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コミュニケーション能力で信頼を築く方法

コミュニケーション能力‐心理⑤信頼関係の築き方

コミュニケーション能力-心理④では、自己肯定感の持ち方について紹介しました。適切な自己肯定感を身に付けてコミュニケーション能力を伸ばす機会をしっかり増やしていきましょう。

今回は、コミュニケーション能力を伸ばす方法の1つ「信頼関係の築き方」について解説していきます。

信頼関係とは?

私たち人間は社会的動物といわれています。先祖の時代から、コミュニケーション能力を用いて互いを信頼関係で結びつけることで幸福な社会を形成してきました。また、心理学のさまざまな研究では「相手を信頼する」傾向がある人の方が、メンタルヘルスが良好なことがわかっています。

このように「信頼する」習慣がないと、人間関係が崩れてしまったり、良い対人関係でのリスクが高くなります。相手を信頼する習慣は、コミュニケーション能力には欠かせない要素といえます。信頼関係を築いてコミュニケーション能力を伸ばすコツを解説

安心と信頼の違い?

信頼関係の視点から、コミュニケーション能力を伸ばすために、まずは「安心」と「信頼」の違いを知りましょう。

安心
しっかりとした根拠があり、お互いを信じる
信頼
しっかりとした根拠がなくとも、お互いを信じる

ポイントは「あり」「なくとも」です。安心には根拠があり、信頼は根拠がなくても相手をなるべく信用しようとする行為です。

例えば、
恋愛関係で考えてみましょう。

安心
浮気をしていないか心配なのでメールを確認した。異性とのやりとりはなかった(根拠がある)から、信じられる

信頼
浮気をしていないか心配だが確認しなくても(根拠はなくても)、私は相手を信じられる

いかがですか。安心は根拠に基づくため、壊れやすい人間関係になりがちです。信じる気持ちを大切にしている信頼は、人間関係を強固なものにしてくれます。

実は、人間は自分が信頼されると、信頼してくれた人を信頼する習性があります。信頼することで、信頼関係を強くしていけるのです。

安心と信頼の違い。コミュニケーション能力を信頼関係で伸ばそう

「相手を見抜く」コミュニケーション能力とは?

信頼関係を築くことがコミュニケーション能力を伸ばす力になるとはいえ「裏切られるのでは…」という不安もあると思います。

ここで、信頼関係に関する調査を紹介しましょう。

菊地・渡邊・山岸(1997)は、大学生96人に対して、信頼関係と情報選択実験を行いました。一般的な信頼関係が高い群と低い群に分け行ったところ、「信頼する傾向の強い人」は、「正確な行動をする」傾向があることがわかりました。

相手を見抜くコミュニケーション能力について解説信頼感が高い方が、行動予測が正確で適切なことが示されている点から、信頼感が高い方が見えてくる情報が世の中には多い事が推測できます。その点からも、根拠が無くても信頼をする事には一定のメリットがありそうですね。

信頼関係を築く方法

信頼関係の視点からコミュニケーション能力を伸ばす研究は古くからさまざま行われてきました。

今回は社会心理学の理論から、信頼関係を築くために活用できる「心理学の理論」を4つご紹介します。

①類似性
②相補性
③外見的魅力
④自己開示

ひとつずつ確認していきましょう。

①類似性

相手と類似性(共通点)があると、親近感を覚えたり、相手を魅力的に感じたりします。

例えば
・宗教や思想
・価値観
・身体的な特徴
・出身地
・所属する団体や組織
職業
・趣味

など、色々あります。

共通点がある相手に魅力を感じやすい理由もいくつかありますが、自分自信を肯定されている感覚が得られるのかもしれませんね。

誰にでもさまざまな特徴や経験があります。話をする中で、見つかることも多いでしょう。コミュニケーション能力を高めて、相手との関係を深めることで共通点を探ってみてもよいと思います。

共通点を増やすことで、互いの印象が良くなり信頼関係を築きやすくなります。

共通点から信頼関係を深めコミュニケーション能力を高める

②相補性

相補性とは、互いを補いあう事です。できないことや知らないことを互いに与え合ったり、支えたりすることで相手に魅力を感じやすくなります。

例えば、
「私は何事にも不安が付きまとうため、新しい事に消極的になりがちです。できればどんなことにもチャレンジしたいと思っていますがなかなか行動に移せません…。先日知り合ったAさんは、失敗を恐れず新しいことに取り組んでいる。失敗を恐れずいつもパワーに溢れていて尊敬します。同じようにはいかないけど見習ってみようと思えた」

