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パニック障害の意味・原因・治療法・症状を専門家が解説

パニック障害


パニック障害の原因・症状のチェック-臨床心理士が解説①

パニック障害を専門家が解説

みなさんはじめまして!臨床心理士の森です。私は臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや交流分析の講義を行っています。当コラムは「パニック障害」をテーマに専門家が心理面の改善について解説をしています。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

パニック障害とは

パニックとは?

そもそもパニックとはどのような状態を指すのでしょうか。心理学的には、「強い緊張」「激しい混乱」「急激な不安」を意味します。症状が強い場合は「パニック障害」という診断名がつくこともあります。

パニック障害になるとパニック発作を繰り返し起し、予期不安が生じます。これに回避行動や広場恐怖が伴う場合もあり、中には強い不安のために外出がままならなくなる方もいます。

ここでパニック障害に関連してよく使われる言葉を簡単に説明します。

パニック発作
前触れなく突然、心臓がばくばくする、息ができなくなる、めまいがする、冷や汗をかく、手足が震えるなどの症状が10〜30分持続し、死の恐怖を味わう発作のこと

予期不安
パニック発作が起きた後、“また発作が起こるかもしれない”と不安が強くなること。パニック発作を起こすことを持続的に懸念している状態があたります。予期不安があるかどうかはパニック障害の診断の際に非常に重要です。

回避行動・広場恐怖
以前パニック発作が起きた場所やパニック発作が起きたら逃げられない場所を避けるようになること。例えば、地下鉄や飛行機、映画館など。パニックになると助けが得られない、あるいは逃げ出しにくい状況や場所に対して恐怖心をもつのです。

パニック障害についての研究

・パニック障害の疫学
パニック障害はそれほど珍しい病気ではなく、100人に2人ほどの割合で罹患すると言われています。早ければ10代から、多くは20~30代で発症します。男女差はあまりありませんが、女性の方がやや多いようです。以前は心臓神経症や不安神経症と呼ばれていました。

・パニック障害は精神疾患の合併が多い
パニック障害の35%にうつ病が併存するという調査があります(Kessler , 2006)。うつ病以外にも、不安障害(全般性不安障害や社交不安障害など)を合併することがあると言われています(藤井ら, 2016)。このように、パニック障害はその他の精神疾患を合併することが多いと考えられます。

パニックになりやすい度は

もし専門機関を受診したら、どのように診断されるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。まずポイントが3つあります。

(1)予期しないパニック発作が繰り返し生じている

(2)発作が起きるのではないかという心配がある(予期不安)。
  もしくは発作を避けるような行動等をとっている(回避行動)

(3)上記の(1)と(2)が1ヶ月以上続いている

このうち、(1)に出てくるパニック発作とは、“突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に、以下の13の症状のうち4つ以上が起こること”と定義されます。

パニック障害の診断項目

典型的な例でいうと、何の前触れもなしに動悸がしてきて息苦しくなり、汗をかき始め、このまま死んでしまうのではないかという恐怖に襲われるのがパニック発作です。これらの症状は10分以内にピークに達し、30分以内におさまるというのも特徴です。あまりに激しい症状と苦しさのため、救急車を呼ぶ人もいるほどですパニック障害の原因と治療法

パニックの原因・改善法

パニックは何らかの生活上のストレスや脳の中の神経伝達物質のアンバランスによって起きると考えられています。治療には脳に作用する薬を用いた薬物療法や心理療法が用いられます。

・薬物療法
主に精神科や精神神経科を受診することで受けられる治療です。薬物療法については当コラムでは取り扱いません。主治医の方に相談してみてください。

・心理療法
臨床心理士等の指導の元、心の面からパニック障害とうまく付き合っていく手法となります。本コラムでは入門として3つのやり方をご紹介させていただきます。

*注意事項
下記の対処法は、軽度~健常者レベルでパニックになりやすい方向けの対処法となります。重度のパニック障害の方は知識として覚えておく程度に抑えて、主治医の方と相談しながら実施してみてください。

①呼吸法で不安を鎮めよう

リラックスできない人は要注意
学業や仕事に追われてリラックスできない人は、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまっている危険性があります。ストレスがきっかけでパニック発作が起こることがありますから、注意が必要です。

リラクゼーションを取り入れよう
パニック発作が起こりそうになった時にリラックスできるように練習すると、発作をコントロールすることも期待できます。

当コラムでは、パニック発作の改善に効果のある呼吸に焦点を当てた方法について詳しく触れたいと思います。リラックス方法を具体的に確認したい…という方は、コラム②を読んでみてください。

②考え方の再構築で不安を切替える

破局的な考えに注意
パニックになりやすい方は、“死んでしまうのではないか”“心臓発作に発展するのではないか”など、最悪の状況を予想しているものがあります。こうした考えが強いと、パニック発作が起こりそうになる状況をつい避けてしまって、生活に支障が出る場合があります。

認知再構成法で切り替えよう
パニック障害によく用いられる治療技法の中に、認知再構成法というものがあります。これは、認知つまり考えを切り替えて、辛い気持ちを軽減させようとする方法です。

”工夫すればひとりで対処できるから大丈夫”
”どうしても困ったら近くにいる人に助けてもらおう”

と考えると、少し気が楽になります。不安な考えがグルグル頭を駆け巡る…という方は、コラム③で認知再構成法の解説を確認してみてください。

③エクスポージャーで不安を乗越える

パニック→行動の幅が狭くなる
前にも書いた通り、パニック障害を発症すると、予期不安や回避行動のために外出したり電車に乗ったりすることが難しくなっていきます。そのために、学校や仕事、家事が普段通りにこなせなくなる場合も出てきます。

段階的に不安に慣れていこう
そうした状態から元の生活に戻るために、不安に感じる状況や場所に少しずつ近づいてみる、エクスポージャーという技法を用いることがあります。

具体的には、不安の度合いが比較的低い場所に行ってみて、うまくいったら、その次に不安の度合いが高い所にチャレンジしてみるのです。そうして、だんだんと行動範囲を広げていくのです。パニックのせいで行動範囲がせまくなっている・・・という方は、コラム④をご覧ください。

パニックとうまく付き合おう

パニックになりやすい方は、不安や苦痛が強く、行動範囲が狭まってていまいます。しかし、心理療法で改善が見込める症状でもあります。これからご紹介する方法を知ることで、パニックになりやすい心の改善を目指していきましょう。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は、パニック障害とうまく付き合う方法の1つ目「呼吸法で不安を鎮めよう」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★パニック障害の 用語や特徴を理解して改善を目指そう
コミュニケーション講座

*出典・引用文献
藤井泰ら(2016) 特集 精神疾患の予防と早期治療アップデート 不安症への早期介入. 精神医学, 58(7), 597-603.
Kessler RC et al. (2006)The epidemiology of panic attacks, panic disorder, and agoraphobia in the National Comorbidity Survey Replication. Archives of General Psychiatry, 63, 415-424.
高橋三郎ら監訳(2014) DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル. 医学書院.
新村出編(2008)広辞苑第6版. 岩波書店.



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