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ストレスの仕組みを学ぼう

ストレスが生まれる仕組み!ラザルスのストレス理論とは②

コラム①では、ストレスの種類やストレスを強める原因やその発散・解消法を概観していきました。ここからは、1つ1つ具体的に見ていきましょう。

今回は、ストレス発生の理論である「ラザルスのストレス理論」について解説していきます。

ラザルスとストレス理論

米国カリフォルニア大学バークレイ校の心理学教授のR・S・ラザルス教授は、「ストレス」理論を提唱しました。

ストレスが発生する過程でいくつもの要素が絡み合っており、その要素を分類して理論化したものがストレス理論になります。以下の図をご覧ください。

ストレス 原因

少し難しいワードが入ってますが、それぞれのステップごとに説明していきます。

1.因果関係前件

ストレス 理論

まず第1のステップでは、「人的変数」と「環境的変数」の2つがあります。人的変数は、その人の価値観やその人の目標が挙げられます。環境的変数は、必要な資源がそろっているか、社会的な支持が得られているかといった点になります。

ここで、重要なポイントは個人と環境のあいだに人的変数の「目標」がなければ、ストレス反応は起きないということです。例えば、サッカーの試合をする時に、勝ち負けなんてどうでもいいと考えていれば、点を入れられても、負けても、ストレスを感じないということです。

その中で、価値観や目標を揺るがすような状況に遭遇した時に、ストレスとなりうるとして認識されます。

2.媒介過程

評価によって変わる

ラザルス教授は、心理的ストレスを「ある個人の資源に何か重荷を負わせるような、あるいは、それを超えるようなものとして評価された要求」と定義しています。

少し難しいので簡略化すると、その人のスキルや知識、経済的な余裕などを超えると評価された要求が、心理的ストレスだと考えてよいでしょう。

そして「媒介過程」とは、この外から入ってくる要求と、自分が持っている資源の間にある「主観的な評価」が入ってくるステップになります。この評価には、以下の2つがあります。

1.一次評価
その刺激が自分にとって有害、
もしくは脅威となるか

2.二次評価
その事態に対処できるか

という評価になります。一次評価で害にならないと判断した場合は、心理的ストレスは起こりません。有害と判断した場合には、さらにその状況に対処できるかどうかを評価していきます。そして、対処できなければ心理的ストレスが発生してしまうという感じです。

このように、媒介過程では自分が刺激をどうとらえるか、ストレスに対処できるかが重要になってくるのです。ちなみに評価は、無意識に行われる場合もあります。

3.直接的効果

ストレス反応

ストレス反応の短時間で情動的な結果を意味します。例えば、夫と妻の言い争い、学生が試験を受ける時、就職活動の面接など、単発で起こるようなストレス反応が起こります。

人の体は身の危険を感じた時に、「戦う」もしくは「逃げる」ために体を緊張させます。具体的には、心拍数が上昇することで、血流が良くなり全身の筋肉が緊張します。

その結果、運動機能を高めたり、脳の判断力や集中力がUPします。ただし、極度なストレスにさらされると、震えなど逆に体のパフォーマンスが低下することがあります。

4.長期的効果

精神的に悪影響

直接的効果のように一時的に起こるストレス反応ではなく、人生の中で長い期間にわたって影響する効果になります。数多くのストレス源にさらされ、その状況に順応できないような場合は長期的効果の影響を受けている可能性があります。

ストレス反応を長引かせると、無気力、うつ病などメンタルへルスに悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

ストレスの仕組みを覚えよう!

ストレス発生までの4つのステップはいかがだったでしょうか。自分の価値観や目標など、ストレスの原因となる要素は数多くあります。ただ、考え方とストレスの対処方法を学ぶことで、その悪影響を受けにくくなります。当コラムでは、対処方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

次回は、ストレスの原因「ストレッサー」について解説します。

★ストレスは4つのステップで現れる

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目次

①原因と症状を知ろう-概観
②ラザルスのストレス理論
③ストレッサー」の意味と種類
④考え方が原因「一次評価」とは
⑤対処行動を考える「二次評価」
⑥対処方法「コーピングスキル」
⑦種類!短期・長期のストレス反応
⑧ストレス診断とチェック!
⑨問題解決型コーピング
⑩情動焦点型コーピング
⑪症状の原因「認知のゆがみ」
⑫ソーシャルサポートを得よう
⑬身体的コーピング
⑭気晴らし型コーピング

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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R.S.ラザルス(1990)ストレスとコーピング-ラザルス理論への招待 星和書店 p19