>
>
>
社会不安障害を克服する「ソーシャルスキルトレーニング」⑩

社会不安障害を克服する「ソーシャルスキルトレーニング」⑩

コラム⑨では、社会不安障害の対処法「あるがまま森田療法」について解説していきました。不安や恐怖をあるがままに捉えて、目的に沿って行動していきましょう。

今回は社会不安障害を改善する対策の3つ目として「会話力を付けるSST」をご紹介します。

SSTで社会不安障害を改善

会話力は、社会不安障害を克服するうえで大変重要です。他人への不安が強い原因の1つとして対人スキルなさが挙げられます。突然ですが、ここで皆さんに質問です。

1日にどれぐらい会話をしていますか?

会議、雑談、SNS、電話、メール合わせてです。

国立国語研究所の統計によると、1日の会話量の平均は6時間という結果が報告されています。この数字を見て多いと感じますか?少ないと感じますか?

f:id:direct-comm:20180520151705p:plain

特筆すべきはその内訳です。なんと雑談が60%を占めています!

f:id:direct-comm:20180520151915p:plain

国立研究所の研究では大体、3.5時間程度は雑談に費やしていることになるのです。推測となりますが、社会不安障害を改善する上では、まず雑談を克服していく必要があると推測できます。 

孤独感を緩和するSST

会話力を鍛えよう

対人関係の入り口は初対面です。初対面を克服することができれば、社会不安障害が軽減でき、人間関係を回避することが少なくなってきます。それでは、初対面で役立つ2つのスキルをご紹介しますのでぜひ実践してみてください。

SST2つのコツで孤独感を緩和

①自己紹介を克服

初対面は社会不安障害でなくとも誰でも緊張するものです。少しだげでもいいので自分から自己開示をして、相手と打ち解けるとっかかりを作っていきましょう。相手が安心した気持ちになれば、自分も相手への恐怖心が和らいでいきます。まずは準備して実践してみましょう!

初対面でよく出てくる話題は
・住所
・出身
・趣味
・家族構成
・仕事
です。この5つについては必ず1分程度は話せるように準備しておきましょう。

②会話が続かないを克服

社会不安障害の原因の1つに、会話が続かないことが挙げられます。ウイキペディアの原理を応用した会話法です。まずおさらいですがウキペディアの原理を確認しましょう。例えば、ウイキペディアで「倉吉」を調べてみると

鳥取県中部の市。当市は鳥取県中部の玄関口としての役割もある。市内には打吹玉川地区をはじめ土蔵が多く、白壁土蔵の街として知られている。

と出てきます。そして

打吹玉川地区をクリックすると↓
打吹玉川(うつぶきたまがわ)は鳥取県倉吉市にある伝統的建造物群保存地区。通称は白壁土蔵群。国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。

こんな感じでクリックしたワードについて詳しく解説されたページが開きますよね。

このウイキペディアの原理を実際に「会話」で応用してみましょう。

(例)相手の発言
「私の好きな旅行先は沖縄です。美しいオーシャンビューに心を奪われます。」

クリックするようなイメージで下記の質問をしてみましょう!

・沖縄ってどんなところですか?
・オーシャンビューの写真はありますか?
・沖縄の名物はなんですか?

簡単ですね♪コツは相手の発言にリンクを貼ってクリックをするようなイメージで質問をしていく感じです。質問も自然と創ることができますよ。

それではここで練習問題をやってみましょう。

練習問題

「私は炭酸水をよく飲みます。その中でも、天然水スパークリングは強炭酸で刺激が持続するのでおススメです。」

この相手の発言(情報)に焦点を充てて質問を3個作ってみよう!

 

解答例
(質問を作ったら見てみましょう♪)

・天然水スパークリングはどこで売ってますか?
・炭酸水ってそのほかにありますか?

・炭酸水って健康にいいんですか?

練習問題をやってみていかがですか。難易度が高いと感じた人もいらっしゃったと思います。社会不安障害な傾向は会話を膨らませることに苦手意識がありますが、何度も実践することで、だんだんと克服できるようになります。ぜひ、少しずつトレーニングしてみてくださいね。

社会不安障害を克服!

今回ご紹介した、2つのコツはSSTという分野の中でもほんの一部です。実際は代表的なスキルが20種類ほどあります。いずれも人間関係をより良く、円滑にしていくためにも必要なスキルです。

孤独感を解消して人間関係を円滑に

次回は、社会不安障害の克服法「薬物療法」について解説していきます。

★ 社会不安障害は人間関係を円滑できるSSTで対処を

目次

①社会不安障害とは‐概観
②社会不安障害の症状を!
③対人恐怖心性の問題点
④原因「公的自己意識」とは
⑤「ソーシャルスキル不足」
⑥診断とチェック
⑦認知行動療法で症状を緩和
⑧「不安階層表練習」
⑨対処法「あるがままに」
⑩「ソーシャルスキルトレーニング」
⑪症状を改善する「薬物療法」

コメント

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・参考文献
河井大介(2014).ソーシャルメディア・パラドクス―ソーシャルメディア利用は友人関係を抑制し精神的健康を悪化させるか社会情報学, 3, 31-46.