>
>
>
あがり症の克服方法-あがり症を段階的に解消する方法⑨

あがり症の克服方法-あがり症を段階的に解消する方法⑨

前回は森田療法の考え方を活かしたあがり症の対処法を紹介してきました。気分に左右されず、目の前のやるべきことに目を向けていくことが森田療法のコツです。

今回は、行動療法の理論を活かしたあがり症の対処法について解説していきたいと思います。

行動療法とは?

行動療法とは1950年代から60年代の初めにかけて、アイゼンクやウォルピらによって形作られた心理療法です。

行動療法の特徴として、

性格などの変化ではなく行動の変化を目標とする
観察や実験を通した客観性を重視する
無意識などの内的世界は重視しない

といった特徴があります。

つまり、行動療法とは症状や行動の変化を目標にした技法だということです。特に、スモールステップで段階的に行うことが大事だとされています。

不安階層表で不安を軽減

行動療法の技法のひとつに、不安階層表を使った方法があります。不安階層表とは、自分がどのような状況にどの程度不安を感じるのかを数値化したものです。はじめに、治したいと思っている不安な状況を100、全く不安に感じない状況を0、として、表に書き表します。

この不安階層表という方法を使って、不安を軽減させたという研究結果もあります。石川・坂野(2005)は児童を対象に、不安階層表などを使って、不安や認知の偏りを修正するプログラムを実施しています。いくつかあるプログラムの過程で、不安階層法を実施した後の不安感が減ったとの結果が出ています。

このように不安階層法を使うことで、あがり症でも不安を軽減していく効果が期待できます。

不安階層表を作ってみよう!

では、自分があがってしまうときの不安階層表を作って、不安の度合いを見てみましょう。

不安階層表の例

自分が一番あがってしまう状況を100、まったくあがらない場面をとします。

 

実際にあなたの場合で作ってみましょう!

100と0以外のさまざまな程度の不安も表に書き表します。不安の程度がちょうど中間の50にあたるのはどのような状況かも書き表します。

あがり場面に挑戦しよう

不安階層表ができたら、あとは実行していくのみです。

行動するときのポイントとして、

50くらいの不安を感じる場面から実行
⇒まずは中程度の不安、50くらいの段階から実行していきましょう。
 例でいうと、“異性との会話”にあたる部分です

一つの課題を繰り返す
⇒うまくいかないと思っても何度も繰り返してみましょう

課題がクリア出来たら一つ上の課題に挑戦
⇒課題ができたら一つ上の段階にチャレンジしていきましょう。
 例でいうと“会議でのプレゼン”です。

あがり症を段階的に減らしていく

今回は行動療法の不安階層表を使ったあがり症の対処法について解説をしてきました。不安階層表を使うことで、あがり症を段階的に減らしていくことができます。いきなり難易度の高いことから挑戦するのではなく、簡単なことから徐々に慣れていくことが大事です。

次回はリラックス法を使ってあがり症を改善していきましょう。

コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

目次

①あがり症とは? ​
②あがり症になりやすい傾向とは?
③あがり症の生理的なメカニズム
④あがり症の心理学的な研究
⑤あがり症の無料診断
⑥克服方法「認知の歪み」を改善
⑦克服方法「自己意識」を改善
⑧克服方法「森田療法」を活用
⑨克服方法「段階的に不安を解消」
⑩克服方法リラックス上手であがりを改善
⑪あがり症の治療ー薬物療法
⑫あがり症の治療ー漢方

コメント

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

引用文献

石川信一・坂野雄二2005不安症状を示す児童に対する認知行動療法プログラムの実践 行動療法研究 31(1), 71-84