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選択的注意・知覚の意味とは?カクテルパーティ効果

選択的注意・知覚の意味とは?カクテルパーティ効果

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは「選択的注意・知覚」です。

コラムの目標
・選択的注意の基礎を学ぶ
・効果と注意点を学ぶ
・マイナスの選択的注意を改善

  • 全体の目次
  • 選択的注意とは?
  • メリット,デメリット
  • 認知の多角化で改善
  • 助け合い掲示板

読み進めると、選択的注意・知覚の基本的な知識を抑えることができると思います。ぜひ最後までご一読ください。

選択的注意の意味とは?

意味

選択的注意とは以下のように定義されています。

・心理辞典(2013)

ある環境内にある特定の刺激のみに集中することで、偶発的な刺激と、重要な刺激とを区別することを可能にする(一部改変)

簡単にまとめると、自分にとって重要だと認識された情報だけを選択して、それに注意を向ける認知機能です。選択的知覚,カクテルパーティー効果という用語を使うこともあります。

日常生活の具体例

例①
かなりにぎやかな店内でお話をしているとします。そんなとき私たちは、いつもよりも集中して、相手の声に傾けて、情報を集めようとします。これが選択的注意です。

選択的注意の事例

例②
私は、公認心理師といって、心理学の専門家です。そのため街中で「心理学…」という用語が聞こえてくると、脳が勝手に反応してしまいます(笑)これも選択的注意です。

例③
血液型診断を信じる花子さんがいたとします。花子さんはB型は自分勝手だと信じています。実際に日常生活でB型の人と会うと、自分勝手な部分を強く知覚するようになります。

協調性を発揮している部分はみえなくなりやすいのです。これも選択的注意ですね。

選択的注意の2つの機能

選択的注意には2つの機能があります。

1-重要な情報を集める
わたしたちは、日常生活でたくさんの情報を受け取っています。それをすべて受け取り、処理すると脳はパンクしてしまいます。そこで脳が、情報に優先順位を決めて処理をしてくれるのです。

2-不要な情報を遮断する
もう1つの機能として、不要な情報を遮断するという面もあります。選択的に知覚することで情報を効率的に得ることができるようになります。

選択的注意テストとは?

選択的注意を体験できる、有名な実験「選択的注意テスト」があります。選択的注意テストは、ハーバードの特別実験で、動画がネット上で公開されています。興味がある方は折り畳みを展開してみてください。

1分ほどの動画です。まずはテストをやってみてください。

このテストからもわかるように、私たち人間は、処理できる情報量は限られていて、一度意識が行くと、そこに集中してしまい、全体が見れなくなってしまうのです。

可能であれば、黒シャツ、白シャツの方のボールの受け渡しすべてをカウントしてみてもいいかもしれません。相当難しいと思います笑 

 

メリット・デメリット

選択的注意にはどのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。

選択的注意のメリット

・傾聴力UP
選択的注意を発揮できる人は、相手の話をしっかりと受け止めて、咀嚼する力があります。相手の話をしっかり傾聴することは、接客業や福祉関係者に欠かせないスキルです。

・勉強UP
勉強をするには、集中力がとても大事です。選択的注意がある人は、余計な雑音に気を取られることなく、勉強の世界に没頭することができます。

・ケガを防ぐ
選択的注意が働くと、危険なものを優先的に察知できます。例えば、車が近くに来たら、集中してよけることができます。

仮に選択的注意ができないと、交通時にあるかもしれません。もしこの能力が著しく欠如すると、高次機能障害、注意欠陥障害と診断されることもあります。

注意障害

高齢になると、病気や交通事故で脳が損傷することがあります。その際、注意障害が起こりやすくなります。

注意障害になると、会話が散漫になる、忘れ物を毎回する、目的地に十鳥付けないなど、日常生活および社会生活が困難になるります。

まずは、専門の医療機関で診断をしてもらうことが必要です。

▼参考
高次脳機能障害の理解と支援のためにー理解編-
(埼玉県高次脳機能障支援センター)

注意欠陥多動性障害

発達年齢に見合わない多動‐衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れます。

学童期の子どもには3〜7%存在し、男性は女性より数倍多いと報告されています。

男性の有病率は青年期には低くなりますが、女性の有病率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。

*出典(厚生労働省HP)

 

