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バーンアウトの対処法「新たな目標を探そう」③

バーンアウトの対処法「新たな目標を探そう」③

コラム①では、バーンアウトについて概観していきました。重要な要素としては、「①心理学研究」「②新しい目標を探す」「③限界設定」「④ソーシャルサポート」「⑤運動不足を解消」「⑥医療の力を借りる」の6つでしたね。

今回は「①心理学研究」について解説していきます。

無気力症候群とアイデンティティの関係

バーンアウトを改善する

バーンアウトを克服するにはアイデンティティの確立が重要となります。アイデンティティとは「自分らしさ、自分なりの価値観」を意味します。中学生以降の思春期〜青年期の20歳前後に成人していく過程で、アイデンティティを確立すると言われています。

「自分と他人の違い」を自覚し、それを受け入れることで、「自分は○○のように生活したい!」と自分らしさを見つけていきます。

そして、「これこそが自分が進むべき道だ」という自分を発見し自我を決定することを「自我同一性(アイデンティティ)の確立」と言います。

無気力症候群の特徴

モラトリアム型とアイデンティティ

コラム①でご紹介した、モラトリアム型バーンアウトは、目標や価値観を見いだせないことが原因で起こります。つまり、「アイデンティティが拡散している状況」なのです。以下の図のように、自分が目標をもっていない、もしくは目標が低すぎると、モラトリアムに入ってしまいます。

燃え尽き症候群 原因

これは、別の心理学的な研究によっても示唆されています。下山(1992)はアイデンティティ拡散傾向とモラトリアムのタイプとの関連を調査しました。アンケート調査を行い、対象は当時の大学2年生369名でした。

その結果、職業決定などの人生に関する重要な決定を避ける「回避型」のモラトリアム得点と、アイデンティティ拡散傾向はプラスの相関を示しました。以下の図をご覧ください。

燃え尽き症候群 原因

そしてここでいうプラスの相関とは、簡単にいうと、燃え尽き症候群傾向が強いほど、アイデンティティ拡散傾向が強いということです。(相関関係をより深く知りたい方はコチラをご覧ください。)このように研究での結果が示すように、アイデンティティ拡散とバーンアウトには関わりがあると言えそうです。

無気力症候群傾向をチェック

あなたはアイデンティティは?

みなさんは次の問いかけにどこまで答えることができますか?少し時間をとって考えて見ましょう。

「自分は何者なのだろう?」
「私はどんな人生を生きたいか」
「私はどんな職業で働きたいか?」
「私はなぜ生きているのか?」

これらの問いかけに全く回答できない人は、アイデンティティが拡散傾向にあり、バーンアウトにかかりやすいと推測されます。いっぽうで、スパッと答えられる人は、すでにアイデンティティを確立していると言えます。自分なりの人生の方向性がしっかりしているため、毎日活き活きと生活しているはずです。

アイデンティティ確立① 質問法

それではアイデンティティを確立させて、バーンアウトを予防するためには、どうすればいいのでしょうか。今回は「質問法」「好奇心ツリー」を紹介します。

これから、アイデンティティに関係する質問をさせて頂きます。明確な回答でなくてもOKです。直観的に当てはまる言葉を以下の問いに回答してみましょう。まずは軽い質問からはじめていきます。徐々に深い質問になっていきますよ!

問1「私の好きな食べ物は〇〇だ」
問2「私の好きな場所は〇〇だ」
問3「私が住みたい場所〇〇だ」
問4「私は異性タイプは〇〇だ」
問5「私がやりたい仕事は〇〇だ」
問6「私の生きがいは〇〇だ」

今の時点では、すぐに回答できなくても大丈夫です。アイデンティティを確立していくプロセスは、すごく難しいもので、とても時間が多くがかかるものです。

まずは日々の中で、自分はどんなライフスタイルを送りたいのか、どんな人間になりたいのかを、意識することからスタートしましょう。日記やブログを書くこともおすすめします!バーンアウトの改善につながる一歩になると思います。

無気力症候群を改善

アイデンティティ確立② 好奇心ツリー

自分らしさを明確にするのは、労力がかかりますし、そんなのないよ・・・と思われる方も多いと思います。そこで今回は私たちがワークとして行っている「好奇心ツリー」を紹介します。 

①準備段階
まずは、興味があることを箇条書きで出来る限り書き出しましょう。どんなに些細なことでもOKです。

例えば
・会話力がほしい
・プリンを食べたい
・スペインに行きたい
・異性とデートしたい
・心理学を学びたい

②ランキング化
①で出した事にランキングを付けます。

1 会話力
2 スペイン
3 デート
4 心理学
5 プリン
→1位を採用します

③テーマに関連するワードで木を創る
②で採用した事をテーマに関連ワードで木をつくります。

テーマ「会話力をつけたい」
ⅰ中央に幹を書き、テーマを書きます

ⅱ太い枝を書いていきます
 聴き上手 話し上手 笑顔 声  
④葉っぱ、くだもの、お花など自由に書いていきます 
例えば、聴き上手だったら
・質問をする
・オウム返し
・うなづき
・あいづち
・共感
など・・・・バラバラの情報が整理整頓され、理解しやすくなります。

⑤葉っぱやお花などが無い部分をチェックします
木に葉っぱやお花が少ないエリアがあると思います。この部分は皆さんの知識が不足してる部分です。

中途半端な状態なので、少しムズムズしてきませんか?このムズムズ感をなくしたい欲求が、バーンアウトの予防につながるのです。

⑥調べて葉っぱをふやそう!
しっかり調査して葉っぱや花を増やしてツリーを成長させましょう。調べる手段は、ネットで検索して調べてもOKですが、専門書を探してみたり、詳しい人に聞いてみるのもおすすめです。調査手段は1つではなく、様々な情報源を調べると見え方が変わってきますよ。

好奇心ツリーはいかがでしたか。ご自身でも気づかなかった関心に気づくきっかけになったのではないでしょうか?好奇心を持つには、自分が今やっていることの中から始めて行くと取り組みやすいと思います。 ぜひ自分の好奇心ツリーを作ってみてください。

バーンアウトを改善しよう

今回はバーンアウトを改善する方法として、「質問法」「好奇心ツリー」を紹介しました。アイデンティティは、さまざまな経験をし、悩み、模索する中で、ちょっとずつハッキリとしていきます。焦らず自分のペースで確立してバーンアウトを改善していきましょう!

次回は、「④限界設定」について解説していきます。

★ アイデンティティを確立して、バーンアウトを解消

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目次

①バーンアウト-概観
②心理学研究で理解
③「新しい目標を探そう」
④「限界設定」で適度な努力
⑤「ソーシャルサポート」
⑥「運動不足」を解消しよう
⑦「医療の力」を借りよう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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