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選択的注意とは?具体例や動画テスト・できない人の障害

選択的注意とは?具体例や動画テスト・できない人の障害

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは「選択的注意」です。

改善するお悩み
・人込みでの雑談が苦手
・いつもそわそわする
・気が散りやすい

  • 全体の目次
  • 選択的注意とは?
  • 日常生活の具体例
  • 選択的注意テスト
  • できない問題・原因
  • 認知的複雑性で改善
  • 練習問題【動画の有】
  • 助け合い掲示板

読み進めると、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。ぜひ最後までご一読ください。

もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

選択的注意とは?

定義

選択的注意とは、以下のように定義されています。

・心理辞典(2013)

ある環境内にある特定の刺激のみに対して集中させることで、周囲にもある刺激あるいは偶発的な刺激と、重要な刺激とを区別することを可能にする

簡単にまとめると、自分にとって重要だと認識された情報だけを選択して、それに注意を向ける認知機能です。

日常生活の具体例

たとえば、大勢の人が集まるにぎやかな店内で、友人を食事をしながら会話をスムーズに行える

選択的注意の事例

このようなことは、多くの人が経験しているのではないでしょうか。

選択的注意は、日常生活でひんぱんに行われています。

・放課中の賑やかな教室で、友人とスムーズな会話ができる

・大勢の人が会話している事務所で、電話の相手とスムーズに会話ができる

・賑やかなレストランで、集中して勉強できる

わたしたちは、日常生活でたくさんの情報を受け取っています。それをすべて受け取り、処理すると脳はパンクしてしまいます。

そこで脳が、情報に優先順位を決めて処理をしている状態が選択的注意です。

選択的注意が働くことで、私たちは集中したり必要な情報だけを受け取ることができるのです。

選択的注意テスト

選択的注意テストとは?

選択的注意をすぐに体験できる、有名な実験「選択的注意テスト」があります。

選択的注意テストは、ハーバードの特別実験で、動画がネット上で公開されています。

1分ほどの動画です。まずはテストをやってみてください。

ハーバード大学特別実験「選択的注意テスト」

ハーバード特別実験の結果は?

わたしは、はじめて動画を見たとき、途中で出てくるあの動物を見落としました。みなさんはいかがでしたか。

このテストからもわかるように、私たち人間は、処理できる情報量は限られていて、一度意識が行くと、そこに集中してしまい、全体が見れなくなってしまうのです。

ハーバード特別実験のまとめ

もし可能であれば、黒シャツ、白シャツの方のボールの受け渡しすべてをカウントしてみてもいいかもしれません。相当難しいと思います笑 

ここまでをまとめると

・私たちは情報を選択的に知覚する
・そのため他の情報を見落とす性質がある

この2点をまずは抑えておきましょう。

メリット・デメリット

選択的注意のメリット

選択的注意は、必要な情報を集められる機能です。自分にとって必要な情報を、集中力を節約しながら集められる点はメリットといえます。

選択的注意がなくなると、高次機能障害となることもあります。

その他に、選択的注意ができない状態は診断が必要な場合もあります。

選択的注意障害とは?

選択的注意ができない状態は、選択的注意障害かもしれません。

選択的注意障害とは、多くの情報から今必要な情報だけを選ぶ機能が低下している状態です。いろいろな情報に反応してしまい、適切な処理ができなくなくなってしまいます。

たとえば、
・周囲が気になって自分の作業に集中できない
・周囲が気になって会話についていけない
・商品棚から希望の商品が見つけられない

不要な情報にも反応してしまうため、注意が散漫になったり疲れやすくなります。

対処法は、静かな環境を選ぶなど、原因となる情報を取り除くことです。

十分な回復までには、時間がかかる場合もありますが、すこしづつステップアップすることで改善が目指せます。

高次元機能障害

選択的注意障害は、多くの場合、病気や交通事故で脳が損傷することで発症します。

高次元機能障害のひとつで、自分はもちろん周囲も気づきにくい障害と言われています。

日常生活および社会生活が困難になるため、適切なサービスを受けることができます。

まずは、専門の医療機関で診断をしてもらうことが必要です。

▼参考
高次脳機能障害の理解と支援のためにー理解編-
(埼玉県高次脳機能障支援センター)

 

