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バーンアウト症状が重い場合は「医療の力」を借りよう⑦

バーンアウト症状が重い場合は「医療の力」を借りよう⑦

コラム①では、バーンアウトについて概観していきました。重要な要素としては、「①心理学研究」「②新しい目標を探す」「③限界設定」「④ソーシャルサポート」「⑤運動不足を解消」「⑥医療の力を借りる」の6つでしたね。

今回は、「⑥医療の力を借りる」を解説していきます。

無気力症候群の問題

バーンアウトと病院治療

バーンアウトなどの精神疾患の治療を心療内科・精神科で受ける時は、大きく「心理療法」と「薬物療法」の2つに分けられます。

1.心理療法
カウンセリングや教示を用いて認知、情緒、行動などを変容させ、精神障害や心身症の治療、心理的な問題、不適応な行動などを改善する治療法です。

具体的には、「認知行動療法」「来談者中心法」「精神分析療法」「マインドフルネス心理療法」「ソーシャル・スキルス・トレーニング」などがあります。

メリット
薬物依存のリスクがなく、自分自身でストレスに対応できるコーピングスキルが向上します。また、悩みの根本原因を直接的に解決するため、人生の質も高まると考えられます。心理療法は種類も豊富なので選択の幅も広く、一度やり方を知れば、生涯を活用というのが大きなメリットです。

デメリット
症状の深刻さにもよりますが、長時間かかることが普通です。例えば、認知行動療法では自分の考え方としっかりとに向き合っていくのですが、「1回1時間」「1年~3年」かけてじっくり改善していくのが通常です。

また、心理療法は成熟したカウンセラーに出会えるかによっても効果が左右されてしまう側面があります。1回5000円~12000円と比較的高額なのも玉にキズです。

精神科

2.薬物療法
精神疾患においては、薬を用いて情緒や体調の安定を図る治療法です。バーンアウトに近い症状であるうつ病では、主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が活用されることが多いです。気分を安定させるセロトニンやノルアドレナリンを自然に分泌させる働きがあります。薬物療法では、こうした脳内物質の不足を補う治療薬を投与して快方へ向かっていきます。

メリット
即効性が高く、「死んでしまいたい…」などの緊急性を伴う症状にも対応できます。メンタルへルスの問題を解決するのは労力がかかりますが、とりあえず最悪の事態を防ぐことができます。

デメリット
過剰に摂取すると、薬物依存・身体依存になる恐れがあります。また、薬によって副作用があり、めまいやふらつき、不安感などを引き起こすことがあります。また、悩みの根本原因をダイレクトに解決するわけではないので、原因は残り続けてしまいます。心理療法のようなコーピングスキルの向上が見込めないこともデメリットの1つです。

ここまでの「心理療法」と「薬物療法」の特徴をまとめると以下のようになります。

精神科・心療内科に行く基準とは?

バーンアウトで「精神疾患型」に当てはまる場合、精神科に行った方がいくべきかの判断基準が分からないという方も多いと思います。そこで、臨床心理士の立場から基準をご紹介していきます。

以下のような症状がある場合には、一度精神科を受診しましょう。

・自傷の恐れ
・他傷の恐れ
・異常行動
・死にたい
・重度の孤独感
・重度の対人不安
・妄想・記憶の欠如
・発達障害の疑惑

重度のとは、会社への通勤が不可能になったり、日常生活に支障きたすレベルという意味です。また、発達障害の場合は精神科以外にも、発達障害者支援センターという機関があり相談を受けることができます。

症状が重い時は診察へ

今回はバーンアウトを医療の力で解決する方法を解説していきました。症状が重い、普段の生活もままならない状態を放置しておくと、治癒までに時間がかかったり、自傷行為など危険性が高い症状も発症してしまう可能性があります。心当たりのある方は、一度精神科に受診するようにしましょう。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「バーンアウト」コラムにお付き合いしていただき、本当にありがとうございました!バーンアウトが発症する状況や心身への影響の理解を深めて、バーンアウト症候群の予防を心がけてみてください。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★バーンアウト症状が重い場合は、精神科への受診を!

目次

①バーンアウト-概観
②心理学研究で理解
③「新しい目標を探そう」
④「限界設定」で適度な努力
⑤「ソーシャルサポート」
⑥「運動不足」を解消しよう
⑦「医療の力」を借りよう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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