(%)
・ミスは誰にでもあることだ。(40%)
・今日ミスしたからといって明日もミスするわけではない(20%)
・上司は自分のことが必要だから今の仕事を継続させたのではないか。(70%)
・ペアにするのはお互いに確認しながら仕事ができるからではないか。(80%)

⑤新しい考え方を取り入れた結果の自分の気持ち+心の中の割合(%)
・悲しい(10%)
・恐い(20%)
・不安(40%)
・疑い(20%)

いかがでしたか。このワークの解答例では、会社でミスをした直後よりも家に帰ってからの方がストレスを感じ体調が悪くなっています。このように自分がどんな場面でストレスを感じるか細かく把握することが大切です。また、自分の考えやイメージには、そうでない「証拠」や「理由」を客観的に考えることでそれを打ち消していきましょう。

 

ネガティブのクセを治すならゆっくりと

コラム法を実践してみていかがですか。普段からコラム法で気持ちを書き込む様にすると、自分の思考のクセに気づきやすくなり、ネガティブな気持ちや、認知の歪みを修正する事ができると思います。思考のクセはすぐに修正できるものではありませんから、ゆっくり焦らず進めていきましょう!

次回は、ネガティブコラムのまとめとしてお伝えしてきたポイントをご紹介していきます。次回のネガティブコラムで一緒に確認しましょう!

★ 認知の歪みはネガティブを強める
★ ネガティブな人に多い認知の歪みは10種類ある
★ 認知の歪みを治すコラム法
★ コラム法でネガティブに気付こう

 

*出典:認知行動療法を学ぶ(下山晴彦編 金剛出版,2011)・認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)

 

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