対人恐怖症克服記87 就職活動編3 インフェリオリーコンプレックス
身体が拒否反応
引きこもりから脱出し、就職活動を始めた私は、リクナビネクストに登録し、始めて就職活動らしき行動をはじめました。
就職活動のために購入した一張羅のリクルートスーツに身を包み、青山(若干記憶が曖昧)の町に降り立つと、勝ち組臭の漂う、サラリーマンやOLが自信満々で闊歩していました。
行動療法的には、対人恐怖にはスモールステップが原則です。当時の私ですと、青梅線ですと「小作駅」、京浜急行線ですと「京急久里浜」、常磐線ですと「取手」あたりから始めるのが精神衛生上、妥当だと言えるのです。
青山は明らかに、私のキャパを超えていました。いきなりの青山駅に体全体が拒否反応をしめし、ワナワナと心がダメージを受けているのがわかります。
コンプレックスが湧き上がる
ホウホウの体で地図を見ながら進むと、面接会場のビルらしきものに到着しました。そのビルは20階建てぐらいのビルでした。
入り口ではリクルートの社員が
ビジネスマン!
OL!
という感じで、出入りしていました。
おそらく、彼ら彼女らは、大学も順調に卒業し、青春を謳歌し、就職活動もきちんとこなし、これぞ順風満帆な人生を歩んでいるに違いない・・・
その完璧な姿勢と振る舞いに、どうにもこうにも自分がみっともなく感じてしまい、引きこもりであった自分とのギャップに極めて大きな*インフェリオリーコンプレックスを感じてしまったのです。
恐怖突入
ビルを目の前にして、面舵いっぱい、180度回転して、その災いを避けようとも考えました。
しかし、ここで森田療法の恐怖突入を思い出します。森田療法では、恐怖から逃げていては結局何も進まない。恐怖へ突入せよ!と教わりました。
そこで私は極めて膨大な不安を堅持しつつ、リクルートの登録会場へ進んだのでした。
ひきこもりがご光臨をなさったと、受付の方に報告を済ますと、綺麗な革張りの個室に案内され、面接官を待つことになりました。
そして、数分後、そこには、フェロモン系の面接官が現れたのです。
*インフォリーコンプレックス=劣等感
大好きな西村賢太氏の小説から拝借
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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