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恐怖症のメカニズム!恐怖と脳の仕組みの関係を知ろう③

恐怖症のメカニズム!恐怖と脳の仕組みの関係を知ろう③

コラム②では、人はなぜ恐怖心を抱くのかについて見ていきました。恐怖を全くの悪者ではなく、私たちが生きていく上で必要不可欠な感情でしたね。今回は、脳科学の視点から恐怖症のメカニズムについて解説していきます。

ジェセフルドウーの2経路説

恐怖と脳の関係については古くから研究されてきました。中でもジェセフ・ルドゥーの2経路説が有名です。2経路説については、動画で解説しました。参考にしてみてください。

恐怖と脳の仕組み

ルドゥーの2経路説では、主に情報が直接扁桃核に伝わる経路と、前頭連合野を経由する経路の2つが挙げられていました。

近年は、脳画像研究なども盛んでさらに恐怖のプロセスは複雑であると考えるものもあります。Soya(2017)らの研究では、実験参加者にホラー映画と穏やかな映画の2種類の映画を見せて脳の活性しらべました。その結果は、ホラー映画を見たときに

*扁桃体・・・情動反応に関与
*前帯状皮質・・・血圧や心拍数、意思決定
*前部島皮質・・・内臓の自律系、辺縁系に強く関与

以上の脳の3か所の部位が活性化し、感情や全身の変化を起こしています。恐怖は様々な脳の機能が総合的に関連して発生する感情なのです。

脳内物質の影響

ここまで脳のどの部分が活性化するかについて解説してきました。もう1つの重要な着眼点として、神経伝達物質について考えていきましょう。神経伝達物質とは私たちの脳の動きを強くしたり、弱くしたりする、伝達員のようなものです。扁桃体や前頭連合野など脳の各部分は「会社」で、その会社の中で動いているのが、「伝達員」と考えるとわかりやすいかもしれません。

例えば、睡眠や食欲などをコントロールするオレキシンという神経伝達物質があります。このオレキシンは、脳の青斑核(せいはんかく)という部位で交感神経を活性化するノルアドレナリンを作り出します。

このノルアドレナリンが感情を司る扁桃体に働きかけ、この部分を活性化させることで恐怖記憶を拡大させ、反応の強弱をコントロールしていることがわかりました(Yoshihara et al., 2016)。

まとめ

議論が複雑になってしまい、わかりにくくなってしまったかもしれません。ざっくりとまとめると、恐怖は脳の各部分と脳内物質により起こる現象なのです。特に偏桃体は恐怖の中枢と言われていて、恐怖症の方は様々な要因により、恐怖を持ちやすい脳の癖を持っていると言えるのです。

この脳の癖を改善するには、動画でも解説したように、認知行動療法、マインドフルネス療法、場合によっては薬物療法を行うことがおすすめです。やり方については引き続き解説していきます!それでは次に進みましょう。

★ 恐怖症・症状から回避しない!安心できる記憶に浸ってその場に居続ける!

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目次

①対処法とセルフチェック ​
②なぜ人は恐怖心を持つのか
③恐怖と脳の仕組みの関係
④恐怖症の症状と種類一覧
⑤考え方のクセを見直す
⑥不安の原因「回避癖」の克服
⑦緊張をほぐすリラックス法
⑧恐怖症診断とチェック!

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Soya, S., Takahashi, T. M., McHugh, T. J., Maejima, T., Herlitze, S., Abe, M., … & Sakurai, T. (2017). Orexin modulates behavioral fear expression through the locus coeruleus. Nature communications, 8(1), 1606.

Yoshihara, K., Tanabe, H. C., Kawamichi, H., Koike, T., Yamazaki, M., Sudo, N., & Sadato, N. (2016). Neural correlates of fear-induced sympathetic response associated with the peripheral temperature change rate. NeuroImage134, 522-531.