対人恐怖症克服記94 就職活動編10 人生の転機
エントリーシートで瞬殺
対人恐怖症からどうにか脱出した私は、コミュ障、資格なし、職歴なしという悪条件を棚に上げて「起業することを宣言して就職活動をする」という無謀な条件を設定しました。
しかし、現実は厳しく、無資格、未経験ですと求人数自体が限られていました。
求人サイトを検索すればするほど、「誰もおまえを必要としていない」と言われたような気持になり、ますます陰鬱になっていきましたあ。
それでも、ギリギリ就職してもよいかなという、身分不相応な上から目線で、候補を見つけると、極めて消極的な気持ちでエントリーシートを送ってみました。
「将来独立を考えております。経験を積ませてくれる会社を探しています」
このような文面を書いて送ったのですが、面接すらできず、瞬殺されてしまい、ほとんど門前払いという状況でした。合計12社ぐらい同じように送ったのですがすべてお断りメールでした。
孤独感
この時期苦しかったのが、全身を覆いつくすような孤独感でした。
就職活動については、両親に軽く伝えた程度でほとんど状況を伝えていませんでした。会計士受験を続ける彼女ともほとんど会っていませんでした。
面接すら進めない状況、エントリーシートではじかれ続け、社会から拒否された様な気持ちになり、引きこもりの頃に戻ってしまったような気持ちになっていました。
「孤独だ・・・」
心の底から感じていました。真っ黒な重たいコートを全身に羽織って、出口があるかどうかもわからない、暗いトンネルを一人で歩いているような感覚です。
あまりにも先に光が見えないと、もう歩くことすら嫌になってきてしまっていました。
歩くことが嫌になると、頭を抱えてうずくまります。それでひとしきり落ち込むと、仕方なしにまたズルズルと歩いていく。そんな感覚でした。
人生の転機となる会社を見つける
心が折れそうな(というか折れていた)日々を過ごしていると、ある1つの会社の求人広告が目に留まりました。
「弊社では独立精神のある方を求めています。一人一人が経営者の気持ちをもって活動できる人材を探しています」
というものでした。「独立」というキーワードに反応した私は、求人広告を穴が開くほど読みこんでいきました。
その会社は、環境計測器を扱っている会社で、とにかくありとあらゆるものを「測る」ことに哲学を置いている会社でした。歴史は50年あるようでした。
求人やホームページを見てみると、環境についての意識が高く見えました。好感を持ったのが、多くの求人広告はきれいな女性やイケメンを前面に出して、イメージをよくしていたのですが、その会社はよくも悪くも、地に足がついていると言いますか、かなりどんくさい広告を掲載していたのです。
ほとんど直感ですが、私はこの会社のどことなく、どんくさく、でも地に足がついて、まじめに商売をしている。さらに言えば独立を推奨している!ということもあり、心を奪われていきました。
そして、初めて「この会社に興味がある!」という気持ちを覚えて、慎重にエントリーシートを書いて送ったのです。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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