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気分が落ち込む原因を解決する「ソーシャルサポート」

落ち込む


気分が落ち込むときの対処法「ソーシャルサポート」④

コラム③では、落ち込む気持ちに対処する方法として「リフレーミング」をご紹介しました。2つのリフレーミングを活用して、物事のマイナス化思考を修正して落ち込む気持ちを改善していきましょう。今回は、落ち込む状況を解消できない原因の3つ目「問題をひとりで抱え込む」の対処法を解説します。

落ち込んだ時は、自信がなくなり、自己肯定感が低下することがあります。ではこのような自己肯定感が低下するような落ち込み方をした場合、どのようにするといいのでしょうか。結論としては、「ソーシャルサポート」を求めることが解決の糸口になります。

イラスト:自分の感情を受け止めてスッキリできた姿

ソーシャルサポートとは?

ソーシャルサポートとはその名の通り、「社会的関係の中でやりとりされる支援」のことを指します。具体的には、家族・友人・会社の同僚・専門家の援助、など自分を取り巻く環境の中でサポートしてくれる人やものをさします。

ソーシャルサポートは、ストレス反応を抑制するという結果を示す研究もあるので( 石毛・無藤, 2005)、落ち込む前の予防や回復にも役立つ重要なキーワードです。

細田ら(2009)の研究では、中学生305名を対象に以下の3つのソーシャルサポートと自己肯定感の関係について調査しました。

  1. 道具的サポート ・・・・ペンを貸すなどの物を支援する
  2. 的サポート ・・・・励ます、応援するなど気持ちの面を支援
  3. 共行動サポート ・・・・アドバイスなどの知識面で支援する

    その結果が下図となります。数字は相関係数と言われて、数字が大きいほど影響が大きいことを意味します。せっかくなので下図の中から数字が大きいものを探してみましょう。

その結果、上図のように、父親、母親、友人、教師のいずれも情緒的なサポートが自己肯定感が高い傾向があることがわかります。

特に教師や友人の情緒的サポートが.40**で、父親や母親よりも大きくなっていますね。両親に匹敵するぐらい影響があることがわかります。仮にご家庭がうまく行っていなくても、教師や友人など周りの方の援助を仰ぐと回復しやすいといえそうです。

辛いときはお互い様

周りからのサポートを受けたいと考えても「相手に悪いから」と気持ちが原因で悩みを打ち明けられない人がいます。しかし、実際に悩みを相談してみると思った以上に親身になって話を聞いてもらえるものです。逆の立場になってみれば想像しやすかと思いますが、友人や知り合いから相談を持ち掛けられた時、どんな対応をするでしょうか。

おそらく、相手の状況を聞いてあげる人がほとんどだと思います。もちろん、知り合って間もない人に重い話を語るのは印象があまりよくありませんが、ある程度関係が築けていれば、十分にあなたをサポートしてくれるはずです。

意外と周りは助けてくれる♪

こうした頼みの事をする時の相手との「感覚のズレ」は、心理学の研究でも確認されています。ヴァネッサ・ボーンズ(2008)の研究では、大学生53名を対象に町中で見知らぬ人に「携帯電話を貸してください」とお願いしてもらいました。被験者たちは、10人に声をかけても1人しか応じてくれないだろうと予測していたのですが、実際は平均6人に1人のペースで携帯電話を貸してくれたのです。

このように、自分が思っている以上に相手はサポートしてくれるものです。悩みを一人で抱え込んでしまう・・・という人は「辛い時はお互い様!」という意識を持って、周囲の人に少しずつでも相談を持ち掛けてみましょう。

サポートがあっても不安な原因

ソーシャルサポートが得られていると言っても「友人だけ」は信頼できるなどの偏ったサポートは好ましくありません。その理由は、1人に対して何度も悩みを相談すると相手に大きく負担がかかり、トラブルが起こりやすいからです。例えば、会う度にマイナスな発言をしている人がいたらどうでしょうか。

1度や2度であれば、相手の悩みを聞いてあげようという気持ちがありますが、過剰に頼られると少し引いてしまう人がほとんどです。人によっては何度か相談に乗ったにもかかわらず、相手が何も変わっていないとストレスを感じてしまうかもしれません。

さらに、ソーシャルサポートの種類が少ないと限られた人に依存してしまう恐れがあり、様々な問題の原因となることもあるため、複数の関係からソーシャルサポートを少しずつもらうのが理想です。

1つの関係で問題が起きても、他の人間関係が支えてくれるため、どの関係でも力を抜いて接することができます。最低でもサポートが得られる関係を3つ以上持っておく良いでしょう。

場合によって医療機関へ

もし、気分が落ち込んで「消えてしまいたい・・・・」「何事にもやる気が起きない」という感覚がある場合には、医療機関での受診をオススメします。ソーシャルサポートを増やすには、自分からアクションを起こしていく必要がありますが、ひどく気分が落ち込む状態では困難なケースが多いです。

そこで、まずは自身のメンタルヘルスがある程度落ち着くまでは、心のケアに専念するようにしましょう。ただ、カウンセラーとのやり取りもソーシャルサポートの1つなので、精神的に辛い時には最もサポートを得やすい存在だと言えます。

また、気分が落ち込む状態が比較的緩やかな場合でも、行く行かないは別として心のお守り代わりに、医療機関の存在を把握しておくと良いでしょう。

ソーシャルサポートで落ち込みを解消!

ソーシャルサポートを利用した問題解決を読んでみていかがでしたか?ひとりで問題を抱え落ち込むことが続くと1つの方向からしか問題を見ることができず息詰ってしんどくなることがあります。また、できればお互いに励まし合える情緒的サポートが得られる関係が築けるといいですね。

少し視野を広げればソーシャルサポートはあなたの周りにたくさん見つかります。問題を一人で抱え込まず落ち込んだときには周囲のサポートを利用していろいろな方向から問題を観察してみましょう!

今回で、落ち込む状況を解消できない原因や対処方法のご紹介はおしまいです。お疲れ様でした。ここまで読んでみていかがでしたでしょうか? 次回はこのコラムのまとめになります。お楽しみに!

★ ソーシャルサポートで問題を解決!落ち込みの予防や回復にも役立つ!      

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*出典・参考文献        
石毛みどり, & 無藤隆. (2005). 中学生における精神的健康とレジリエンスおよびソーシャル・サポートとの関連. 教育心理学研究, 53(3), 356-367.
神谷慶, & 幸田るみ子. (2016). 大学生の抑うつにおける自動思考とネガティブな反す
If You Need Help, Just Ask: Underestimating Compliance With Direct Requests for Help  Journal of Personality and Social Psychology 95(1) · August 2008 with 139 Reads Vanessa Bohns



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