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社交不安障害の原因を認知行動療法のワークで対処

社交不安障害


 社交不安障害の原因を認知行動療法で対処②

コラム①では、社交不安障害のチェックリストをご紹介し、「否定的な予測と大きな見積もり」「予期不安」「回避行動」が原因となることをご説明しました。そして治療には、認知行動療法が有効な方法の一つであるということでしたね。

そこで今回は、社交不安障害の原因の1つ目「否定的な予測と大きな見積もり」の対処法です。認知行動療法の説明とワークを用いながら対人場面の否定的な思考傾向に気づき、現実的な予測をすることへの対処法をご紹介します。

まずは、ストレスモデルを理解しよう!

「ストレス状況(ストレッサ―)」とは、ストレスのもとのようなもので、ストレスを与えてくるさまざまな環境的要因(状況、出来事、他者との関わり、など)です。

そして「ストレス反応」とは、個人に与えるさまざまな影響や、「ストレス状況」によって個人の中に引き起こされたさまざまな反応のことです。認知行動療法とは、このストレスモデルに基づいています。

4つの領域に分けて理解しましょう!

認知行動療法では、このストレス反応を「認知」「気分・感情」「身体反応」「行動」の4つの領域に分けて理解します。例題を使ってご紹介します。

例題
Aさんは、初対面の人が苦手です。過剰に緊張してしまい、顔が赤くなり、手にはたくさんの汗をかき、うまくしゃべることができなくなります。そのため、初対面の人に会うような場面を避けるようになりました。Aさんは、営業の仕事についているのですが、症状のことを考えると仕事に行くときに気が重くなります。

Aさんのストレス反応を4つの領域に分けてみましょう

ストレス状況
初対面の人に会う予定がある仕事

<認知:頭に浮かぶ考えやイメージ>
・また緊張して顔が赤くなる。
・上手く話せなくなったらどうしよう。
・相手に変だと思われるだろう、
・こんな簡単なこともできないなんて私はダメだ。

<気分・感情:簡単に言い表すことができる心の状態>
落ち込み(40%)、自責(60%)

<身体反応:身体に現れるあらゆる生理反応>
胸がドキドキする、息苦しい、手が震える

<行動:外から見てわかる振る舞い>
うつむいて暗い様子、他の仕事まで手につかない。

この頭に浮かぶ考えやイメージのことを「自動思考」と言います。自動的に湧き上がってくる思考という意味です。この自動思考をつかまえていくことで自分の思考傾向を知ることができます。

自分のストレス反応をチェックしよう

実際に自分のストレスを感じる場面をひとつ挙げてみましょう。そしてストレス反応を4つの領域にわけて振り返ってみましょう。

 

自分のストレス場面

<認知:頭に浮かぶ考えやイメージ>

<気分・感情:簡単に言い表すことができる心の状態>

<身体反応:身体に現れるあらゆる生理反応>

<行動:外から見てわかる振る舞い>

客観的な視点で新たな気づきを!

あなたの自動思考はどのようなものだったでしょうか?そしてその自動思考から気分・感情、そして身体反応、行動はどうでしたか?

このように書き出すことを認知行動療法では、外在化と言います。外在化することでどっぷりとストレスに浸かっていた状況や反応から距離をとって眺めることができるのです。距離を取って眺めることで客観的に状況を理解や、整理、新たな気づきにつながるでしょう。

今回の社交不安障害コラムでは、認知行動療法の説明とワークを用いながら否定的な思考傾向に気づき、現実的な予測をする方法をご紹介しました。次回は、社交不安障害の2つ目の原因となる「予期不安」についての説明や対処方法についてご紹介します。お楽しみに!

★ストレス反応を4つの領域に分ける。
★問題を外在化して分析する。
★自分の思考傾向に気づき、予測を振り返る。

*参考文献
伊藤絵美(2011). ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1 pp.65. 医学書院

コミュニケーション講座


認知行動療法のワークでストレスを整理しよう