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自己肯定感の高め方を臨床心理士が解説

自己肯定感の高め方を臨床心理士が解説③

コラム②では、自己肯定感が低い原因の1つ「自分が好きになれない」の対処法として、認知のゆがみについてお話してきました。ネガティブな考え方になったときには、捉え方を見直して修正してみてくださいね。

今回は自己肯定感が低い原因の2つ目「欠点ばかり気にしてしまう」の対処法として「リフレーミングで長所を探す」について解説します。

長所を知ることの重要性

自己肯定感の低い人は、自分の欠点ばかりが気になり、自分の良いところを探すことができないという傾向があります。そのため、もう少し自分のよいところに目を向けることができれば、自己肯定感を高めることができます。

ここで自己肯定感の高め方の参考になる論文を紹介します。本田ら(2008)は、不登校傾向にある高校生10名を対象に、エンカウンターグループという集団心理療法の実践結果を報告しています。

この実践は、自分の短所を長所に言い換えるというリフレーミングのアプローチなどを中心に取り入れています。そして、効果測定として参加者に自己肯定感に関する質問紙を事前・事後に行い、その得点の推移を検証しました。

▼結果がこちらです。

リフレーミングの研究結果の一部

自己肯定感得点が

実施前:平均43.5点
実施後:平均57.5点

リフレーミング後に自己肯定感が高くなったという結果になりました。

つまり、自分の短所を長所に言い換えてみるという、リフレーミングの試みが自己肯定感を高める効果につながった可能性を示唆しています。

リフレーミングとは?

ここで改めて、先ほどの本田ら(2008)の研究でも行われていましたリフレーミングについて説明していきます。

リフレーミングとは、カウンセリングの中で使われている方法の1つです。できごとの見方の枠組み(=フレーム)を変えてみることで、違った見方を獲得できるようにすることを言います。リフレーミングとは?たとえば、

状況:コップに水が半分入っている
もう半分しかない」と考える
まだ半分ある」と考える

このように考え方次第で、心の持ちようは大きく変わります。

また本田ら(2008)の実践でも出てきた「短所を長所に言い換えてみる」のも立派なリフレーミングの1つです。

つづいては、心の持ち方を大きく変えてくれるリフレーミングの事例を見ていきましょう。

リフレーミングの事例

<事例:営業職のハヤシさん>
・営業職。20代、男性。
・口下手な性格。入職当初は悩んでいた。
・一生懸命に商品説明するも、商品の良さを伝えられている手応えがなかった。
・「自分はダメなやつだ・・」と悩んでいた。
・営業成績も思った通りの成果が出ず、どこか自信なさげ。

自己肯定感が低いハヤシさんは、自分の欠点ばかりに目がいくクセがあり、普段から自分に自信がありません。ある日ハヤシさんは、取引先から契約していただくことができました。

先方からは「ハヤシさんはとても誠実な人だというのがとても伝わった。ウソをつかなそうな人が薦める商品だから、使ってみようかなと思った」とハヤシさんに向けて話されていました。

このことでハヤシさんは、自身で欠点だと思っていた

口下手」なことを
誠実である」ことと思うようになり、

少し自分に自信が持てるようになりました。それからハヤシさんは、堂々と営業先にも向かっています。長所に言い換えることで、自己肯定感がアップしたようです。

リフレーミングで自己肯定感を高めた事例ハヤシさんの例でいうと、一見「口下手」は欠点となりますが、リフレーミングをして見方を変えてみると、

・「誠実である」
・「ウソをつかない」
・「説得力がある」
・「言葉に重みがでる」

などの長所に言い換えることができます。

よく言われることかもしれませんが、「短所は長所」になりうることがあり、「長所は短所」になりうることもあります。

欠点だと思っている点をリフレーミングしてみると、思いがけず長所を発見でき、自己肯定感アップにつなげることができます。

それでは練習問題に取り組んでいきましょう。

リフレーミングを練習してみよう

ここからは自己肯定感を高めるために、リフレーミングを練習してみましょう。事例でご紹介したハヤシさんも例も記載しますので、参考にしてみてくださいね。

練習問題
質問1:自分で短所だと思っていることはありますか?3つ挙げてください。



<ハヤシさんの例>
・説明が上手くできない「口下手」だ
・堂々と振る舞えず、威厳がない
・失敗すると、すぐ落ちむ

 

質問2:3つの短所を長所に言い換えてみると、どんなことが言えますか?

 

 

 

<ハヤシさんの例>
・口下手 ⇒ 相手に誠実な人柄に映る
・威厳がない ⇒ 低姿に見える
・すぐ落ち込む ⇒ 反省ができ次に生かそうとしている

 

質問3:その長所は何かに生かせそうですか?

 

 

 

<ハヤシさんの例>
口下手 → 史実な人柄 ⇒ 相手に信頼感を持ってもらいやすい

威厳がない → 低姿勢 ⇒ 相手の本音を引き出しやすい

すぐ落ち込む → 反省できる ⇒ 成長のスピードが速い

 

練習問題はいかがでしたか。3つ探すことができた人は、短い時間ですが自己肯定感がかなりアップできるのではないしょうか。

リフレーミングで自己肯定感を高める方法

リフレーミングを使いこなそう

自己肯定感が低い原因の1つ「自分の欠点ばかりが気になる」の対処法として「リフレーミングで長所を探す」について紹介してきました。

リフレーミングを使いこなすことができると、「欠点ばかり気になっている」状況から自分自身で抜け出すことができます。そしてその結果自分のよい点などをたくさん見つけることができ、自然と自己肯定感を高めていくことができますので、さまざまな場面で思い出して使ってみてください。

次回は、自己肯定感を高める方法の3つ目「自己理解を深める」についてお伝えします。お楽しみに。(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 自分の長所に気づいて自己肯定感の高めていこう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく、実際に心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は心理学講座、実践練習をしたい!という方は社会人講座をお勧めしています。私たちが講義をしている講座となります。それでは次のコラムへ進みましょう!

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*出典・参考文献
本田優子・大島レイカ・木嶋真代・内栫明美(2008)高校生における成人キャリア支援のための構成的グループエンカウンターの試み 熊本大学教育学部紀要 自然科学 第57号 83-92 2008
長谷川啓三・若島孔文編(2002)事例で学ぶ家族療法・短期療法・物語療法 金子書房