このように、相手の在り方を参考に、自分の苦手な事やできないことを少しづつ改善していく考え方が持てる関係は、相手を魅力的に感じられるのがイメージできると思います。

③外見的魅力

外見的魅力な魅力も、信頼関係を築くために必要です。

コミュニケーション能力では中身がもちろん大事です。しかし、外見に無頓着すぎると相手に良い印象を与えません。外見的な魅力は、ちょっとした意識で変えられることが多いので、意識して変えていきましょう。

例えば

髪型
清潔に保たれていますか。重苦しい状態なら要注意です。

服装
小奇麗な服装になっていますか。あまり無頓着になるのはNGです。難しい場合はシンプルな服装を心がけるとよいでしょう。

表情
明るい表情になっていますか。暗い表情になりがちなら、笑顔を心がけるようにしましょう。

姿勢
会話中は楽しい印象で過ごせていますか。体から感情が表現できるといいですね。時にはジェスチャーを混ぜるなどしてくださいね。

ちょっとした意識で変えられる点をあげましたが、いかがでしょうか。「難しい…」と感じる方は、清潔感を意識したり、奇抜な服装を避けるだけでも印象は随分変わります。

外見的な魅力でコミュニケーション能力を伸ばす

外見的な魅力は意識するだけでコミュニケーション能力を伸ばす手助けになります。ぜひ取り入れてみてくださいね。

④自己開示

自己開示とは、自分のことを積極的に相手に話す事です。自分について話をしたり、他人にあまり話さないようなことを話したりすると互いに良い印象を持ちやすくなります。逆に、自己開示がないと相手は不信感を抱きやすくなります。

Levinger(1993)は関係形成モデルの理論で、人間関係はお互いが自己開示をすることで深まってくという提唱しています。

自己開示は、信頼関係を築きながらコミュニケーション能力を伸ばす、会話の必須の要素の1つといえます。

自然な自己開示を行うためコミュニケーション能力スキルとして自己開示法を紹介します。自己開示法は、相手の発言に対して自分の経験や考え方を返す方法です。

例えば
会話の相手
「先日沖縄に行ってきました。スキューバーダイビングを初めて体験しましたが、海の中はとても美しくて感動しました。またぜひ海に潜りたいですね」

自己開示法で返してみるとこんな感じです。

「スキューバダイビングですか、素敵ですね。

海に潜った経験がある人はみなさん感動するっていいますね。確かに、海の映像をみていると気持ちが良くてうっとりしますよ。私は海に潜るのは苦手ですが、機会があれば一度チャレンジしてみようかな…と思いました」

いかがでしょうか。相手の話を受けつつ、自分の感情も織り交ぜながら話をすると自然な会話になります。なお、多少は自分勝手な話し方をしてもOKです。適度な気遣いをしながら自分の思うように話すと、コミュニケーション能力も伸ばしていけると思います。

まずは信頼!コミュニケーション能力を伸ばそう

信頼関係の視点からコミュニケーション能力を伸ばすために一番大切にしたのは「まずは信頼する」ということです。性善説の考え方で相手と信頼関係を築く努力をすることが重要です。

ここで「まずは信頼」という考え方が信頼関係に重要な点がわかる、2つの戦略をご紹介します。

TFT(Tit-For-Tat:TFT)
応報戦略、しっぺ返し戦略といわれる理論です。TFTでは、相手をまずは信頼し裏切られるまで協力を続けます。そして、一度でも裏切られた時には、信頼関係を見直して良い・裏切られたら応報して自分も信頼しないという考え方です。

AXELROD(1984)が行った実験では、最初はとにかく信頼し協力しておくTFTの考え方が協力関係が維持しやすいと主張しています。

最初は不安が付きまとうかもしれませんが、裏切られたら信頼を見直すというルールを心に決めておくと実践しやすいと思います。

OFT(Out-For-Tat)
OFT戦略は、応報戦略と異なり相手を選べる状況での戦略となります。裏切られるまで相手を信頼し、一度でも裏切られたら新しい相手を探すという考え方です。

誰に裏切られるかわからない状況では、OFTが最も有益な方法になるとHayashiら(1998)の研究で示されています。

信頼し続ける相手は何人いてもOK!柔軟な考え方・対応をすることで、実践しやすいと思います。

コミュニケーション能力に関わる2つの戦略を解説

コミュニケーション能力を伸ばそう

今回は信頼関係の築き方からコミュニケーション能力を伸ばす方法をご紹介しました。いかがでしたか。

「まずは、信頼してみる」

最初は少し勇気がいるかもしれませんが、信頼関係をより多くの人と築くことでコミュニケーション能力を向上させられると思います。信頼関係を築くことを習慣化して、コミュニケーション能力を伸ばしていきましょう。



習慣化して信頼関係を築いていきましょう