共感力トレーニング‐「自己開示」で話しやすい雰囲気
共感力コラム⑤では、共感力を高める「いったん相手になる法」について解説をしました。今回は、共感力を示す方法「自己開示」について解説をします。
自己開示とは何か?
まずは自己開示の意味から解説していきます。自己開示とは簡単に言えば、
「自分のことをオープンに話す」
ことです。
例えば、自分の出身地、好きな食べ物、趣味、家族構成など自分自身のこと伝えることを意味します。共感力が少ない人は、相手の悩みに対して自己開示ができていないことが多いです。
一見すると、自己開示は自分を主語にした話し方なので、共感とはかけ離れた印象があります。しかし、自分の話しをすることで「その気持ち、私もわかるよ」というメッセージを投げかけることができます。
自己開示で理解を誘う
特に悩みの相談は、深い自分をさらけ出すことになります。
あなた自身も自己開示をすると、お互いの深い部分を理解しあえた!という気持ちになり心が軽くなります。
①自己開示と共感の例
例えば、相手が以下のように悩みを打ち明けてくれたとします。
「このまえ、上司の前でプレゼンがあったんだけど、めちゃめちゃあがってしまったんだ・・・頑張って話そう!と思うほど緊張が強くなっちゃって30秒ぐらい硬直してしまった。ああ・・・もう評価だだ下がりだよ・・・つらい・・」
言い換えると、共感とはちゃんと自分を保ちながら、相手の世界観を充分理解しようとする姿勢を大事にします。
この時、ただ相手を励ますだけでなく自己開示も含めることで相手に共感を示すことができます。例としては、以下のように返していくと良いでしょう。
「上司がいると委縮しちゃうよね。僕も以前、真っ赤になった経験があるので、めちゃめちゃ気持ちがわかる!」
人は自分だけの不幸を感じると、ひどく落ち込んだり、不安感に襲われたりします。
そこで、「あなただけじゃないよ」という意味で自己開示を挟むことで、相手に共感できるだけでなく、安心感も与えることができます。
練習問題で習得しよう
それでは自己開示を使って相手に共感を示す練習問題に取り組んで見ましょう。
以下に悩みをもらした人の例を挙げていきますので、自分の話を交えて共感してみてください。
問題①
いつも上司に怒られてばかりで情けない気持ちになるよ。
はぁ…明日も仕事か。
解決策
自己開示をして共感する
⇒「確かに怒られてばかりだと気が滅入るよね。
私も最初はミスが多くてよく叱られた。
もっと仕事ができたらなと思っちゃうよね。」
*解説
『私も最初はミスが多くてよく叱られた』と自己開示をして共感を示していますね。自分の体験談を伝えることで自分だけじゃないんだ、という安心感を与えることができます。
問題②
昨日を彼女にフラれちゃった。大好きだったのにもう会えないと
思うと涙が止まらないよ。
解決策
自己開示をして共感する
⇒「大好きなほどつらいよね。僕も結婚前提でお付き合いしていたパートナーに振られてひどく落ち込んだ経験があるよ。そんな時は、相手が頭から離れないよね。」
*解説
『僕も結婚前提でお付き合いしていた。パートナーにフラれた』と自己開示しています。同じ悩みを共有することで、深い共感を示すことができます。
問題③
第一志望の大学に落ちた…。
何ヶ月も勉強したのに。
もうショックで立ち直れないよ。
解決策
自己開示をして共感する
⇒「何ヶ月も前から勉強したのに不合格だと落ち込むよね…。僕も高校受験のときに、面接で不合格にされたことがあってね。当時は何日間も立ち直れなかったよ。」
*解説
『高校受験のときに、面接で不合格にされた』と自己開示しています。ポイントは全く同じ悩みでなくてもよいという事です。
自分が第一志望の大学に受かっていたとしても、高校受験で失敗をしていれば共感をし示すことができるのです。
まとめと関連コラム
まとめ
練習問題はいかがでしたか。相手の気持ちに対して自己開示をすることで、「1人じゃないんだ」と感じさせることができます。
自分が同じような状況を経験していれば、そこから相手に共感するようにしましょう。過去の体験で、誰かの心が救われることもありますよ。
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自己開示をしよう!といっても、一朝一夕で出来るようになるものでもありません。少しずつ練習したり、習慣にしていく必要があります。
そこで、練習方法や具体的な理論を知りたい方は下記をご参照ください。
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