対人恐怖症克服記93 就職活動編9 空気の読めない元引きこもり
引きこもりから脱出した私は、就職活動を始めたものの、「起業と就職」という矛盾した感情を持っていました。初めての面接では容赦なく矛盾を突かれ、ボコボコにされました。
この時点で私の人生の選択肢は4つありました。
1・すぐに起業する
大学卒業後、私はフリーター生活で、皿洗いや、テレアポの仕事で80万円ぐらい貯めていました。実家に寄生していたくせに、アルバイト代をビタ一文、毘沙門天(父親)に渡さなかったのです。
皿洗いやテレアポのバイトは非常にきついものでした。
大手企業で潤沢な資金を蓄えた資本家(毘沙門天である父親)にさらに搾取されることを拒んだのです。
この極めてマルクス経済学的に正しいまっとうな事業資金を元手に、起業する!という選択肢も考えました。
しかし、思いつくアイデアといえば
「何でも屋」
「移動式飲食店」
「フリーマーケットで雑貨販売」
という中学生でも思いつくような脆弱なものでした。何より自分のことが信用できず、成功するイメージがまったくわかないのです。そのため私はすぐに起業するという選択肢を排除することにしました。
2・起業をやめる
次に考えたのが起業をやめてしまうという選択肢でした。しかし、高校生の頃から自分の最後の拠り所であったため、排除してしまうと、心の基盤が失われてしまうような感覚があったのです。
そのため「起業をやめる」ことも考えなくなりました。
3・起業を隠して就職活動をする
次に考えたのが、起業するという意思を覆い隠して、就職活動をすることでした。面の皮を厚くして就職活動するプランです。
しかし、私のような、話すだけで精いっぱいになっているような状態の人間が中途半端に本音を覆い隠しても、その違和感は必ず出てしまうと考えました。
4. 起業することを宣言して就職活動する
残った選択肢は
「起業することを宣言して就職活動する」
というものでした。まったくもって滑稽な選択肢でした。元引きこもりで、職歴もない、就職氷河期・・・就職できるだけでも御の字なのに、起業すると宣言して就職活動をするなど病気としか思えません。
果たしてこのような中二病ともいえる宣言を間に受けて受け入れてくれる会社があるのか?全くもって未知数でした。
しかし、私はこの戦略を前提に就職活動を再開し、80倍の倍率をクリアして内定をもらうことになるのです。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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