>
>
>
アンガーマネジメント,怒りのコントロール入門-意味とは,診断,方法

アンガーマネジメント,怒りのコントロール入門-意味とは,診断,方法

はじめまして!公認心理師の川島です。
今回のテーマは
「アンガーマネジメント,怒りのコントロール」
です。


改善するお悩み
・怒りを制御できない
・イライラしやすい
・アンガーマネジメント力がない

全体の目次
・アンガーマネジメントの歴史と意味
・怒りと健康リスク
・簡易診断,チェック
・怒りのコントロール4つの方法

はじめに

怒りのコントロールは極めて重要です。なぜなら社会問題の70%ぐらいは怒りがもたらすからです。離婚、別れ、虐待、DV、パワハラ、犯罪、戦争これらの原因のほとんどに怒りが関連しています。

もしあなたが怒りをコントロールできないのであれば、今すぐアンガーマネジメントを学ぶことをおすすめします。なぜならアンガーマネジメントは大事な人を守ると共に、あなた自身を守ることになるからです。

是非最後までご一読ください。

アンガーマネジメント 6秒ルール

歴史,意味とは

歴史

アンガーマネジメントとが本格的に、心理療法の一環としてトレーニングされはじめたのは、1070年代です。米国の Novaco(1975)によって提唱された「怒りを予防・制御するための心理的対処力」からはじまりました。レイモンド・ノヴァコ,アンガーマネジメント

現在ではアメリカ全土の教育機関や企業でも導入されており、日本でも徐々に浸透してきました。歴史について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。

・犯罪者の矯正プログラム

*1970年代から発展
アンガーマネジメントは1970年代のアメリカで発展してきました。主にDVやマイノリティ、軽犯罪者に向けたメンタルヘルスプログラムから発展して来たという説が有力となっています。

・健康増進教育

*KYBとは何か
米国では、1970 年代に 「The Know Your Body HealthPromotion System(KYB)」と呼ばれる健康増進教育プログラムが開発されました。

これは、幼稚園から中学 3 年生を対象とした、学年ごとに獲得すべき行動スキルの内容を示した予防教育プログラムです。

その中の教育テーマのひとつ、「ストレス」に対する行動目標の中には、「怒りの感情をコントロールする方法を学ぶ」と記されています。

・日本での普及状況

日本ではアメリカほど普及していませんが、日本のようにストレスが多い社会では、イライラをコントロールする術は日常生活をスムーズに送るうえでキーポイントになります。

日本の学校教育においては、国語や道徳、総合活動、特別活動の際に学習する機会があります(本田、2002)。

怒りのコントロール

例えば、中学校学習指導要領解説道徳編(2008)の中では、「礼儀の意義を理解し、時と場に応じた適切な言動をとる」ことが内容のひとつとしてあげられており、その解説の中では「心情面を整えることで形として外に表すことができるようになることもある」と記載されています。

さらに文部科学省(2011)は、「アンガーマネジメントを感情理解教育」とし、児童・生徒のうちから学ぶべきスキルとして推奨しています。

子どもたち自身が怒りの感情とうまく付き合う方法、すなわちアンガーマネジメントを習得し、実践することができれば、暴力行為を止められる手段となりうると考えられています。

上記のようにアンガーマネジメントは、犯罪防止のために生まれ、現在では欧米を中心に広がりを見せています。日本でも徐々に取り入れられつつあるので、今後ますます一般的なテクニックとなっていくでしょう。

 

定義

アンガーマネジメントには様々な定義があります。

怒りを予防・制御するための心理療法プログラム 不適切な怒りの感情をうまくコントロールすることを目指す Novaco(1975)

“感情”の中でとくにマイナスな結果を引き起こす原因となる“怒り”に正しく対処することで、健全な人間関係をつくり上げる知識・技術を習得するということ 安藤(2015)

怒りは人生を破壊的にする感情です。本当に必要な時以外は、コントロールする必要があります。アンガーマネジメントはそのような必要性から発展してきました。

 

イライラする原因

怒りと健康への悪影響

現在の生理学、心理学的な研究によると、アンガーマネジメントができないと様々なマイナスの影響があることがわかっています。以下折りたたんで記載をしたので、興味がある研究がありましたら展開してみてください。

・脳と体の仕組み
まずは怒りと生理的なメカニズムについて解説していきます。

怒りは
①対人場面に遭遇
②怒り思考
③偏桃体が反応
④交感神経が活発

というプロセスで起こります。対人場面に遭遇し、理不尽な扱いを受けた方がいたとえいます。すると「扁桃体(へんとうたい)」が反応します。扁桃体は以下の部位に位置しています。

赤面症とは

偏桃体は怒り、恐怖、不安を感じる脳の部位で原始的な脳と言われています。危機を感じると、扁桃体が活発になり、合理的な判断がしにくくなります。

・交感神経とは? 
偏桃体が反応すると、「自律神経」が対応を始めます。自律神経には2種類あり、それぞれ以下のような働きがあります。

交感神経 ・・・緊張する、活力を上げる、心拍数が上がる
副交感神経・・・リラックス、休息する、心拍数が下がる

怒りを感じている時は体が「交感神経」が優位になっています。体の反応が高まる中で心臓の鼓動が早くなり、血流や血圧が高まっていくのです。

これは体が戦いの準備を始めているサインになります。うまく制御できないと、暴言や暴力へと発展していきます。

井澤等(2004)は「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」において、怒りと生理的な影響について研究を行いました。