選択的注意のデメリット

選択的注意は、社会生活を送るうえでは欠かせない認知機能です。しかし、認知のあり方によっては、心の健康に悪影響を与えてしまうため注意が必要です。

・対人不安につながる
ネガティブな選択的注目は、対人不安につながります。

たとえば、
上司から褒められた時に、1つだけマイナス評価があったとします。ネガティブな選択的注目をする人は、たった一つのマイナス評価に意識が行ってしまうのです。

そして全体的には褒められているのも関わらず「自分は悪く評価されている」と捉えてしまうのです。そうするとこの上司は自分を嫌っている!と勘違いして、不安が大きくなります。

些細な批判がすごくきになる方は、必要以上に相手の顔色を窺わないように気を付けましょう。

上司に褒められたイメージ

・自己肯定感の不足
自分のダメな部分を選択的に探し続ける癖がある人は、自己肯定感が不足することが分かっています。また、心理学の世界では、単純な物事の見方しかできない人はメンタルへルスが悪いことも分かっています。

メンタルヘルスと選択的知覚の問題は動画でも解説しています。

前半のまとめ

ここまで選択的注意・知覚のメリットデメリットを概観してきました。選択的知覚はプラスの作用がある一方で、マイナスの作用もあります。

特に、メンタルヘルス的には、選択的知覚が悪影響になりやすいので、ここからは、デメリットが大きい方向けに、解決策を提案させて頂きます。

認知の複雑性で思考をプラスに

捉え方を増やそう

・思い込みが激しい
・レッテルを貼る癖がある
・自分のダメな部分ばかりを考えてしまう
という方は選択的注意が、マイナスに働きやすくなります。

対策の一つに、認知の多角化練習があります。認知の多角化は、1つの出来事について、ポジティブな見方を追加して考えることで、感情を安定させる主張です。

具体例

具体例をもとに、イメージしていきましょう。

事例
太郎さん
・20代の会社員
・ネガティブ思考が強い
・人の些細な発言にも敏感

太郎さんは、友人から
「太郎の話って面白いよな~。話し方が変わってるからかな」
と言われました。

認知の複雑性の練習

太郎さんは友人からの一言
「変わってる」
がすごく気になりました。頭の中で何度も繰り返してしまいます。その結果「やっぱり自分は変なんだ…」というネガティブな考えが強くなり、気分が落ち込んでいきました。

認知の複雑性の練習問題

ここでポジティブな認知を増やしていきます。

たとえば、
+友人は自分といると楽しそう
+面白いと褒めてくれた
+「変わっている」はキャラがある!という誉め言葉

このように捉え方を追加すると、太郎さんは以前よりも落ち着きを取り戻しました。

認知の複雑性の事例

このように1つの出来事を1つの見方で解釈する癖がある方は、考え方を追加することからチャレンジしてみてください。

*もっと練習したい方は折り畳みを展開ください。

認知の多角化-練習問題

それでは練習問題に取り組んでみましょう。

練習問題

二郎さん
・先月入社した新卒社員
・ネガティブに捉えがち
・人の言動を極端に気にする

部署の歓迎会で、二郎さんは自己紹介をしました。その時、二郎さんを見ながらニヤニヤしている人が目に入りました。

認知の複雑性のトレーニングその様子から二郎さんは、途端に「バカにされた!!」という考えが頭に浮び、歓迎会楽しむことができませんでした。二郎さんは

出来事
→2人がこちらを見て笑っていた
認知
→バカにされた!!
気分・行動
→怒り・恥ずかしい

と考えています。二郎さんのポジティブな考えを増やしていきましょう。




 

 

解答例
・あの人、楽しんでいるんだな
・何か面白いことがあったのかな
・たまたま目があってしまった
・緊張しない雰囲気にしてくれた
・お酒が入っているのかな

このように認知を増やしていくことで、ネガティブな気持ちが改善され、楽しさや喜びにつながるようになります。

 

発展編

ここからは発展編です。選択的知覚をほぐすために以下のコラムも参考にしてみてください。

リフレーミング

考え方の引き出しを増やす手法の1つにリフレーミングという技術があります。柔軟なとらえ方をしたい!という方はリフレーミングコラムを参考にしてみてください。

思考の歪み

選択的注意・知覚が多い方は、偏った考え方になりやすく、非現実的な予測を立てやすくなります。予防として10個の認知の歪みについて学習しておくことをオススメします。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは心理面で悩みを持つ方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。

人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典 P 527
・Simons&Chabris,Selective Attention test,1999
・高次脳機能障害の理解と支援のためにー理解編-,埼玉県高次脳機能障支援センター,2012