対人恐怖症克服記90 就職活動編6 フェロモン系面接官とはじめて心が通い合う!
食い下がるフェロモン
引きこもりから脱出し、就職活動を始めた私は、フェロモン系面接官と対峙することになりました。
面接官から、「どうして就職活動しなかったのですか?」と突っ込まれた私は「起業するためです」と告げました。しかし、面接官は食い下がります。
「どうして起業しないで就職活動するのですか?」
なぜ起業しないで就職活動するのか?当たり前の質問でした。
しかし、あろうことか私はこの質問についての回答を用意していなかったのです。
初めての就職活動で舞い上がってしまっていたのです。起業と就職という、矛盾した行動を正当化する美しいロジックを用意していなかったのです。
追い込まれる
狼狽した私は次のように返しました。
川島
「そ、それは・・・お金がないから・・・まずは貯めようと思ったのです。」
面接官
「ということは・・・正社員として勤務し続ける意思のないまま、就職活動をしていることになりますか?」
川島
「そういうわけでもないのですが・・・」
面接官
「そういうわけではないといいますと?」
川島
「・・・・・・・・・・・・」
面接官
「・・・・・・・・・・・・」
川島
「・・・・・・・・・・・・」
面接官
「・・・・正社員として続ける意思のない方を、企業に紹介するのは、とても難しいことです。率直に申し上げて、少し甘い気がします。」
面接官は極めて、ロジカルに、かつ極めて適確に、シャープなボディーブローを打ち込んでくるのでした。
もはや私は、その*ユーリアルバチャコフのような正確なパンチに戦意を失ってしまい、茫然としてしまいました。
さっさとこのくそったれな面接を終わらせよう
一連のやり取りを終えると、面接官の女性は、もはやビジネス(紹介を成立させることで得られる彼女の営業成績のアップ)としての私への興味を失ったとみられ、最後まで売れ残った死んだサバのような目で私を見るのでありました。
彼女はこれ以上の深追いは、人生の無駄使いと判断したのでありました。その後は、極めて事務的な質問を連呼し、システマチックに面接を終わらそうとするのでした。
私自身も、抜け殻状態となり、面接官の方の質問に一問一答で答えるものとなり、この時ばかりは、「さっさとこのクソッタレな面接を終わらせよう」という姿勢では奇跡的かつ完全に一致し、初めてお互いの心が通じ合ったのでした。
*ユーリアルバチャコフ (ウイキペディア参考)
第29代WBC世界フライ級王者で、9度の防衛に成功。これは日本のジムに所属する世界同級王者として過去最多の連続防衛記録である。得意技は右クロスカウンター。スピードと巧みなテクニックが売り。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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