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回避性パーソナリティ障害の特徴と対処法を解説!

回避性パーソナリティ障害の特徴と対処法を解説

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。
今回のテーマは「回避性パーソナリティ障害」です。

  • 改善するお悩み
  • 否定されるのが怖い
  • 人間関係を回避しがち
  • 心配が強い
  • 全体の目次
  • 入門①回避性パーソナリティ障害とは?
  • 入門②回避と不安の関係
  • 入門③回避への対処法
  • 助け合い掲示板

入門①~③を読み進めていくと、基本的な知識と対策を押さえることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

回避性パーソナリティ障害とは?

パーソナリティ障害とは

回避性パーソナリティ障害とは、パーソナリティ障害のうちの一つです。パーソナリティ障害は大きく3つに分けられ、そのうち回避性パーソナリティ障害はC群に当てはまります。C群とは恐怖や不安を感じやすいタイプであることが特徴です。

*パーソナリティ障害について基本を学べる動画もあります。
 基礎から理解したい方はご活用ください。

 

回避性パーソナリティ障害とは

心理学辞典(1999)によると、回避性パーソナリティ障害とは以下のように定義されています。

人から悪く評価されるのではないかとおびえ、批判されるとひどく傷つきやすいなど、対人関係上の全般的な不安を持つ。

そのため、人間関係を回避したり、ごく限られた人間としか親しい関係が結べず、大切な社会的、職業的活動を避けるなどの回避行動が特徴である。

しかし内面では人に関わりたいという強い気持がある点が、対人希求性の乏しい分裂病型人格障害と異なるとされる。

噛み砕くと、人から嫌われることを恐れ、人間関係を回避する障害という意味で良さそうです。人と関わりたいという強い気持ちが、かえって回避行動につながってしまうのです。

女性の回避依存症

回避性の特徴

それでは、具体的に回避性パーソナリティ障害の特徴を見ていきましょう。

回避性の心理とは

回避性パーソナリティ障害は、ICD-10で以下のような診断基準とされています
*簡略化しています

①つねに緊張と心配を感じる
②自分には魅力がないと思う
③人に批判されるのが怖い

④自分への好意が確信できないと不安

対人関係の中で、常に相手からの評価気にしたり、批判を極度に恐れる場合は注意が必要です。

また、自分には1つも魅力がない…、自分はダメ人間だという感覚がある場合、未知の体験を避けることが多くなります。

より詳細な診断基準を知りたい場合は下記をご覧ください。

a.持続的ですべてにわたる緊張と心配の感情.

b.自分が社会的に不適格である,人柄に魅力がない,あるいは他人に劣っているという確信

c.社会的場面で批判されたり拒否されたりすることについての過度のとらわれ.

d.好かれていると確信できなければ,人と関わることに乗り気でないこと.

e.身体的な安全への欲求からライフスタイルに制限を加えること.批判,非難あるは拒絶をおそれて重要な対人的接触を伴う社会的あるいは職業的活動を回避すること.

回避依存症 克服

 

回避と不安の増幅

回避は不安を呼ぶ

回避は、実は長い目でみると自信喪失につながってしまいます。好きな男性に声をかけるのは確かに不安です。しかし、声をかけずに回避を続けると、不安はもっと増大してしまうのです。

回避することで、一時的には安心感が得られるかもしません。しかし、その安心感はつかの間で終わってしまいます。行動することで自信につながり、逆説的に安心感が雪だるま式に増えていくのです。

花子さんと回避

初めて合コンに誘われた花子さんの例をご紹介します。未知の出来事に対して、最初は「安心感」も「不安」も半分ずつ持っていると仮定しましょう。

数字にすると合わせて100%として、「安心50%・不安50%」としましょう。

回避依存症

ここで花子さんは「断る」という選択をしました。断るととりあえずその場からは逃れることができるので「安心」が増えます。しかし、回避は長期的な「自信低下」につながると言われています。

