対人恐怖症克服記89 就職活動編5 フェロモン系面接官からの容赦ないツッコミ
正面に座らないでほしい
引きこもりから脱出し、就職活動を始めた私は、リクナビネクストに登録し、フェロモン系面接官と対峙することになりました。
当時の私はとにかく、「正面に人がいる」ことがとても苦手な状態でした。
「正面」は全身くまなくチェックをされるような気がするのです。言うまでもなく、私は頭から足元まで、どこにも自信を持てる場所などありません。
正面に誰かがいる状態は全力で避けたかったのです。
できれば、フェロモン系面接官の方には、私の真横に座ってもらい、思春期を迎えた中学生男子に、女性大生家庭教師が、「オシエテアゲル」などと、勉強を教えてくれるように、手取り足取り私の就職活動を手伝ってくれる、圧倒的・僥倖的な展開を0.01秒ぐらい期待したのですが、そういうわけにもいきませんでした。
一番聞かれたくない質問
メデューサに睨まれたような心境のまま、ついに面接がスタートしました。
まずは軽く、住所や、希望職種などの確認が続きました。基本事項の確認が終わると、次のような質問が来ました。
面接官
「経歴についてお伺いしてよろしいでしょうか?」
川島
「はい」
面接官
「大学では会計学を学ばれていたということですが、
なぜ就職をしなかったのですか?」
川島
「そ・・・それは・・・将来起業をしようと思って
やりたいことを探すというか、準備をしていたからです・・・」
面接官
「起業・・・?将来起業されるんですか?
どんな分野で?」
川島
「い、いや・・・それは・・・まだわかりません・・・」
「起業する」は最後のプライド
当日の私はまだ、引きこもっていたこと、対人恐怖であることを、アルバイト先の店長以外に自己開示をしたことがありませんでした(店長とのやり取りはこちら)。
それを自己開示したところで、就職に有利になるとは当時は考えられなかったですし、特に勝ち組臭のする方には、馬鹿にされるとの気持ちが強く、伝えることができなかったのです。
私は人生を通して、何もやり遂げたことがなく、自分にも嘘をついてきました。
しかし、唯一、高校生の頃から、「起業する」ということだけは、言い続けてきました。これは私にとって最後の砦ともいえる、一貫性でした。
とは言っても、当時の私は、これを自分自身でも99%できないと自分自身感じていました。
就職すらしていない人が起業するなんて言っても、誰だって信じないですし、自分自身何をすれば良いのか?わからなかったからです。
それでも「起業する」ということまで、やめてしまうと、本当に自分はなんの一貫性もない、人生になってしまうとの焦りがどこかにありました。
そのため、どんなに馬鹿にされようが、この気持ちだけは死ぬまで持とうと持っていたのです。
しかし、フェロモン系面接官は容赦のないツッコミを続けます。
面接官
「起業するのどうして就職活動をするのですか・・・?」
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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