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会話について精神保健福祉士が徹底解説

会話入門コラム①精神保健福祉士が徹底解説

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「会話」についてお話していきます。

・会話をよくしたい
・会話が続かない
・沈黙が多い
・恋人ができない

など会話に悩む方向けに書かせて頂きます。入門コラムの目次は以下の通りです。    

全部読むと10分ぐらいかかってしまいます・・・ええっ10分も??めどくさいなあ~と感じるかもしれません。ただ会話は皆さんの人生すべてに関わるものです。ぜひ改めて「会話」とは何か?についてしっかり向き合っていきましょう。

一日の会話量は?

さてここで質問です。皆さんは一日にどれくらい会話をしていますか?

会議や雑談、SNS、電話、そしてメールなども含めての時間数です。ちなみに、私は大体5時間前後だと思います。SNSやメールなどを除いた、対人コミュニケーションは平均すると3時間くらいでしょうか。

2017年小磯・渡部・土屋・横森・相澤・伝らが243人・729日分の総会話数を対象に行った「一日の会話行動に関する国立国語研究所の統計」によると、驚くべきことに、一日の会話量の平均は6時間という結果になっています。国立国語研究所の統計による一日の会話の時間

また、会話の約6割雑談に費やしていることがわかりました。国立研究所による1日の会話の形式についての研究かなり多くの人が、1日のなかで会話、特に雑談に時間を使っているのがわかります。

会話のない生活と死亡率

このように私たちは相当な時間を雑談に費やしていることがお分かり頂けたと思いますが、もしここで、会話のない孤独な生活になってしまったらどのような影響が出てくるのでしょうか。

斉藤・近藤ら愛知老年学的評価研究グループは、愛知県の高齢者、12,000人を対象に「高齢者の交流頻度と孤独感」についての研究から見ていきましょう。

会話などによる交流の頻度による死亡率と認知症その結果、

月にほとんど交流がない人
毎日のように交流がある人より
死亡率が高い

月にほとんど交流がない人
毎日のように交流がある人はより
認知症率が高いことが分かったのです。

世界的に見ても会話がなく孤立している状況の方はメンタルヘルスや健康状態が悪い傾向にあります。原因としては大きく2点あげられます。1つは周りの方の援助が受けにくくなるということです。例えば病気になったときに、社会的なつながりが多くある方は発見される速度がとても速いのです。

友人の数と成功者の関係

人間関係をより多く築くことが、社会的孤立を無くし日々を充実させる事がお分かり頂けたと思いますが、人生を成功に導くうえでも会話の量がとても大切な事をここでお伝えしたいと思います。

こちらは、平成25年に実施された内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(内閣府)」から引用した図です。「友人の数」が「自分の将来への希望」にどのように影響しているかまとめられています。

友人が多いほど、将来に希望があると回答した人数が多いのがわかります。ざっと見ると6人以上に壁があるようなので、6人以上の友人が1つの指標になりそうですね。この統計から
「会話をする→友達が多い→希望を持つ」
という循環がある事が推測できます。

会話を良好にするために必要なもの

このように会話は人生を決定づけると言っていいほど、私たちが生きていくうえで本質的なものだと言えます。では、会話を築く力を高めるにはどうすればいいのでしょうか?

会話を良好にするためのポイントは以下の4つです。

①傾聴スキル
②発話スキル
③非言語コミュニケーション
④心理的健康

ここから1つずつ確認していきましょう。

①傾聴スキル

私たちの会話は、極論すると「傾聴」「発話」のどちらかをしています。そのため会話上手を目指すなら、傾聴スキルと発話スキルの2つをしっかりできるようになればいいのです。では「傾聴」にはどのようなスキルがあるのでしょうか?普段私たちは、適当に会話をしているようで実は10種類ぐらいのスキルを使って会話をしています。会話力を付ける発話スキルを解説具体的には、以下のようなスキルが上げられます。

・相槌の技術
・事実・感情のオウム返し
・感情のオウム返し
・言い換えのオウム返し
・かなり言い替えたオウム返し

・適切な自己開示
・5W質問
・感情の質問
・名詞的肯定返し
・人間性肯定返し

え!これ全部マスターするの?と思われるかもしれないですが、とりあえずは重要なものをクリアできればいいと思います。詳しくは、次回以降のコラムで解説していきます。

②発話スキル

会話では「傾聴」だけでなく「発話」も大変重要になってきます。最近巷では傾聴系の本がよく売れているように傾聴も確かに大事なのです。しかし、それと同じぐらい発話は大切です。

以下の図は「マルトンとテイラーの六分円」と言われる図です。

会話入門

六分円は会話を表しています。外側 が「表面的な会話」内側に向けて「やや踏み込んだ会話」「人に言えないような深い会話」となり、矢印 は「自己開示の深さ」を表しています。

