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aori煽り運転・危険運転をする人の心理的考察

煽り運転・危険運転をする人の心理的考察①

はじめまして!精神保健福祉士の 川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。今回は、「煽り運転」について心理的考察をしていきます。

*動画の解説もあります。気に入って頂いたらチャンネル登録を頂けると励みになります。

煽り運転が社会問題になっています。事件や事故のニュースを見ると、一般的な感覚ではなぜあのような運転をしてしまのか?理解しずらいと思います。なぜ人は煽り運転をしてしまうのでしょうか。

怒りと交通事故

渋滞や他人の運転に対して「イライラしてしまった…」という経験は大なり小なりあるのではないでしょうか。運転中のイライラや怒りの感情がコントロールできなくなると、気づかないうちに危険な行為がエスカレートして煽り運転につながることもあるため、注意が必要です。

丸山(1995)は、交通事故を起こしやすい人の特徴に、一時的な興奮を抑えることができない衝動的な傾向”かっとなる特性”を挙げています。また煽り運転の研究が盛んな、イギリスの研究では、交通事故の85%が怒りの結果と分かっています(Yahoo!ニュース,2018)。

イライラや怒りの感情は、交通事故と密接に関係しているのです。

煽り運転の心理的考察

心理学の世界では、患者のアセスメントをするときには、主に3つの側面から探っていきます。今回は社会問題となっている煽り運転の事件の原因を「心理的要因」「精神疾患」「環境要因」の3つから考えていきます。

心理的要因

・自己否定的
怒りっぽい人は、自己否定が強い傾向にあります。自己否定は他社否定につながるため、煽り運転などの攻撃的な行動をとってしまうのです。

・勝ち負け思考
怒りの感情が出やすい人は、周囲との競争意識が強い傾向があります。何事も勝ち負けで考えてしまうことで煽り運転など攻撃的な行動をとってしまいます。

・支配-被支配
イライラしやすい人は、上下関係での人間関係しか築けない傾向があります。過去に虐待などの強い上下関係の場所にいたことで、勝ち負け思考が強くなり、支配・被支配の関係を作ってしまいます。

支配される関係

精神疾患

・反社会性人格障害
暴力的な行動が幼い頃からあれば、反社会性人格障害の可能性を探る必要があるでしょう。反社会性人格障害とは、社会のルールを破り他人を欺いたり侵害することに罪悪感を持たない障害で、非社会性パーソナル障害とも呼ばれます。幼いころには「素行症」と診断され症状が続くと、その後「行動障害」に発展し。大人になってから症状がある場合は「反社会性人格障害」と診断されます。

・若年性認知症
最近急に怒りっぽくなったという場合は、若年性認知症の可能性を探る必要があるでしょう。若年性認知症の一つに「ピック病」があります。ピック病は、穏やかだった性格の人が急に怒りっぽくなったり、信号無視など社会ルールを破るなど、人格や行動の変化が目立つのが特徴です。性格が急に変わった様子があれば、脳の疾患を疑ってもいいでしょう。怒りの感情コントロール

・被害妄想
統合失調症に見られる被害妄想の可能性もあります。被害妄想がある人は、怒りや不満に敏感なため、「誰かが馬鹿にしている」「攻撃してくる」など周囲を敵と思い込み、相手を攻撃してしまいます。

・誇大妄想
躁病に見られる誇大妄想の可能性もあります。誇大妄想は、躁状態で気持ちが大きくなり、現実からかけ離れて自己評価が高くなり、公的的になってしまいます。躁鬱による錯覚から、攻撃性が高くなっているため、感情に波があるのが特徴です。

環境要因

・限定的人間関係
限定的な人間関係で過ごすと、抑制がかかりにくく攻撃的になりやすくなります。煽り運転をする人は、社会とつながりが薄い可能性が高い可能性があります。

・ストローク不足
社会とのつながりが薄いと、ストローク不足から攻撃的になりやすくなります。ストロークとは、おはようと声をかけたり、体を抱きしめるなど、日常の何気ない交流です。この交流によって私たちは、自分の存在が認められていると感じるのです。ストロークが不足すると、承認欲求が満たされない辛さから攻撃性が出てしまうのです。

・共依存関係
2019年に話題になった煽り運転事件では、助手席に乗っていた女性がドライバーの男性を支持するような言動や行動が見られました。これは共依存の可能性を考えていかなくてはなりません。

共依存は、アルコール依存症の家庭にみられる閉鎖的な人間関係で「自分より相手を優先する」「相手を忖度して行動する」「非理性的な思考」などの特徴があります。

たとえば、アルコール依存症の夫がいたとしましょう。妻は夫が飲んで暴れることが分かっていながら、夫が飲むお酒を買ってくるといった行動をします。このように、夫の飲酒をある面ではサポートする役割を担っている妻をイネーブラー(enabler:父親のアルコール依存症を可能にする人)と呼び、閉鎖的な人間関係から問題を大きくしてしまうのです。

助手席の方も煽り運転を助長するような行動がみられる場合は共依存のような不健康な関係になっている可能性があるのです。

煽り運転の心理的考察

感情コントロールで対策しよう

思いやりのある運転を心がけていても、運転中にイライラしてしまうことはあるかもしれません。運転中のストレスを、煽り運転などの危険行為に膨らませないために、ここでストレスの対策をご紹介します。具体的な手順は、参考URLよりご覧ください。

呼吸法

衝動的な怒りのコントロールには呼吸法が有効です。イライラした時には、まずは深呼吸です。深呼吸をすることで、身体の緊張をほぐしたり興奮を静めたりすることで、気分転換ができます。

呼吸法についてより深く知りたい場合は、以下のコラムをご覧ください。
衝動的な怒りのコントロールに有効な「6秒ルール深呼吸法」

深呼吸で対処

マインドフルネス

攻撃的になりやすい場合は、マインドフルネスが有効です。マインドフルネスとは「すべてのことを迎え入れ、それをあるがままにしておく」です。感情を冷静に見つめなおすことで、感情のコントロールが出来るようになります。

マインドフルネスについてより深く知りたい場合は、以下のコラムをご覧ください。
暴走する感情とうまく付き合う「脱中心化」

SST

温かい人間関係を作るスキルSST(Social Skill Training)が身につくと怒りの感情を軽減できるでしょう。SSTはざっくりと言うと、人間関係を築くための会話の仕方人間関係を築いていく力です。会話力が高まると、人間関係がよくなりネガティブな感情を減らすことができます。

SSTについてより深く知りたい場合は、以下のコラムをご覧ください。
怒りの感情を軽減「SST」

煽り運転の対処法

現実検討力

現実検討能力とは、出来事を現実的に捉えられる能力です。現実検討をきちんと行うことで、嫉妬感情に巻き込まれずに、客観的に物事を把握することができます。怒りによるデメリットを把握していくと、怒りの感情をコントロールできるようになるでしょう。

現実検討力についてより深く知りたい場合は、以下のコラムをご覧ください。
感情をコントロール「現実検討力」

煽り運転する人の心理を知ろう

煽り運転をテーマに心理的考察で解説をいたしました。いかがでしょうか。参考にしていただけたら幸いです。

心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★感情コントロールが重要!煽り運転の原因と対処法を知ろう
心理学講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・ 丸山欣哉(1995).適性・事故・運転の心理学 企業開発センター交通問題研究室