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赤面症手術は効果ある?副作用や費用まで詳しく解説

赤面症手術は効果ある?副作用や費用まで詳しく解説⑩

個人的には手術は心理的なケアに限界を感じたときだけで良いと考えています。ただどうしても・・・という方もいらっしゃると思います。そこで赤面症と手術について解説します。かつては大きな傷が残るため、手術は一般的ではなかったのですが、現在では医療技術の発展もあり、患者さんの負担が少なくオペを行うことができるようです。

現在では赤面症の治療に手術を選ぶ人もいるようです。ただし、経済的な負担がかかるのか、またどのくらい症状が和らぐのか、具体的にイメージしにくい部分があると思います。さらに手術による副作用も存在するため、治療法はメリット・デメリットを抑えつつ、慎重に検討する必要があります。

赤面症 手術 効果

傷も痛みも少ない!赤面症手術「ETS」とは

赤面症の治療で行われるのはETS手術(胸部交感神経遮断手術)になります。これは、発汗の指令を伝える交感神経の働きを止めて、汗を出にくくする手術です。主に手のひらの発汗に対して用いられることが多いですが、赤面症状を和らげる効果もあります。内視鏡を使うことにより、直接目で見たり、触ったりして手術することがないため、極めて小さい傷でオペを行うことができます。

赤面症の手術では、わきの下の皮膚を 3 ミリほど切って、内視鏡と 2 本の鉗子(長い手術用のピンセット等)を胸腔(きょうくう:肋骨で囲まれたスペース)に入れ、テレビ画面で胸のなかを見ながら、赤面に関係する交感神経を見つけて切断します。

一般的には両側の胸を同時に行うことが多く、10分程度で終了します。傷は極めて小さく、手術後に痛みを感じる方はほぼいません。治療は全身麻酔で行うケースが多いです。

273例を調べて分かったETSの効果

ETSは赤面症にどこまで有効なのでしょうか。赤面症に近い症状である顔面発汗の症例を扱った調査を見てましょう。

岡林ら(1999)では、ETSの効果について調査が行われています。1999年の12月までに「手のひらの発汗・顔面の発汗・えきか」の症状を持つ患者にETSを行った273例に、アンケート調査を行いました。

結果としては以下の通りとなります。

・手のひらの発汗
99.3%がフォローアップ期間にも
症状が治まっており、再発と回答のあった症例でも
発汗したもの少なかった。

・顔面発汗・えきか
症状が治まったという回答したのは42%
減少したと答えたのは65%だった。

このように、手のひら・顔面・えきかのすべてに一定の効果が認められている治療法と言えます。顔面発汗は6割の症例で症状の減少があるものの、手のひらほどの確実な効果はなく、個人差が激しいため医師との相談をしっかりと行った上で検討するようにしましょう。

手術 副作用

赤面症手術と「副作用」

ETSでもっとも問題視される副作用は「代償性発汗」です。これは、赤面症が止まる代わりに、高温の環境では「背中・腰・お腹・太股後ろ・太股前・胸」などの発汗が増える傾向があり、新たな悩みとなるケースがあります。

先ほどご紹介した岡林ら(1999)のアンケート調査では、合併症についても質問項目があり、69%の症例で患者さんが代償性発汗で悩んでいたと報告されています。

代償性発汗の度合いには個人差があり、全くでない人もいれば、着替えが何枚も必要になるほど大量の汗かく人もいます。こうした副作用によってETSを行ったことを後悔する患者さんもいます。

この赤面症手術を行ったあとに代償性発汗により、新たな悩みが生じて手術を後悔しても、現在の医療技術では切除した交感神経をもう一度もとに戻すことは不可能です。

赤面症の手術を受けないと症状が悪化したり、健康状態が悪くなることはありません。そのため、副作用のリスクと症状の緩和をてんびんにかけて、手術の内容を充分に理解し納得してから決断することが大切です。

ETSはどれくらいの費用がかかる?

ETSの費用の相場としては、「10万円前後」となります。ETSは保険3割負担の対象となるため、手術の中では比較的低コストで受けることができます。そのほか、クリニックによって決められた診察料と、術前採血の費用が3000円前後かかります。

ただし、入院するかどうかにより費用が大きく変わります。この点は、症状やクリニックによって変わりますので、事前に確認しておきましょう。ほとんどの場合は、日帰りで終了します。

赤面症 治療

赤面症手術は副作用を踏まえて、慎重に検討しよう

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目次

①治し方,原因や症状
②赤面症と体の仕組み
③原因は心の問題が大きい
④診断でチェックしよう
⑤「思考の偏り」を改善
⑥治す方法「不安階層」
⑦「あるがまま」森田療法で克服
⑧治療と精神科での薬物療法
⑨赤面症と漢方の効果とは
⑩手術は効果的?副作用や費用
⑪筆者の主張ー手術は30代から

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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・第7回 日本胸腔鏡下交感神経遮断研究会 日本 ペインクリニ ック学会誌 VoL9 No.1, 2002