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信頼関係を構築する方法「無条件の肯定が基本」④

信頼関係を構築する方法「無条件の肯定が基本」④

コラム①では、信頼関係について概観していきました。コラム③からは具体的な構築法を解説していきます。軽くおさらいすると、「①裏切られるまで信じる法」「②無条件の肯定的ストローク」「③自己開示を大事にしよう」の3つでしたね。

今回は、信頼関係を築く方法「②無条件の肯定的ストローク」について解説していきます。

ストロークとは?

心理学では、人との関わり方のことを「ストローク」と呼ぶことがあります。

佐野(2015)ではストロークについての定義が解説されています。Berne.E(1964)が提唱したストロークの根源的な概念は、英語のstroke「撫でる」 という文字どおりの「親密な身体的接触」を意味するとされています。そして、この親密な身体的接触の意味を分かりやすくしてBerneはストロークを、

「他者の存在の承認を意味する全ての行為」

と定義しました。 バーンは原始的な関わり方である「親密な身体的接触」を獲得していくことこそが、人間が生命を維持するための命題と考え、人はあらゆる方法用いて、その接触を図ろうと行動するとしています。人は本能的に信頼関係を構築したいと思うのですね。

さらに、このストロークには肯定的と否定的に分けることができます。以下の図をご覧ください。

ストロークとは

肯定的ストロークでは、肉体、心理、言葉のいずれも相手の存在を承認する内容が書かれています。一方で、否定的ストロークでは、暴力や暴言といった相手を攻撃するような関わり方になっていますね。

また、肯定的ストロークにもレベルがあります。以下の図は、日常でよく見られるコミュニケーションを例に承認のレベルを表したものです。

対人関係 うまくいく

こんにちは!とあいさつするだけでは、なかなか信頼関係が構築できませんよね。そこで、相手の「感情」や「個性」に目を向けて質問していくと承認のレベルを高めていくことができます。

無条件の肯定と信頼関係

条件付き肯定的ストローク
条件付きとは、成功した・達成したから褒めるというストロークです。例えば、「100点を取ったからすごい」、「受かったからすごい」これらは条件付きのストロークです。どちらかというと、「結果」に目が向いています。

「無」条件の肯定的ストローク
一方で、無条件の肯定的ストロークは、結果に左右されず、存在自体、ありのままの姿を肯定するストロークを意味します。「挑戦したのはすごい」「乗り越えようとしていること自体素晴らしい」「努力できたことは誇れる」このようにありのままの相手を褒めるのですね。

エリックバーンは、無条件のストロークを大切にしましょうと説いています。条件付きストロークが完全にNGということではありませんが、何かしてくれたら肯定するばかりでは、信頼関係を構築するのは難しいでしょう。

+α、相手をそのまま受け入れる無条件の肯定的ストロークを取り入れることで、信頼関係を高めることができます。

無条件のストローク>条件付きストローク>否定的ストローク
ということを意識しながら信頼関係を構築していきましょう。

実践!ストロークトレーニング

それではここで、信頼関係を構築するために、正のストロークの練習問題に取り組んでみましょう。

練習問題①
Aさんは必死に勉強した末、英検2級を合格しました。現在では外国人と遜色なく話すことができます。

無条件の肯定的ストローク 




解答例

・必死に勉強できるってすごいね。
・英検2級を受ける向上心を見習いたい
・英語に興味を持つなんて好奇心旺盛だね。

 

練習問題②

Bさんはサッカー大会で負けてしまいました。今までの努力が水の泡になったように感じています。

 

無条件肯定的ストローク


解答例
・試合のために努力できるBさんはすごい
・最後まで諦めなかった姿勢を見習いたい
・負けを悔しがるほど、情熱を注げるものを見つけたい

無条件の肯定で信頼関係UP

練習問題はいかがでしたか。無条件の肯定的ストロークは、理由がなくても自分や相手の存在を認める言動です。信頼関係を構築するには、ありのままの相手を認めることが大切です。

どんなにミスをしたり、挫折をしたとしても、「プロセス」に注目することができれば、相手を肯定的に見ることができます。人はチャレンジをするだけで素晴らしいという考えを持って、肯定し信頼関係を作っていきましょう。

★肯定的ストロークで自分を肯定!自信を高めよう

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目次

①信頼関係を築く方法
②診断とチェック
③裏切られるまで信じる法
④「無条件の肯定が基本」
⑤「自己開示」の重要性

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
鉅鹿健吉 2002 「うつ」に対する心理教育的カウンセリングの3事例-「I’m OK」「プラス思考」をキーワードにして. 国立看護大学校紀要 1 (1), 35-40.
佐藤(2015)若者の社会的関係における主張行動の一考察 ─交流分析におけるストローク理論を手がかりに─
杉田(1985)「交流分析」日本文化科学者 90p
白井ら(1981)「死と闘う人々に学ぶ」医学書院 38p