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社会脳とは?意味・機能を解説

社会脳とは?意味や機能、脳ネットワークの解説①

対人コミュニケーションに関する脳機能は、大変複雑です。特定の脳領域だけではなく、いくつかの脳領域が使用されます。これらの脳領域を「社会脳」と呼びます。今回は、対人コミュニケーションに関する脳機能「社会脳」について解説していきます。

社会脳とは?

社会脳とは、表情や他人の動きなどの社会的知覚や認知を引き起こす領域(Brothers,1990)と定義されています。つまり社会脳は、相手の言葉や行動から相手の意図を予測する機能を担っているのです。

脳領域と機能

脳に関する研究では、90年代から脳画像研究などが盛んになり、「扁桃体、島皮質、側頭葉、側頭葉と頭頂葉の境界、帯状回、帯状回後部」が社会脳に関与することが確認されています。またそれぞれの脳領域には、異なる機能があります。

たとえば、
側頭葉―後頭葉
人の顔や表情の認知、記憶
扁桃体
恐怖など強い感情の認知
内側前頭前野
感情を調節しつつ相手に合わせる

他者に共感する

脳領域の図

出典:kennedy & Adolphs(2012)p.559-572

そして脳領域は、障害されるとそれぞれに症状が出てきます。たとえば、顔の認知や記憶をする「側頭葉―後頭葉」では、人の顔を覚えられないなど、相貌失認(そうぼうしつにん)の症状が出ます。

脳のネットワーク

脳領域はそれぞれに異なる機能をもっていますが、単独で説明できないことがこれまでの研究で分かっています。近年では、複数の脳領域のネットワークが相互に関わり、社会脳に関与していること確認されています。以下は代表的な脳ネットワークです。

偏桃体ネットワーク
社会的刺激への情動反応、社会的神話的な行動
メンタライジングネットワーク
他者の内的状況を推測する、忖度する
共感ネットワーク
他者との共感
ミラーリングネットワーク
他者の行動・情動表出の観察
(kennedy & Adolphs, 2012)

脳ネットワーク

出典:kennedy & Adolphs(2012)による図を一部修正

脳ネットワークの中でも「メンタライジングネットワーク」は、空気を読むために重要とされています。

メンタライジングとは、他者のこころの状態(欲望、意図、信念)を推測することで相手の行動を説明し、予測することをいいます(Firth & Firth, 2003)。この機能を使うことで、相手とのやりとりで他者を欺いたり、だましたり、教えたり、説得することができるのです。メンタライジングに関わる脳領域

出典:Frith, U., & Frith, C. D. (2003)を参考に作成

今回は対人コミュニケーションの脳領域「社会脳」についてご紹介しました。

★対人コミュニケーションの脳領域「社会脳」知ろう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・Brothers, L. (1990). The neural basis of primate social communication. Motivation and emotion, 14(2), 81-91.
・Frith, U., & Frith, C. D. (2003). Development and neurophysiology of mentalizing. Philosophical Transactions of the Royal Society of London. Series B: Biological Sciences, 358(1431), 459-473.
・Kennedy, D. P., & Adolphs, R. (2012). The social brain in psychiatric and neurological disorders. Trends in cognitive sciences, 16(11), 559-572.