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楽しい仕事は内発的動機で

楽しい仕事は内発的動機付け③

コラム①では、楽しい仕事をテーマに、仕事に強いストレスを抱く人の統計やポジティブ感情の歴史やメリットを紹介しました。今回は楽しい仕事にするコツのひとつ「内的動機付け行動」について解説します。

外発的動機よりも内発的動機

楽しい仕事ができない人の傾向のひとつに、周囲から認められることを基準に行動している点があります。自分でやってみたいことがあるのにできない…その根底には、

「失敗が怖い…」

このような失敗への不安から、人の意見に沿った行動をしてしまうのです。

楽しい仕事ができない原因

自分に挑戦が無い仕事が続けば、意欲がわかなかったり、仕事そのものが継続しにくいものになってしまいます。

また仕事をやり遂げたとしても「楽しい仕事だった」「やり遂げた!」というプラスの感情はあまり得られないため、仕事に楽しさを見つけていく事は難しいでしょう。

2つの動機付けを知ろう

私たち人間は、行動をするときには、何かしらの動機付けがあります。心理学の世界では、この動機付けを大きく2つに分けています。

・内発的動機
自分の内部から湧き上がる欲求で行動します。欲求の源が、自分の好奇心や探求心になっていることが多いため、継続力があり目標達成に向けて楽しみながらコツコツ実践することができます。

・外発的動機
周囲からの評価や報酬など、外的な要因で行動します。欲求の源が、外部のため効果が得やすいものの短期的で持続性が無いという特徴があります。

楽しい仕事は内発的動機付け行動仕事が楽しい!と継続的に感じられる人は、心理学的には、内発的動機が高い状態です。内発的動機による「やりたい!」という強い気持ちを持つことで楽しい仕事ができることはもちろん、自らの意思で挑戦していくこともできるため、楽しい気持ちを維持し続ける事が可能です。

内発的動機付けを高めて挑戦心を

ここで、楽しい仕事につながる内発的動機に関する研究を見ていきましょう。

Deci & Ryan(2002)は、自己決定理論の研究において「人が活動に対して内発的に動機づけられるプロセス」をモデル化し、自己決定度の低いものから高いものまでを段階的に示しました。

以下の図をご覧ください。縦軸が「自己決定度」横軸が「内発的動機付け」です、右側にいくほど自己決定度・内発的動機付けが高い活動であることを示しています。

内発的動機付けのプロセス

①②報酬や承認を目的とした活動
自己決定が低く、内発的動機付けが低い
他者からやらされている状態です。

③個人的に意味を持つ活動
自己決定が高く、内発的動機付けが高い
自分から進んで行う状態です。

つまり、内発動機付けが高くなるほど、自分から進んで行動をができるため挑戦してみたい目標が見つかったり、楽しい仕事にチャレンジする機会が得られる可能性が高くなります。

まずは内発的動機付けの行動を増やすことで、楽しい仕事を広げていきましょう。

興味関心から楽しい仕事を広げる

内発的動機付けを増やすために、興味関心のある活動を見つける方法のひとつ「動機付けアップノート」を紹介します。

動機づけアップノートは、自分の興味関心に気づいていく方法です。簡単な質問を通して、日常の何気ない行動を振りかえり、やってみたい目標を見つけていきます。楽しい仕事を見つける動機付けアップノートを作るときのポイントはこちらです。

・自分が何気なくやっている事に目を向ける
・自分の解答に判断をしない
・1つの質問になるべく多く回答する

それでは具体的な手順を見ていきましょう。

例題
Aさんは、半年前に大きなプロジェクトで失敗をしてしまいました。それからというもの、自分の判断に自信がなく、次に自分がどうしたいのかもわからない状態です。あんなに楽しい仕事だと思っていた職場が業務が、最近は全く楽しめません…。そこで次の目標を設定するために動機付けアップノートを作ってみることにしました。

質問1:職場で自主的に時間を使っていることは何ですか?
→展示会に行ったり、取引先の訪問をする。テレビや雑誌でチェックした情報を元に市場調査も行っている

つぎに質問1の回答を掘り下げます。
質問2:どうしてそれをすることが好きですか?
→人から知らないことを教えてもらうととてもワクワクする。メディアで見たものを実際に手にするととても興奮して気分がいい。

質問3:その好きなことで一番わくわくする状況は?
→自分が知ったことを何かカタチにして会社に貢献出来たらとてもうれしい。誰かと一緒に楽しみながらカタチにできたら最高に達成感があると思う。

Aさんは、動機付けアップノートを通じて、次のことが分かりました。

・情報をキャッチすることが好き
・実際に体験することが楽しい
・アイデアをカタチにできたらうれしい

情報を集める中でカタチにしたいアイデアを見つけていくことから、楽しい仕事を見つけていく事にしました。

このように、普段何気なく時間を使ってしまう事、強制ではないのにやってしまうことの中に、内発的動機付け行動の源が隠れていますよ。

内的動機付けのトレーニング

それでは、あなたの動機付けアップノートを作ってみてくださいね。

質問1:職場で自主的に時間を使っていることは何ですか?

 

つぎに質問1の回答を掘り下げます。
 質問2:どうしてそれをすることが好きですか?

 

 質問3:その好きなことで一番わくわくする状況は?

楽しい仕事はワクワクの発見から

動機付けアップノートの練習はいかがでしたか?3つの質問の中で、日々を振り返り、自分の本音やポジティブな感情を探ってみましょう。その中で、自分自身の興味関心が分かると、内的動機付け行動が増え、楽しい仕事時間が増してくると思います。ぜひ実践してみてくださいね。

★外発的動機よりも内発的動機!楽しい仕事時間を増やそう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2002). Overview of self-determination theory: An organismic dialectical perspective. Handbook of self-determination research, 3-33.