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笑うことを無理するとストレス過多に

笑うは少し増えればOK「笑顔と心の関係」④

コラム③では、笑う練習で目標達成をするため「スモールステップ計画表」についてご紹介しました。今回は「笑うは少し増えればOK」について解説します。

無理して笑う問題・「感情労働」とは

皆さんは辛い時などには、ネガティブな気持ちを紛らわせるために、笑顔をつくっていませんか。無理して笑うことはメンタルヘルスに悪影響を与えることが心理学の研究で分かっています。

笑うと心の関係を、心理学で近年研究が盛んに行われている「感情労働」から見ていきましょう。

感情労働とは
「本来の感情を抑えて行う職場労働」
の事です。社会学者A・R・ホッシールドが提唱した理論で「Emotional Labor」という言葉からきています。感情労働になりやすい職種には、

・看護職
・秘書業務
・集金関連

・接客業
・クレーム担当

などがあげられます。こうした職業では、本来とは違う感情を作りだして仕事を行うため「本当の感情」と「実際に表現する感情(表層演技・深層演技)」に乖離(かいり)が生じる事が多くなります。こうした心理状態が長く続くと、精神的な苦痛を感じるため肉体疲労以上のストレスを溜め込でしまう可能性もあります。

無理して笑うことの問題感情の乖離は、普段の生活でも多少からずありますが状態が長期化すると、大きなストレスを抱えてしまいます。心の安定を図るには自分本来の感情を大切にして過ごすことが大切なのです。

・笑う事に疲れた…要注意!

感情の乖離の大きな問題点は「本来はネガティブの感情」にもかかわらず「ポジティブな表現」する必要がある時です。

例えば、
・長年連れ添った愛犬が亡くなった・・・
 翌朝、会社では笑顔で挨拶をしなければならない。

・クレーム対応をして気分が沈んでいる・・・
 数分後の接客では笑う事を意識しなければならない。

・失恋をしてとても悲しい・・・
   明日の発表会で笑う表情が欠かせない…。

こんな辛い状況でも笑うことを意識するというのは、かなりストレスフルになることは想像できるでしょう。

ネガティブな心理状況でも、笑顔を崩してはならない事はあるかと思います。しかしこの状態が長期化すると、人と会うことにも苦痛を感じてしまいます。常に笑う表情を要求される職業や環境で生活している人で、笑顔に疲れを感じている場合は要注意です。

・笑う表情は20%増えればOK!

ネガティブな感情が強い状況で、笑う表情が求められる場面では、どのような対処をすると良いでしょうか。

基本は「バランスをとる」ことです。どちらかの感情だけに重きを置くのではなく、精神的な疲労度と今の環境を踏まえて、本来の感情と外に出す感情のバランスを取っていきます。

笑う表情を増やす場合は、20~30%程度を目安にしましょう。

普段の笑顔から、30%以上笑う表情を増やすと人との会話に疲れてしまいます。しかし、20%増しくらいなら心のウエイトも少なく会話ができます。「今笑うのは…」という状況なら、”笑顔は2割増やすだけでOK”と考えてみてくださいね。

笑顔の割り増しは20%が目安

自然に笑う!練習してみよう

それでは、ここでネガティブの感情の時にバランスよく笑顔を取り入れる、トレーニングをしてみましょう。

練習問題1
あなたはレストランで働いています。30分ほど前に、自分のミスで大きなクレームを起こしてしまい上司からひどく叱られてしまいました。とても落ち込んでいるため、笑顔で接客できるほど心に余裕がありません。このような状況では、どんな気持ちで仕事に取り組むと良いでしょうか?

 

解答例
→仕事だから笑うことは意識しなければいけない。しかし気を張りすぎて気持ちを病んでしまったら元も子もない。今は少し笑う表情を意識するだけに留めておこう。心を休めることに集中して、気持ちが戻ったらまた頑張ればいい!

 

練習問題2
友人の誘いで婚活パーティに参加することになりました。人見知りなため、初対面の人と笑う表情を意識して会話できる自信がありません。参加を決めた事にとても後悔し、ネガティブな気分になっています。どんな気持ちでパーティー参加すると良いでしょうか?

 

 

解答例
→せっかくだから参加してみよう。人見知りだからといって、無理して笑う必要はない。その場の状況で自然な笑顔ができればOKとしよう。もし、ガチガチの表情になっても、そのパーティーが自分に合わなかっただけと考えれば受け止められる。

本来の気持ちを大切に笑う

本来の感情を大切にしよう

本来の感情を押し殺して、笑う事ばかりに意識を向けすぎると、ストレス過多になってしまうことがお分かりいただけましたか。

笑う表情をプラスしたいときは20%増しほどにしておくことが大切です。本来の感情と「感情労働」のバランスをとって本音と建て前を上手く使い分けるように心がけましょう。

次回は、自然にスマイルができるようになる「笑顔体操」をご紹介します。

★本来の感情を大切に「笑う」は20%増しを心掛けよう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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