六分円を見ると、関係の段階に応じて自己開示の深さと会話に変化がでるのが分かると思います。まずは、浅い自己開示からはじめて、徐々に深くしていくことで、会話が自然と続くようになります。ポイントは「お互いの自己開示のバランス」です。

会話では、お互いの自己開示が非常に重要になるため、この点をしっかり考慮して発話スキルを実践する事が大切です。

具体的な、発話スキルは、

・5W1H発話
・自分へ質問法
・感情表現法
・繰り返し表現
・~ぐらい法
・ウイキペディア発話法
・3×3発話法

などが重要になってきます。

③非言語コミュニケーション

非言語コミュニケーションは言語コミュニケーションよりも広範な意味を含んでいます。言語と非言語を図解すると次のようになります。会話に必要な非言語コミュニケーション二ついて解説しています非言語コミュニケーションは、表情、空間、姿勢など様々あり、特に直接の対人コミュニケーションで俄然威力を発揮します。例えば、同じオウム返しでも、以下の2つを比べた場合どちらに好印象を持つでしょう?

話し手                      話して
鳥取砂丘いったよ!楽しかった         鳥取砂丘行ったよ!楽しかった

聞き手
へえ~楽しかったんだね・・・        楽しかったんだ~!
(暗い表情  イラスト)           (楽しそうに聞く いらすと)

言うまでもなく、左側の方が印象がいいと言えます。言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションは掛け算のような関係です。「楽しかった」というポジティブな表現でも、非言語コミュニケーションが死んでいると効果は減退してしまうのです。会話力を高めるうえでは、非言語をしっかり考えていく必要があります。

④心理的健康とは?

会話を良好にするためには、その土台である心理的な安定をしっかり作ることが大切です。

例えば「対人不安」が強いと、孤独感やソーシャルスキルが低下することが分かっています。皆さんも、元気な時と落ち込んでいるときでは、会話の在り方が変わると思います。会話は心理的な問題と深いかかわりがあるため、心構えがとても大切です。

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!


会話は改善できる!

このように会話は「心理的健康、傾聴スキル、発話スキル、非言語コミュニケーション力」をつけると向上していきます。では、会話を築けるようになる力は改善できるのか?という問題です。ここで、私が大学院で行った研究を紹介させてください。

研究では、会話について100名ほどを対象に効果分析を行いました。下記の図は、会話が続かないなど発話を苦手とする方と一般的な方のトレーニングによる効果分析です。発話が苦手な方(オレンジ色)にはトレーニングを実施し、一般的な方(青色)には、トレーニングを行いませんでした。

トレーニング後は、発話が苦手な方も一般の方とほぼ同じレベルに達しているのが分かります。

会話力は改善できるのかを研究結果を元に解説しています

このような傾向は、傾聴スキルでも同じように得られました。

会話について傾聴スキルの効果分析から解析しています実は、この研究では脱落率が70%ほどありました。しかし、会話のトレーニングをしっかりした方は、結果を残せていました。筋トレと同様、しっかりと練習を重ねれば会話力をつけることができると言えます。

会話入門コラムまとめ

このように 会話を築くことができるようになるには、

①傾聴スキル
②発話スキル
③非言語コミュニケーション
④心理的健康

の4つが大事になります。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!会話をつけるこことは確かに簡単ではありません。私も本当に苦労しました。でも自分に合ったスキルをつけると今までよりも会話がよくなったり、仕事がしやすくなったり、本当に努力してよかったと感じています。

今度は私たち講師陣が皆さんに様々な有益な情報を提供する番です。1人でも多くの方がコミュニケーションに関する正しい理解をして、暖かい会話を築ける方が増えて豊かで暖かい社会ができることを願っています。ここから先のコラムは会話を発展させる各論へと入っていきます♪興味がある方はぜひご一読くださいませ。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考資料
国⽴国語研究所「⽇常会話コーパス」プロジェクト報告書 1 一日の会話行動に関する調査報告
平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 生活環境と個性が友人数に与える影響(内閣府))http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf/b3_3.pdf
末田清子・福田浩子(2003) 「コミュニケーション学―その展望と視点」P142
相川充・藤田正美(2005)「成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成」『東京学芸大学紀要 第1部門』, 56, 87-93.  
相川充・藤田正美・田中健吾(2007)「ソーシャルスキル不足と抑うつ・孤独感・対人不安の関連:脆弱性モデルの再検討」『社会心理学研究』, 23, 95-103.
目白大学大学院 現代心理学専攻 川島達史 2013 修士論文
好感をもたらす非言語コミュニケーションに関する研究  目白大学大学院 現代心理学専攻 梅野利奈 2015 修士論文