対人恐怖症克服記98 就職活動編14 煌びやかさとは無縁の地味な会社
引きこもりからなんとか脱出した私は、就職活動をはじめました。そんな折、初めて就職したいと思える会社を見つけました。
しかし私はどう考えても、スペック的に圧倒的に不利でした。そこで
「精子量分析測定器」
という企画をひねり出し、30枚の対策を仕上げ、いざ面接会場に向かったのです。
どこにでもある地味なビル
面接会場は要町という場所にありました。
どこにでもありそうな雑多な街でした。駅から降りてその会社のビルにつくと、再びどこにでもありそうな、個性のない地味なビルが現れました。
その会社のフロアは、5階にありました。緊張しながら5階に降りました。エレベーターを開けた瞬間、本来なら廊下であるはずの場所に、環境系の商品がこれでもかというぐらい並べられていました。
商品が廊下中においてあり、壁のようになっていたのです。
整理整頓ができない会社だな・・・と感じると共に、私はその、接客態度のなっていない姿勢から不思議な居心地の良さを感じました。
コミュニケーションを前面に押し出した会社はNG
コミュ障にとって、コミュニケーションを前面に押し出した会社というのは非常に敷居が高いのです。
綺麗なフロア
闊達な面接官
高そうなスーツを着た写真
おしゃれ感漂うフロア
・・・これらの因子が目の前にあると、「お前はここにはふさわしくない」と説教されてるような気分になるのです。
製造業やメーカーはその点、コミュニケーション以外の点も見てくれるような感覚がありました。
おしゃれとは無縁の無骨な雰囲気が私の劣等感をどこか軽くしてくれたように感じていました。
恐怖突入
商品の壁を進み、いよいよ会社のドアの前に立つと、
「お・・お・・・恐れ入ります。本日面接に参りました川島です」
精いっぱいの声を出しました。
対応をしてくれたのは小柄で高い声を出す、30代の女性でした。
「こんにちは。こちらが面接会場となります。
どうぞおかけください。」
実はこの女性、私の初めての私の上司となる方でした。面接の部屋はドアのすぐ近くにありました。この部屋もどこか野暮ったい雰囲気でした。
そしていよいよ面接がはじまったのです。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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