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承認欲求をなくす「ミラクルクエスチョン」

承認欲求が強いのは自己決定感の低さ④

コラム③では、強い承認欲求を解消するための方法として「自分の意見を大切にする」ことをご紹介しました。3つの質問で、自分の本音を確認するようにしてくださいね。

今回は、強い承認欲求の問題を解消する1つ目「内発的動機付けを高める」を解決するためのコラムです。 

内発動機付けとは?

内発動機付けとは、自分が興味や関心をもったことで動機づけされる状態のことです。

社会心理学者の研究では、内発的動機付けには有能感と自己決定感が強く影響すると言われています。つまり人は、自分の決めた目標を実践しているときに内発動機付けを得やすいため、自己決定した目標に向けて取り組むことが大切です。

Deci & Ryan(2002)の自己決定理論の研究によると、承認欲求が強い人は、自分の目標がない人が多いということが明らかになっています。

Deciらは、人が活動に対して内発的に動機づけられるプロセスをモデル化し、自己決定度の低いものから高いものまで段階的に示しました。以下に結果を図示します。

この図は、右側にいくほど自己決定度が高いことを示しています。

外的調整
報酬を目的とした活動
例)怒られるから勉強する

取り入れ的調整≒承認欲求
他人からの承認を目的とした活動
例)認められたいから勉強する

同一化調整
個人的に意味を持つ活動
例)興味があるから勉強する

このように、報酬や承認を目的とした活動自己決定度が低いのです。

つまり目標があり行動的な人でも、自己決定した目標でない事を取り組むと承認欲求が満たされないということがあります。

他人に認められるようにがんばってきた人は、自分自身が本当に望む目標を見つけることが大切です。

では自分自身で自分が本当に望む目標を見つけるには、どのような方法があるのでしょうか。

自分の本音が承認欲求を緩める

心理カウンセリングでは、問題解決後の状況を具体的にイメージさせるために、ミラクルクエスチョンという質問を使います。

ミラクルクエスチョンとは、一見すると非現実的な質問をクライエントに投げかけることで、自分の本音で他人を気にせず自分自身が満足できる目標を設定でき、承認欲求を緩めることにつながります。

 

ミラクルクレスチョンで本音を出していく手順を大学生Bさんで見ていきましょう。

<大学生Bさんのプロフィール>
・本当にやりたいことが分からない
・人に羨むような行動を取ってしまう
・他人の評価に左右されしんどさを感じている

承認欲求が強いBさんは努力家ですが、自分の夢や理想をかなえるための目標は持っていません。

ミラクルクエスチョンで承認欲求を緩和する

それではBさんが、自分の本当に好きなことや目標をミラクルクエスチョンで見つけていきましょう。

ミラクルクエスチョン
奇跡が起こり、あなたの強い承認欲求から起こる問題がすべて解決したとします。その場合、あなたは解決したことをどんなことから気づきますか?

Bさんの回答
⇒いつも人の評価を気にしていたけど、自分の興味のある講義を選んだときに人目を気にしていないことに気づいた

⇒自分の趣味はこれまで人に言えなかったけれど、本当に好きな鉄道の話ができる友達と仲良く昼ごはんを食べているとき

⇒就活では、皆がうらやましがるK社で働きたいと考えていたけど鉄道関係のT社で働いている

 

ミラクルクエスチョンで本音を出したBさんは、次の事に気付きました。

・鉄道がすき
・趣味が同じ友達と楽しく過ごせる
・鉄道関係の仕事に就くことを目標にする

Bさんは、ワークをしているとすごくわくわくしたり、ほっとした気分になり強い承認欲求を緩めることができました。

それでは今度は自分自身について、ミラクルクエスチョンで答えてみましょう。Bさんのようにわくわくしたり、ほっとするような感情が出ていると上手くいっている証拠です!

ミラクルクエスチョンのワークには、紙とペンを使用します。リラックスして軽い気持ちでやってみてくださいね。

 

実践!ミラクルクエスチョンで本音を知る

それでは今度は自分自身について、ミラクルクエスチョンで答えてみましょう。Bさんのようにわくわくしたり、ほっとするような感情が出ていると上手くいっている証拠です!

ミラクルクエスチョンのワークでは、紙とペンを使用します。思いついたことをリラックスした軽い気持ちで書き出してみてくださいね。

ミラクルクエスチョン
奇跡が起こり、あなたの強い承認欲求から起こる問題がすべて解決したとします。その場合、あなたは解決したことをどんなことから気づきますか?

 

何個でもokです。
思いついたことを書き出してくださいね。

 

まとめ



目標設定で承認欲求を緩めよう

承認欲求は自分の本音を確認して解消!

自分へのミラクルクエスチョンはいかがでしたか。ミラクルクエスチョンへの回答を考える過程で、自分の本音への気づき自分の関心や目標の理解につなげることができます。

人からの承認を強く求めるばかりに、自分の目標を失っている人は、自分の本音やポジティブな感情が湧き出る目標を探してみましょう!自分自身の本音を確認することで他人に合わせすぎていることを修正することができますよ。

次回はこのコラムのまとめになります。一緒に確認していきましょう。

★目標設定で承認欲求を満たす!自分の感情を起点にしよう

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心理学講座

*出典・参考文献
伊藤拓. (2009). ソリューション・フォーカスト・アプローチの 4 つの質問がクライエントへ与える効果–セラピストへの面接調査による検討. ブリーフサイコセラピー研究, 18(1), 13-28.
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2002). Overview of self-determination theory: An organismic dialectical perspective. Handbook of self-determination research, 3-33.