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優しさを勘違いされないためには?

優しさを勘違いされないための「ユマニチュ―ドケア」実践法④

優しさをしっかりと伝えよう!      

コラム③では、優しさを持つための方法の1つ「ポジティブストロークを与える」について解説しました。言葉と態度にポジティブに変換していくことがコツでしたね。意識して毎日の生活で実践してみてください。。今回は、優しさを持つ方法の1つ「ユマニチュードケア」についてご紹介します。

優しさを伝えるユマニチュードケア   

優しさを態度で伝える有効な方法のひとつであるユマニチュードケア(Humanitude)をご紹介します。ユマニチュードケアとは、フランスのイブ・ジネスト)とロゼット・マレスコッティの 2 人によって開発された、包括的コミュニケーションにもとづいたケアの技法です。

この技法は「人とは何か」「ケアをする人とは何か」を問う哲学と、それにもとづく150を超える実践技術から成り立っています(野本,2017)。ユマニチュードケアは現在、福祉の世界をメインに活用されていて、患者さんとの心地よい関わり方として研修や実践が行われています。一般的なコミュニケーション場面でも活用できる部分が多くありますので、重要なポイントを紹介させて頂きます。

・ユマニチュードケアと4つの柱

150ある技術の中で特に重要なのが、暖かい眼差し、話す、触れる、立つ、の4つを柱とするケア技術です。ジネスト, マレスコッティ, & 本田 (2016)によると、看護師や介護士がユマニチュードケアを活用してケアをしたところ、言葉を発することができなかった認知症患者が言葉を話すようになったなどの効果が報告されています。ここではケア技術のひとつ「暖かい眼差し」を中心に優しさを表現する方法についてご紹介します。 

優しさを感じる眼差し

相手に優しさを示すためには以下の3つのポイントに注意してみましょう。

①相手と目の高さを合わせる
相手と目線を合わせて水平な高さで見つめることは重要です。水平に合わせることで、相手と自分は平等であること伝えることができます。  

②顔の真正面に合わせて近づける
相手と顔を合わせて真正面から見つめることで素直さや信頼感を示すことができます。また、顔を少し近づけることで相手との親しみ示すことができます。

③3秒以上のアイコンタクト
3秒以上じっりくり目を合わせて、アイコンタクトを取ることが大切です。日常では3秒以上目を合わせることは少ないので、長く相手と目線を合わせることで好意や愛情を示すことができます(石川, 坂根, 本田, 伊東,& 竹林, 2015)。

実際にどのようなシュチエーションで活用すれば良いか例題とともに具体的に解説します。最後にワークに挑戦してみましょう!

例題                                                                
Aさんは、一家の大黒柱です。妻と2人の子どもの4人家族で、Aさんは、妻への感謝が上手く伝わらず、何度も喧嘩になってしまいます。Aさんは妻から声をかけても、TVの前で横になりながら話を聞いています。

妻は、Aさんは自分の話に真剣ではないと感じています。Aさんは妻対して愛情はあるのですが、言葉で表現するのは気恥ずかしいので、ユマニチュードケアの「暖かい眼差し」を妻との会話で意識してみることにしました。

①相手と目の高さを合わせる
Aさん:妻から声をかけられた時には、目線の高さが合うように2人でソファに座る。

②顔の真正面に合わせて近づける
Aさん:しっかりと真正面から見て、適度に近づく。

③3秒以上のアイコンタクト
Aさん:妻の目を見ながら、話を聞き続ける。

Aさんが暖かい眼差しを意識したところ、妻との会話が久しぶりに弾みました。妻は、Aさんが真剣に話を聞いてくれた!と感じるようになりました。

ワークで実践しよう!

さて!!ここから先は皆さんの番です!知識を覚えても、それを行動に移さないことには、前に進みません(^^)ぜひ日常生活の中で、「暖かい眼差し」ワークに挑戦してみてください。それだけでも優しさはUPすると言えます。

<実践するシュチエーション>

 

 

①相手と目の高さを合わせる

②顔の真正面に合わせて近づける

③3秒以上のアイコンタクト

 

ユマニチュードケアの「暖かい眼差し」 を行ってから相手の関係はどうなりましたか?まずは、鏡の前でトレーニングを積んでから本番に望むの良いでしょう。

「見る」だけで優しさが強く伝わる

練習問題はいかがでしたか。「暖かい眼差し」のスキルを日常生活のコミュニケーションで意識することで、

・好意や愛情を示す
・優しさが伝わる
・認められている感じがする

などの利点が得られます。他者に優しさが持てないという人は、自分がどんな振る舞いをしているのかを見直し、優しさが伝わるように実践してみましょう!

少ない時間でも、何度も「あなたは私にとって大切な存在」というメッセージを送ることが重要です。自分の優しさが不足していることに気づいたら、どうすれば相手に優しさが伝わるのかを考えて、すぐにできることから一つ一つ行っていきましょう。

今回で優しさを持つことができない3つの原因と対処方法のご紹介はおしまいとなります。お疲れ様でした。ここまでで自分に適した対策は見つかりましたか? 次回は、優しさコラムのまとめになります。お楽しみに! 

★優しさはユマニチュードケアの「暖かい眼差し」でしっかり伝える

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*出典・参考文献 
. 「ユマニチュード」 という革命: なぜ, このケアで認知症高齢者と心が通うのか. 誠文堂新光社.イヴ・ジネスト, ロゼット・マレスコッティ, & 本田美和子. (2016)
 優しさを伝えるケア技術   :  ユマニチュード   .  心身医学   , 56(7), 692-697.本田美和子   . (2016). 

野本 玲子 神戸医療福祉大学紀要 2017 ユマニチュード”の哲学と、教員に求められる資質能力の育成 : 社会福祉学部の教職課程における教員養成からの一考察 



ユマニチュードケアで優しさを伝えよう!