男子大学生20名に対して調査をしたところ、衝動的な怒り情動を表す「短気」が、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と関連を示す結果が得られました。

怒りに関する例の表

アンガーマネジメントができない人、いわゆる短気・敵意的な人は、日常場面でも怒り喚起時に高い心臓血管反応性を示し、その結果,冠動脈疾患に罹患しやすい可能性があることがわかったのです。

横山(2014)はうつ病と関連して、“怒り発作”の概念を取り上げています。“怒り発作”とは、

・過去6か月間、イライラ感が確認される
・ちょっとした煩わしい出来事に過剰に反応する
・過去1ヶ月間に1回以上の怒り発作がある
・怒り発作が自分の本来の
   性格とは合わないものと感じている

などの条件により定義されます。こうした突然怒りの表出を表す人は、うつ病を伴う比率が高いとされています。

他にも、双極性障害(いわゆる躁うつ病)や若年性認知症においても、それまでの性格では考えられない激しい怒りを伴うことが知られています。

突発的に怒りやすくなった場合は、精神疾患の可能性も視野に入れておく必要もあるのです。精神疾患の場合は、心理療法や薬物療法などの視野に入れて改善していくことになります。

アンガーマネジメント診断

ここから先はアンガーマネジメント力を高めるトレーニング手法をお伝えします。成果を把握するために簡易診断を作成しました。定期的にご活用ください。

アンガーマネジメント手法4つ

ここからは、アンガーマネジメントのやり方を4つ提案させて頂きます。ご自身にあった内容があればクリックして試してみてください。

・マインドフルネス力をつける
・相手への期待値を下げる
・他責思考の改善
・6秒の怒りの壁‐深呼吸法

①マインドフルネス力をつける

怒りに自覚が無い事が原因の場合、怒りの種にまずは気が付き対処していくことが必要です。

実は「怒り」は感情としては後に来ることに多く、その手前に様々な段階を踏むことが多いのです。具体的には、以下の3段階で感情はステップアップしていきます。

ステップ1 疑念   混乱 疑惑
ステップ2 不快 不満 イライラ
ステップ3 攻撃  敵意  怒り

大事なことは、まずは自分がこの3つのレベルのどこに当てはまるのか?気が付くことが大事になります。この「気が付く」姿勢はマインドフルネスと言います。

普段自分の感情に無頓着だ…という方は以下のコラムを参照ください。

アンガーマネジメントのコツ「怒りの種に気が付く」

②相手への期待値を下げる

相手への期待値が高い人は、「裏切られた!」という気持ちが強くなってしまいます。そこで、「○○してくれたらいいな」ぐらいの期待感にとどめておきましょう。

期待するのは自分の自由ですが、それに応えるかどうかは相手が決めることです。そのため、相手の行動を縛りすぎずに自由を認めることが大切です。

周りの人へ期待してしまうことが多い方は下記を参照ください。

「怒りの正体は相手への期待」

③他責を改善する

アンガーマネジメントができない方は、その怒りの裏側に、『他責的な考え』があり、何か問題があった場合に、相手の責任に関連づけて考えてしまうのです。

「他責的な考え」→「怒り」

という流れが成立するのです。認知療法ではこのような他責的な考えを「柔らかい考え」に改善する練習をしていきます。練習問題を解きながらアンガーマネジメントを考えてみましょう。

「他責思考の改善」

アンガーマネジメント 診断

④深呼吸法

深呼吸法は感情コントロールの王様です。是非マスターしたいところです。深呼吸は副交感神経の働きを高め、感情をコントロールをさせる効果があります。

シンプルにやると、感情的になっているときは、おなかで息をしっかり吸って、鼻から息を吐くようにしましょう。これを1分間続けるだけで、かなり落ちつかせることができます。

感情的になったらまずは深呼吸!と覚えておきましょう。詳しくは以下のコラムで練習してみてください。

深呼吸法

アンガーマネジメントの資格・講座・研修

実際に専門家から学びたい方は下記を参照ください。

心理学講座・人間関係講座

感情コントロール手法を専門家の指導の元に学びたい場合、弊社の講座もオススメです。 私たち公認心理師・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、心理学講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。

日本アンガーマネジメント協会が有名

アンガーマネジメントの資格や講座を行っているのは日本アンガーマネジメント協会が有名です。希望者はアメリカの認定資格を取得することができます。

研修はリクルートマネジメントスクール

アンガーマネジメントが学べる研修として就職会社で有名なリクルートが運営する「リクルートマネジメントスクール」があるようです。

アンガーマネジメントの研修・講座・資格について詳しく知りたいという方は下記をご参照ください。
アンガーマネジメントの資格・講座・研修まとめ

 

助け合い掲示板

1件のコメント

コメントを残す

    • ひかり
    • 2019年8月28日 10:41 AM

    私は相手への期待が高い傾向にありますね。
    ある程度は相手への期待値を下げようと思います。
    自分の感情を観察して深呼吸法で怒りをコントロールして、健康面・心理面の安定を保てるようになりたいと思っています。

    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

出典・参考文献
・Novaco, R.W. (1975) Anger Control: The Development and Evaluation of an Experimental Treatment. Lexington Books, Lexington.
・井澤修平・長野祐一郎・依田麻子・児玉昌久・野村忍 2004 敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連 生理心理学と精神生理学,22(3)215-224 早稲田大学