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あおり運転・危険運転をされる…対策,心理を知りたい方へ

あおり運転・危険運転をされる…対策,心理

皆さんこんにちは。
公認心理師、精神保健福祉士の川島達史です。

今回のお悩み相談
「あおり運転,危険運転をされる時への対処法」
です。

相談者
38歳女性
3歳 5歳の子ども
軽自動車に乗っている
ゴールドドライバー

お悩みの内容
私は保育園の送り迎えをするときに、交通量の多い細い県道を走ります。法定速度+5KMぐらいで運転しているのですが急いでいる方が多くしょっちゅう煽られます。

この前はクラクションを鳴らされたこともあります。子供を乗せているので、恐怖心が出てきて、やるせない気持ちになります。

煽り運転をする人の心理と、対処を教えてほしいです。

煽り運転をさえると不安になりますよね。特にお子様がいるとなおさらだと思います。当コラムで、あおり運転をする人の心理と対策を抑えていきましょう。

あおり運転の心理的考察,

心理学の世界では、患者のアセスメントをするときに

「心理的要因」
「精神疾患」
「環境要因」

の3つの側面から探っていきます。

あおり運転をしてしまう人は、1つの決定的な要因というよりも、これらの3つの問題を抱えている可能性が非常に高いのです。まずは心理的要因から解説していきましょう。

あおり運転

心理的原因とあおり運転

自分が嫌い

怒りっぽい人は、自分のことが嫌いな傾向にあります。そして、自分を嫌いな人は、攻撃性が強いことも分かっています。怒っているということは、自己嫌悪になっている可能性が非常に高いのです。

勝ち負け思考

怒りの感情が出やすい人は、周囲との競争意識が強い傾向があります。何事も勝ち負けで考えてしまうことで危険運転など攻撃的な行動をとってしまいます。

支配-被支配

イライラしやすい人は、上下関係での人間関係しか築けない傾向があります。過去に虐待などの強い上下関係の場所にいたことで、勝ち負け思考が強くなり、支配・被支配の関係を作ってしまいます。

感情コントロールができない

丸山(1995)は、交通事故を起こしやすい人の特徴に、一時的な興奮を抑えることができない衝動的な傾向”かっとなる特性”を挙げています。

また煽り運転の研究が盛んな、イギリスの研究では、交通事故の85%が怒りの結果と分かっています。

講師の雑感 あおり運転をする人は、「自分の人生はうまくいっていない」ということをアピールしているようなものです。そのため、あおられた時は、そうかあ~うまくいっていないんだね。という感じであおられたりしています。

支配される関係

精神疾患と危険運転

必要以上に怒る人は精神疾患を持っている可能性があります。以下あおり運転をする人が持っている可能性がある精神疾患をお伝えします。

反社会性人格障害

もしあおる人が、幼い頃から暴力的な傾向があったとすれば、反社会性人格障害の可能性を探る必要があるでしょう。

反社会性人格障害とは、社会のルールを破り他人を欺いたり侵害することに罪悪感を持たない障害で、非社会性パーソナル障害とも呼ばれます。

幼いころには「素行症」と診断され症状が続くと、その後「行動障害」に発展し。大人になってから症状がある場合は「反社会性人格障害」と診断されます。

認知症

最近急に怒りっぽくなったという場合は、認知症の可能性を探る必要があるでしょう。認知症の一つに「ピック病」があります。

ピック病は、穏やかだった性格の人が急に怒りっぽくなったり、信号無視など社会ルールを破るなど、人格や行動の変化が目立つのが特徴です。

性格が急に変わった様子があれば、脳の疾患を疑ってもいいでしょう。怒りの感情コントロール

被害妄想

統合失調症に見られる被害妄想の可能性もあります。被害妄想がある人は、怒りや不満に敏感なため、「誰かが馬鹿にしている」「攻撃してくる」など周囲を敵と思い込み、相手を攻撃してしまいます。

被害妄想がある方は、「周りが俺をあおるから煽り返した!」ということが多いです。

誇大妄想

躁病に見られる誇大妄想の可能性もあります。誇大妄想は、躁状態で気持ちが大きくなり、現実からかけ離れて自己評価が高くなり、攻撃的になってしまいます。

そして、車は大きく、スピードも出るため、躁状態が促進されやすく、冷静な運転ができなくなるのです。

講師の雑感 反社会性人格障害は、幼いころから暴力的な傾向があります。一方で、認知症や被害妄想などは、大人になってからの変化となります。若い方は統合失調症や躁状態が多く、高齢の方は認知症の可能性が高いです。