選択的注意のデメリット

選択的注意は、社会生活を送るうえでは欠かせない認知機能です。しかし、認知のあり方によっては、心の健康に悪影響を与えてしまうため注意が必要です。

選択的注意のありかたの一つに、ネガティブな選択的注目という認知の誤りがあります。

ネガティブな選択的注目は、プラスの面には目もくれず、些細なネガティブな事だけを重視する認知のありかたです。

たとえば、
上司から褒められた時に、1つだけマイナス評価があったとします。

上司に褒められたイメージ

ネガティブな選択的注目をする人は、たった一つのマイナス評価に意識が行ってしまうのです。

そして全体的には褒められているのも関わらず「自分は悪く評価されている」と捉えてしまうのです。選択的注意ができない状態

認知の複雑性で思考をプラスに

では、ネガティブな選択的注目を減らすには、どうしたらいいのでしょうか。

認知を増やす

対策の一つに、認知の複雑性があります。認知の複雑性は、出来事を多角的に捉えることで、認知を適応的にしていく方法です。

たとえば、先ほどの上司に褒められた例で考えてみましょう。

「マイナス評価が1個あった。
 しかし、全体的に褒められた」

「褒められて良かった。
 自分が頑張った結果だ!」

「褒められた事が多かった」

このように、いろいろな視点で考えられるといいですね。

ネガティブな選択的注目傾向がある人は、出来事について、3個~5個の発想を出してみてください。

10個ぐらい発想できると、物事を柔軟に捉えられるようになり認知の誤りも軽減できるでしょう。

認知の複雑化でプラス感情へ

ここでは具体例をもとに、認知の複雑性を練習してみましょう。

事例
太郎さん
・20代の会社員
・ネガティブ思考が強い
・人の些細な発言にも敏感

太郎さんは、友人から
「太郎の話って面白いよな~。話し方が変わってるからかな」
と言われ、太郎さんは友人からの一言「変わってる」に囚われてしまいました。

認知の複雑性の練習

その結果「やっぱり自分は変なんだ…」というネガティブな考えが強くなり、気分が落ち込んでいきました。

認知の複雑性の練習問題

ここでポジティブな認知を増やして、適応的な認知に修正します。

たとえば、
・友人は自分を認めている
・面白いと褒めてくれた
・友人には変わってみえるのかな
・「変わっている」は誉め言葉にもなる
・仲のいい友人だから本音を伝えてくれた

認知の複雑化ができたことで、太郎さんは一言に執着しすぎていたと理解することができました。

認知の複雑性の事例

認知の複雑化ができたことで、マイナスの感情をプラスにかえることができたのです。

認知の複雑性の練習問題

それでは、多角的認知をつける練習問題に取り組んでみましょう。

練習問題

二郎さん
・先月入社した新卒社員
・ネガティブに捉えがち
・人の言動を極端に気にする

部署の歓迎会で、二郎さんは自己紹介をしました。その時、二郎さんを見ながらニヤニヤしている人が目に入りました。

認知の複雑性のトレーニングその様子から二郎さんは、途端に「バカにされた!!」という考えが頭に浮び、歓迎会楽しむことができませんでした。二郎さんは

出来事
→2人がこちらを見て笑っていた
認知
→バカにされた!!
気分・行動
→怒り・恥ずかしい

と考えています。二郎さんの認知を増やして、適応的な思考に修正していきましょう。3つ以上は出してみましょう。




 

 

解答例
・あの人、楽しんでいるんだな
・何か面白いことがあったのかな
・たまたま目があってしまった
・緊張しない雰囲気にしてくれた
・お酒が入っているのかな

このように認知を増やしていくことで、ネガティブな気持ちが改善され、楽しさや喜びにつながるようになります。

動画も参考に練習を

認知の複雑性練習は動画解説もあります!たくさん練習したい方は参考にしてみてください。

*チャンネル登録をして下さると励みになります(^^)

選択的注意-まとめ

まとめ

選択的注意は、社会生活で必要な機能です。ただし認知のあり方しだいでは、ネガティブな傾向が強くなってしまいます。

認知を増やすことで、思考を前向きにして気持ちや行動をプラスにしていきましょう。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは心理面で悩みを持つ方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典 P 527
・Simons&Chabris,Selective Attention test,1999
・高次脳機能障害の理解と支援のためにー理解編-,埼玉県高次脳機能障支援センター,2012