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引っ込み思案は「行動療法」で克服!

引っ込み思案は「行動療法」で克服できる③

コラム②では、引っ込み思案が強い原因の1つ「否定的に考え方が偏ってしまう」の対処法として認知療法を紹介しました。自分の考え方を客観的に捉えて、柔軟な思考を身に付けてくださいね。

今回は、引っ込み思案を克服する方法の1つ「系統的脱感作法」について解説します。なお、あるがまま療法は東洋的な考え方が入っており、今回ご紹介する方法とは少し方向性が変わってくるので、自分に適したものを取り入れてみてください。

また少し難易度が高い心理療法なので、症状が深刻化している方は実施せずに知識として頭に入れておく程度にしてみてください。

 

視線恐怖症を改善する考え方

引っ込み思案を徐々に変えていく

引っ込み思案が克服できない原因としては、「短期間で克服しようとしてしまう」ことが挙げられます。「すぐに打ち解けられるようになる」「初対面の人と話す時は笑顔でいなきゃ」といった初めから大きすぎる目標を掲げてしまうことがあります。

そこで、適切な解決策として、精神科医ジョセフ・ウォルピが提唱した系統的脱感作法が活用できます。これは強迫性障害や恐怖症に対する治療法で、少しずつ恐怖にチャレンジしていく治療法です。

系統的脱感作の前提には逆制止という原理があります。逆制止とは、恐怖や不安が現れた際に、反対の感情を起こすことで、恐怖や不安が少なくなるというものです。他人と話すのが不安という引っ込み思案の克服法にはこの逆制止を活用した系統的脱感作が効果的なのです。

リラックス法で緊張緩和

生月・田上(2003)の研究では、対人恐怖の症状は、見られること=恐怖という反応を習慣的に刷り込まれた状態であり、恐怖を和らげる反応(リラックス)のトレーニングを繰り返し行うことで、他人からの視線を感じても恐怖反応が少なくなると考えられる。とされています。

さらにシンプルに言うと、

引っ込み思案を和らげるために、リラックスした心と身体を作ろう!

というわけです。ここから、引っ込み思案を軽減するために、行動療法の原理を使った克服法をご紹介していきます。視線恐怖症の症例について解説

引っ込み思案を克服する流れ

系統的脱感作法を行う際には、まず不安階層表の作成からはじめます。不安階層表とは、不安や恐怖が現れる場面を想定して、各場面について、どれほど不安や恐怖を感じるか点数をつけ、段階こどに並べた表のことです。

まず、最も不安が起こる場面を5点と設定し、そこから順に不安の小さい場面を挙げていきます。そして、不安の小さいものから実際に行動していき、克服を目指していきす。不安階層表を作ると、引っ込み思案の克服が現実的になり、目標までのステップが明確になります。

【不安階層表】

また、不安階層表を実行する際には、リラックスした状態を作ることが大切です。

 【リラクゼーション】

リラクゼーションには、腹式呼吸でゆっくりと呼吸をしてみる「呼吸法」と頭から足の先まで順番に力を抜いてゆく「弛緩訓練法」などがあります。

不安階層表を実行していくと、強い不安を感じる瞬間がありますが、リラクゼーションで緊張をほぐすことで、最終的には落ち着いて行動することができます。1つずつ、イメージしていきましょう。

実践!引っ込み思案を克服しよう

では、実際に例題をもとに「系統的脱感作法」を実践してみましょう。なおこのワークは個人差があるので、症状が深刻な方は参考にして、臨床心理士か精神科医の指導のもと行ってみてください。

例題
「異性に自分から話しかけられない」ケース
 小さなゴールを5段階に分割するとどうなるでしょうか?

スモールステップ

1.
2.
3.
4.
5.

 

解答例
「異性に自分から話しかけられない」ケース

スモールステップ

1:母に自分から話しかける
2:おばあちゃんに話しかける
3:異性の先生や上司に話しかける
4:服屋さんで異性の店員に話しかける
5:異性に自分から話しかける

出来ましたか?

恐怖心の少ない順番に、リラクゼーションのやり方のように、リラックスした状態をイメージしながら行っていくのがポイントです。

引っ込み思案は1歩ずつ克服!

このように、引っ込み思案を克服してゆくには、すぐに解決しようとしてしまうことが、かえって恐怖心を強めてしまうことがわかりましたね。

「他人」と「恐怖」が結びついた状態=引っ込み思案と考えられるため、これを改善していくためには、はじめから大きな変化を目指すのではなく、スモールステップとリラクゼーションで少しづつ慣らしていくことが大切です。

最初は難しいと思うので、自分のペースで丁寧に、試してみてくださいね。次回は、引っ込み思案に対処する方法の3つ目「マインドフルネス」についてご紹介します。お楽しみに!

★引っ込み思案の克服は一歩ずつ!小さなステップを乗り越えよう!

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