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恐怖症を克服する‐証拠探し法②公認心理師が解説

恐怖症を克服する‐認知療法,証拠探し法②公認心理師が解説

コラム①では、恐怖症について概観していきました。具体的処法としては、

①認知の歪みを改善
②行動療法
③身体リラックス法
④森田療法

の4つでしたね。

今回は、「①認知の歪みを改善」について解説をしていきます。

恐怖症 克服

対象となるお悩み
・非現実的な恐怖がある
・一度思い込むと止まらない
・考え方が極端

認知の歪みとは?

恐怖経験をすると、考え方が非現実的になることがあります。このように非現実的な考えを認知のゆがみと呼びます。

5歳の頃、トマトを食べたら腐っていた
   ↓
 トマトは大概くさっている!(歪み)
   
 トマトが怖い


大好きな人に告白したら失恋した。
   ↓
自分はだれからも好かれない
告白しても絶対にうまくいかない(歪み)
   
 異性が怖い

 

部活の試合の大チャンスで失敗してしまった。
   ↓
 大チャンスで僕は絶対に失敗する(歪み)
   
 チャンスが怖い

このように恐怖体験が強烈な場合、「認知のゆがみ」が生じやすくなります。

恐怖体験の例を元に恐怖症の対策をする

証拠探しをしてみよう

反証とはなにか?

このように非現実的な思考から生まれる恐怖心はどのように改善していけばいいのでしょうか?心理療法の1つに、

「反証」

という考え方があります。

反証では自分の考え方が本当に正しいのか?証拠探しをすることで自分の考えを修正していきます。

 

反証手順

下記の例をもう一度みてみましょう。

5歳の頃、トマトを食べたら腐っていた
   ↓
 トマトは大概くさっている!(歪み)
   
 トマトが怖い

 

この時、「トマトは大概腐っている」の部分について証拠を探していきます。証拠探しは裁判のように行います。

①肯定派
②否定派
③結論
という順番で行ってみましょう。

具体例

*肯定派
5歳の頃、実際に腐っていた 
たまに黒ずんでいる個所がある

*否定派
5歳の頃以降、食べたことはない
→実際は腐っているか確かめたわけじゃない 

腐っているものをみんな食べているわけがない

友人の10人はトマトをおいしく食べている

1000個食べて1個も
腐ってなかったと言っている
→確率的には0.1%以下かも

*結論
トマトが大概腐っているというのは非現実的かもしれない。特に周りの話を聞くと、0.1%ぐらいかも。私の5歳の時の体験は相当なレアな出来事だったようだ。まずは一切から食べてみようかな。

*講師の視点 反証ワークは恐怖症を改善する上でよく使われる手法です。特に確率計算してみるのがおススメです(^^)

練習問題

それでは以下の例で、皆さん自身で反証練習をしてみましょう。

練習問題

大好きな人に告白したら失恋した。
   ↓
自分はだれからも好かれない
告白しても絶対にうまくいかない(歪み)
   
 異性が怖い

 

異性,恐怖症

復習すると、

①肯定派
②否定派
③結論

という順番で考えます。例題がシンプルなので、ある程度シチュエーションを足したりするのはOKです。

解答例

*肯定派
実際にフラれたのは事実
大好きでちゃんと気持ちを伝えたのにダメだったの事実は重い

*否定派
今回は初めての告白だった
最初からうまくいく人は稀

異性はまだまだたくさんいる 
告白までいけたこと自体が成長

友人のプレイボーイ(ガール)でも、10人に1人ぐらいしか相手をしてくれないと言っている

まずはチャンスを作って、バッターボックスに立つことから考えるべきかも

*結論
失恋したことは事実で傷ついた。でも自分が誰からも好かれないと考えるのは非現実的。プレイボーイ(ガールも)ですら10%!まずは10人の異性と出会うことからはじめよう。

*講師の視点 反証ワークは自分の考えを全否定するのではなく、一部認めながらも新しい証拠を付け加えていくと心の中に入ってきやすくなります。

自分の問題で練習してみよう

最後に、皆さん自身の例で反証練習をしてみましょう。

事前準備

・恐怖を感じる場面
・その時の考え
・恐怖心の大きさ

をまずは紙に書きだします。

反証練習

①肯定派
②否定派
③結論

という順番で考えます。

*講師の視点 反証をしてみて、恐怖心が少しでも軽くなったら大成功です!あせらずじっくり検証してみましょう。

認知療法をもっと練習したい場合

今回は証拠探し練習をしてみました。この手法は認知療法という手法の1部となります。もっと考え方をほぐしていきたいと感じる方は、入門編が一通り終わった後に以下のリンクなど試してみるといいかもしれません。

もし興味がある方は参考にしてみてください。

認知療法入門

*動画で認知療法を一通り解説しています。

認知の歪み10パターン

今回は認知の歪みを総合的に考えていきましたが、細かく考えると10パターンほどあることが分かっています。認知の歪みについて詳しく理解をしたい方は下記を参照ください。

認知の歪み10パターン

 

認知のゆがみに気が付き、修正できると、恐怖症が軽減できると思います。余裕があると気に一度紙に書いてチャレンジしてみてください。(*注意 認知療法は頭を使うので、疲れている時は休憩してください)

次回は、恐怖症の解決策の2つ目「行動療法」についてご紹介します。

★認知のゆがみ誰にでもある!10パターンの理解で恐怖症を緩和

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
竹田 伸也(2012)マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける 遠見書房.