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社交不安障害/社会不安障害の治療

社交不安障害/社会不安障害を治す「薬物療法・精神科での治療」⑧

コラム①では、社交不安障害のチェックリストをご紹介し、原因と解決策ををご説明しました。重要な要素としては、

①社会不安障害のメカニズム
②認知療法で現実的に考える
③逃げ癖を直す・回避への対処
④SSTで会話力を付ける
⑤緊張を緩めるリラックス法
⑥森田療法で受け入れる
⑦薬物療法、精神科の利用

の7つでしたね。

今回は、「①薬物療法、精神科の利用」についてご紹介します。

薬物療法とは

薬物療法は、1952年のフランスの精神科医 Delayと Deniker が初めて抗精神病薬を発見したことが始まりになります。この1950年代には抗うつ薬が発見されたり、リチウムの抗躁作用も確認されました。

以来、半世紀に渡って研究が進み、薬物がどのようなメカニズムで脳に作用するかが解明されました。作用機序が研究され、比較的副作用が少ない薬物が誕生し、臨床に導入されるようになりました。社交不安障害の治療でも用いられることがあります。

治療は薬物療法が中心

社交不安障害の治療には、クリニックや精神科病院での治療があります。それぞれの医療機関では、主に3つの要因を中心に治療が進められています。

1.生物学的要因
薬物療法、電気療法など

2.心理的要因
⇒カウンセリング、精神療法など


3.社会的要因
⇒社会復帰プログラム、SSTなど

その中でも、薬物療法は基礎となる治療法であり、統合失調症や気分障害においては、薬を処方して治療を行うことが多いです。

また、薬物療法と並行してカウンセリングを進めたり、社会復帰のプログラムに参加したりと、それぞれを併用しながら治療を進めていくことが多いです。

SSRIとSNRI

もっとも一般的に社交不安障害で処方されるのが、以下の2つになります。

1.SSRIー正式名称は「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」です。
2.SNRIー正式名称は「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬」です。

少しSSRIのメカニズムについて解説をします。

①セロトニンの再取り込み
神経の末端部には、「シナプス小胞」という化学物質が貯まっている袋があります。そこから「セロトニン」という神経伝達物質が放出されます。セロトニンは次の神経細胞に届き、「セロトニン受容体」という所に作用します。

このとき、分泌されたセロトニンは前の神経細胞にある「セロトニントランスポーター」に再取り込みされて、リサイクルされます。健康的な人では、セロトニンの量が十分分泌されているため、再取り込みされても変調をきたすことはありません。

しかし、うつ病や不安が強い人はセロトニンの量が乏しいので、再取り込みされてしまうと、十分に後の神経細胞にある「セロトニン受容体」に作用がされません。そのため、うつや不安が強い人はセロトニンがリサイクルされないことが大事になってきます。

②SSRIの作用
SSRIはこの「セロトニントランスポーター」に蓋をして、リサイクルされないように作用します。リサイクルされないで残ったセロトニンは、シナプスの間に残ることになり結果的にセロトニンの濃度が高く維持されるようになります。セロトニンの濃度が高くなることで、うつや不安などの症状が和らいでいきます。

次に、この2つの薬の効果と副作用について解説をします。

効果

・不安を和らげる
・抑うつ緩和

SSRIはセロトニンという精神を安定させる神経伝達物質を増やすことで、症状の和らげる薬です。SNRIはセロトニンとノルアドレナリンという意欲に関する神経伝達物質を増やすことで症状の緩和をしていきます。

副作用


精神神経系症状
頭痛、眠気、不随意運動、めまいやふらつきなどの症状があらわれる場合があります。
運転などの危険をともなう機械作業は控えましょう。

セロトニン症候群
いらいらする、不安、混乱するなどの症状があらわれる場合が稀にあります。

消化器症状
口渇、吐き気、便秘、下痢、食欲不振、嘔吐などの症状があらわれる場合がある
上記の症状は服用初期にあらわれることが多いが、2〜3週間前後で治まる傾向にあります。

性機能障害
勃起障害、射精障害などの性機能異常も微小な確率ですが、考えられます。

注意点

保険適応はSSRIの「エスシタロプラム、パロキセチン、フルボキサミン」のみでそれ以外は保険対象外ですので、精神科を受診する際は確認しておきましょう。

ベンゾジアゼピン系

次に、社交不安障害で用いられるのは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬と呼ばれる薬です。

効果

・不安を和らげる

この薬には、「GABA」と呼ばれるリラックス効果を高める物質の働きが関わっています。GABAに直接作用して、増強する働きがあるため、不安を鎮めを精神の安定につながるのです。

副作用

強い眠気
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は脳内の活動を低下させる薬なので、日中に強い眠気に襲われたりと、人によっては強い副作用が表れることもあります。

依存性
薬の種類やどれだけの頻度で服用するかなどによって変わりますが、数週間以上、毎日服用していると、薬に対する依存が形成される恐れがあります。例えば、用量を今までより多く服用しないと、これまで得られていた薬の効果が感じられなくなります。

注意点

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は高い依存性に注意が必要です。特に常用量を長期にわたって服用すると、依存性が強くなるといわれています。服用はできるだけ短期間にとどめることが重要になります。

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インデラルと社交不安障害

社交不安障害は、体が火照ったり手足の震えなどの症状も見られます。こうした神経の高ぶりによって起こる身体的な症状にも対処する薬物もあります。それが、インデラル(βブロッカー)という薬物です。

効果

・手足の震えを抑える
・動悸を抑える

インデラルは、交感神経の1つであるβ受容体を遮断する作用があります。β受容体にフタをすることで、神経の興奮を抑え震えや動悸を鎮静化していきます。

※β受容体…交感神経の受容体。ノルアドレナリンと結びつくことで、心拍数・血液量を上昇させ、体を緊張状態にする。

副作用

主に徐脈、めまい、発疹、蕁麻疹、視力異常、霧視、涙液分泌減少などが報告されています。こうした症状が現れたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

注意点

インデラルは保険適応外なため、精神科を受診する際はどれだけ費用を充分に確認しておきましょう。

ここまで、社交不安障害における3つの薬物をご紹介しましたが、もっと学術的な効果を知りたいという方は以下の記事がグラフ付きで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

社会恐怖の薬物療法

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
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次回は、社交不安障害/社会不安障害の診断とチェックをご紹介します

社交不安障害/社会不安障害での薬物療法「SSRI」「SNRI」がメイン!

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目次

①社交不安障害-概観
②社交不安障害のメカニズム
③「認知行動療法」とは
④「回避行動」の対処法
⑤「会話力の不足」はSSTで改善
⑥「予期不安」を克服しよう
⑦原因を森田療法で克服
⑧薬物療法・精神科での治療
⑨社交不安障害-簡易診断

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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