花子さんさんは第2ステージで心配事を回避し、一時的に安心感を得ます。その後、第3ステージで不安感が増幅してしまっています。

挑戦と回避と安心感の関係

ここまでの話をまとめると、回避と安心感には以下のような関係があります。

 

不安な状況から「逃げる」と、一時的には安心します。しかし、逃げてしまったことで、最初は小さかった不安が、どんどん膨らんでしまうのです。

回避依存症

一方で、逃げずに「アプローチする」と、一時的には不安になります。しかし、逃げなかったことで、不安が克服され、安心感が広まっていくのです。

回避性と依存性の研究

回避性パーソナリティ障害と、他のパーソナリティ障害との関連について研究がなされています。市川ら(2013)の研究では、回避性パーソナリティ障害と依存性パーソナリティ障害との共通点や区別について調査をしています。

依存性パーソナリティ障害とは、相手に従属して、相手から離れることに対して強い不安を感じることを特徴とします。

その結果、この2つ障害には強い関連があり、他者の支持や保証を強く求める点で一致しているとしています。

つまり、回避性パーソナリティ障害と依存性パーソナリティ障害には共通した特徴があるということです。

 

3つの方法で克服!

ここからは回避傾向を克服するための心理的なトレーニングをお伝えします。具体的には以下の3つをご紹介します。

①私的自己意識を増やす
②失敗過敏を減らす
③行動療法で少しずつ克服

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①私的自己意識を増やす

回避の傾向がある方は、適度に「自分がどうしたいか」を大切にすることが重要です。他人のことは横に置いておき、自分がどうありたいかを優先するのです。

こうした自意識のことを「私的自己意識」と言います。自分の哲学を大切にすることで、過剰に相手の反応を気にすることが少なります。その結果、回避傾向が治まり、適切なアプローチを取ることができるのです。

他人の目を気にして行動できない…という方は下記のコラムをご覧ください。
「私的自己意識」で回避しない心を

②失敗過敏を減らす

失敗過敏とは、失敗を極度に恐れる心理のことを言います。物事のマイナス面にこだわる人は、失敗への回避傾向が高まります。その結果、なかなか行動に移せないことになります。

失敗過敏を減らすには、ポジティブな完璧主義になることが大切です。失敗に意識を向けるのではなく、「よりよい結果を残そう!」と自分を鼓舞します。すると、失敗へのこだわりが薄れ、行動意欲が湧いてくるようになるのです。

失敗を恐れすぎて行動できない…という方は下記のコラムをご覧ください。
「高目標設定」で好き避けを克服

③行動療法で少しずつ克服

回避傾向の方は、ハードルが高すぎることが多いです。
「完璧にこなすべきだ」
「高い目標を目指すべき」

と何事もハードルを高く設定しまいがちです。

すると、理想と現実のギャップから恐怖が生まれ、行動を回避してしまうのです。そこで、まずは低いハードルから少しずつクリアしていくことが大切です。

心理学には段階的に恐怖を克服する「行動療法」という方法があります。小さな勝利を積み上げることで、やがて大きな不安を克服していきます。

大きな理想を描いてしまう…という方は下記のコラムをご覧ください。
行動療法の基礎・やり方, 積極性

回避依存症を克服しよう

発展編

回避性パーソナリティの回避傾向は、仕事や人間関係でも支障が出てしまうことも多いです。仕事がなかなか片付かなかったり、親しい人間関係を築く機会を逃してしまうなどが挙げられます。今回紹介した、回避に対する対処法を身につけて、行動に移せるようにしていきましょう。

また、回避傾向が強すぎてしまう場合は回避性パーソナリティ障害の可能性もあります。専門の医療機関を受診した方がよいかもしれません。

コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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引用文献

市川玲子・望月聡(2013) 境界性・依存性・回避性パーソナリティ間のオーバーラップとそれぞれの独自性 日本パーソナリティ心理学会 22,2 131-145