対人恐怖症克服記127 会社員編21 自分にOKを出したい 独立の決意
引きこもりから脱出し、就職することができた私は、サラリーマン生活を送っていました。
サラリーマン生活はもうすぐ2年になろうとしていました。しかし、彼女の会計士試験の合格を目の当たりにして、自分の人生を考え直すようになっていました。
定時帰りで 社内で浮き始める
この頃になると私は会社内で浮き始めていました。
と言うのも、営業の方や社長は11時ぐらいまで残っているのに、私は定時に帰るようになっていたからです。
社内でも下から数えて何番目かに若い社員である私は、誰よりも遅く帰るのが暗黙のルールでした。
しかし、私は、人生の諸先輩方を差し置いて、誰よりも早く退社するようになっていたのです。
これは相当異様な光景でした。私が「お疲れさまでした!」と挨拶をしても、誰も返事をしてくれないこともありました。
ただ、私にはどうしてもやりたいことがあったのです。
それは自分の人生を本気で考えるということでした。
定時で会社を出た私は、すぐに帰宅をするでもなく、街中を徘徊しながら、人生を考えるようになっていました。
一番ひどかったのが金曜日の夜でした。
終電を乗り過ごすまで街を徘徊し、深夜営業をしている喫茶店で朝まで考え続けたこともありました。
18時から朝の6時まで12時間ずっと考えているのです。今思うと贅沢な時間の使い方だったと思います。
無気力の源泉
考えていたことは主に2つでした。
1つ目は無気力の源泉がどこから来ているのか?ということでした。理解されにくい感覚かも知れないのですが、私にとって
「会社員で仕事をしている状態」
よりも
「引きこもって、もがいていた時」
の方が成長している感覚があったのです。
なぜか?
ひたすら考えました。一般的には会社員として仕事している方が評価されるのに、引きこもっていた時の方が成長があった・・・不思議でした。
考え続けてわかったことは、引きこもりの時は「死」を意識したということでした。
安定と死
死は人間一番怖いです。
だからこそ、死から逃れようと、一生懸命人間は考えます。安定すると心理的に安定します。
しかし、「安定」した環境は死から遠い環境にあるため、考えてなくとも済んでしまうのです。
逆説的ですが、死を意識できる環境は、自分を成長させるチャンスであることに気がついたのです。
私は能力がないことを悟っていました。この能力の無さを解決するには、どうしようもない環境で自分を鍛えることでしか成長できない気がしたのです。
独立は死に近いイメージがありました。
成功可能性は低く、自分の考えがそのまま会社の業績に反映される。誰かを喜ばせなければ、ご飯を食べられない。すぐに社会的な死を迎えてしまいます。
これは自分を成長させるこれ以上にない環境だと確信したのです。
自分に対する嘘にも限界
もう1つ、「独立」について考え続けました。
私は様々な面で失敗してきた人間でした。様々な場所から遁走して、価値観をコロコロ変えて一貫性のない生き方をしてきました。
しかし、唯一、一点、「独立する」ということだけはもう8年間言い続けていました。唯一8年間、変えずに言い続けてきたことでした。
もしこの8年の価値観を勝負もしないで、変えてしまったら、本当に本当に口だけ男になってしまう。
周りの人は気にしないかもしれません。しかし、自分に嘘をついているのは自分が一番知っています。嘘は自分だけにはつけないのです。
もしこのまま独立しないで、会社員生活を続けていたら、本当に本当に自分を嫌いになってしまう・・・そう感じはじめていました。
失敗しても良い
失敗して負けても自分自身に納得はいく
だけど戦わない、チャレンジしないで、
逃げてしまえば、心底自分を嫌いになる。
私は世間的にはダメでも、自分に対してはOkを出せる人生を歩みたいと考えるようになっていました。
独立するといっても、なんのプランもないし、成功できる可能性なんて紙のように薄いいです。
だけど、「チャレンジした」という事実だけは絶対なのです。そこに対してのOkは自分に出してあげることができる。
勝負しないぐらいなら、勝負して思いっきり負けよう!!
私はそう考えるようになっていました。
そうして、ついに結論が出ました。
僕は自分にOKを出せる人生を歩みたい
自分との約束を守るために独立しよう
プランは白紙でした。
しかし、独立するという意志をはっきりと固めたのです。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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