生活環境の問題

危険運転をする人は、心理的問題、精神疾患、そしてそれを悪化させる生活環境を持っている可能性があります。

限定的人間関係

限定的な人間関係で過ごすと、抑制がかかりにくく攻撃的になりやすくなります。煽り運転をする人は、社会とつながりが薄い可能性が高い可能性があります。

ストローク不足

社会とのつながりが薄いと、ストローク不足から攻撃的になりやすくなります。ストロークとは、おはようと声をかけたり、体を抱きしめるなど、日常の何気ない交流です。

この交流によって私たちは、自分の存在が認められていると感じるのです。ストロークが不足すると、承認欲求が満たされない辛さから攻撃性が出てしまうのです。

ストロークコラムはこちらです

共依存関係

2019年に話題になったあおり運転事件では、助手席に乗っていた女性がドライバーの男性を、守るような言動や行動が見られました。これは共依存の可能性を考えていかなくてはなりません。

共依存においては、問題行動を起こす人を支える、イネイブラーの存在があります。イネイブラーは、問題行動を起こす人の味方となり、その問題を「あおって」いきます。

そうしたあおり運転をあおる人が背景にいる可能性もあるのです。

*詳しく知りたい方はこちらのコラムを参照ください
 共依存の心理

 

講師の雑感 あおり運転をする人は閉鎖的な人間関係になっていることが多く、孤独や共依存関係を抱えていることが多いです。人間関係を充実させることが、改善の近道となります。最も煽られた方はそれどこころはないですが…

 

煽り運転のへの対処法

ここまで煽る人の心理について解説してきました。次に実際にあおり運転への対処法を提案させていただきます。

抑止力のある道具

しょっちゅう煽られる方は、抑止力のある道具を用意しましょう。ドライブレコーダーは相当効果があります。購入する資金がない場合は録画中のシールだけでも効果的です。

絶対に張り合わない

あおり運転をしている人はなんらかの問題を抱えていることがほとんどです。あなたが張り合ったところで、正当な理論が通じる可能性は極めて低いです。

原則としてには、横道にそれる、道を譲るなどして、先に行ってもらいましょう。無理に張り合っても自分自身がイライラするだけです。貴重な時間を失わないようにしましょう。

物理的に接触しない

もし逃げ道をふさがれるようなことがあったら、社外に出ず、物理的に接触できないようにしましょう。窓を開けることは絶対にしてはいけません。

非言語で対応しない

にらみつける、驚いた表情をする、敵意を向けると相手が興奮します。冷静な顔で反応しないようにしましょう。

助けを呼ぶ

問題が大きくなりそうな場合は速やかに警察を呼びましょう。「警察を呼びますよ」など宣言する必要はありません。淡々と起きている状況を伝えるようにしましょう。

講師の雑感 緊急事態においては、心理学的にできることは少ないです。特に暴力的な人については、物理的な距離を置くことが一番です。それが難しい場合は、張り合わない、無視する、警察をすぐに呼ぶことが大事です。

発展-加害者にならない方法

ここまではあおり運転をされる側の対処法について解説してきました。最後に、自分自身が危険運転をしないように感情コントロールのやり方をいくつかお伝えします。

呼吸法

衝動的な怒りのコントロールには呼吸法が有効です。イライラした時には、まずは深呼吸です。深呼吸をすることで、身体の緊張をほぐしたり興奮を静めたりすることで、気分転換ができます。

呼吸法についてより深く知りたい場合は、以下のコラムをご覧ください。
衝動的な怒りのコントロールに有効な「6秒ルール深呼吸法」

深呼吸で対処

マインドフルネス

攻撃的になりやすい場合は、マインドフルネスが有効です。マインドフルネスは、自分の感情を客観視する練習をしていきます。感情を冷静に見つめなおすことで、感情のコントロールが出来るようになります。

マインドフルネスについてより深く知りたい場合は、以下のコラムをご覧ください。
暴走する感情とうまく付き合う‐マインドフルネス療法

 

アンガーマネジメント

心理学の世界では近年アンガーマネジメント力をつけるワークが盛んに開発されています。カッとなりやすい、イライラしてしまう、衝動的な面がある方は以下のコラムも参照ください。
怒りコントロール,アンガーマネジメント

仕上動画とまとめ

仕上動画

あおり運転については動画も作成しています。仕上としてご活用ください。

まとめ

煽り運転をテーマに心理的考察で解説をいたしました。いかがでしょうか。あおり運転は誰も得することのない、不毛な行為です。今回のコラムを参考に1つでも危険運転が減ることを願うばかりです。

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・怒りのコントロール
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。是非いらっしゃってください。お待ちしています(^^)。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・ 丸山欣哉(1995).適性・事故・運転の心理学 企業開発センター交通問題研究室