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どういう人と相性があうのか~愛着スタイル把握の必要性~

どういう人と相性があうのか~愛着スタイル把握の必要性~

 2017/04/04  283 Views

しばしば男女の関係を中心に「相性がよい」「相性が悪い」ということが語られる。
相性の良さというのは安定した関係を築く上で大切なのだろうと思う。
「相性の良さ」に関連して、最近読んだ「愛着障害」「夫婦という病」という岡田尊司さん(精神科医)の著書において、「愛着スタイル」という概念を学んだ。自分と他人を分析するツールとして大変有用と思われたため、紹介してみたい。

愛着スタイルは、他者とのつながりの持ち方、つながりの捉え方に関する傾向と言うことができる。その人の根底で、対人関係だけでなく、感情や認知、行動に幅広く影響する。精神科医の岡田氏によれば、愛着スタイルは恒常性を持ち、7ー8割の人で生涯にわたり持続するらしい。まさに人格の一部ということができるだろう。
こういった愛着スタイルは、基本的には、子供のころ以降に受けてきた親を中心とする愛着のあり方に左右されて形成されるが(脱線するが、本当に子育てのあり方が重要なのだとも感じさせる本であった)、遺伝的要素もあるようだ。

愛着スタイルは、ざっくり言うと、概ね3つにわけることができる。

1 安定型→愛着不安、愛着回避とも低く、もっとも安定したタイプ
・自分が愛着し信頼している人が、自分をいつまでも愛し続けてくれることを信頼している
・率直さと前向きな姿勢

2 不安型→愛着不安が強く、対人関係に敏感なタイプ
・拒絶や見捨てられることを恐れる
・すぐに恋愛モードになりやすい
・べったりとした依存関係を好む
・ネガティブな感情や言葉が飛び火しやすい(ネガティブなことをつい口にする)
・不満やストレスを、パートナーに対しても強くぶつける(相手の愛情が足りないと思う)
・両価的な矛盾(求める気持ちと拒絶する気持ちの並存)を抱えている
・パートナーが自分をどう評価してくれているかによって、自分自身に対する評価(自己評価)が大きく左右される

3 回避型→愛着回避が強く、親密な関係になりにくいタイプ
・距離をおいた対人関係を好む
・葛藤を避けようとする
・何に対してもどこか醒めている
・自己開示を避ける結果として、自己表現力が育ちにくい
・面倒臭がり屋(頼られることは面倒事である)
・どろどろとしたものを嫌う、淡白なところがあり、相手との絆を何としても守ろうとする意志や力に乏しい
・パートナーの痛みに無頓着(共感性に乏しい)

あとはこの3つの組み合わせによってその人がどういう傾向かを分析することができる。僕の感覚からいえば、ドストライクでどこかにあてはまる、ということはなかなかなくて(例えば不安型100%の人なんてそうそういないし、回避型100%の人なんてのもそうそういないものだ)、ある人は「〇〇型要素があるが概ね●●型」、ある人は「〇〇型要素と●●型要素の中間型」というように複数の要素が合わさっていることが多いのではないかと思う。
ちなみに前掲「愛着障害」には愛着スタイルの診断テストが掲載されていて、それをやってみたところ、僕は安定型(正確には、愛着不安、愛着回避の傾向がみられるが、全体には安定したタイプ)であった。つまり、概ね安定型だが、一方で、愛着不安、愛着回避の要素も多少含まれているという形である。

人間関係のトラブルには、この愛着スタイルのずれが相当強く影響していることがあるように思われる。例えば、不安型傾向の強い彼女と回避型傾向の強いの彼氏が衝突することは容易に想定されよう(喧嘩が絶えないのではないか、という気もする)。

以上のような知識をどう人生に活かすことができるか。
ここでは2つのことを思い浮かべた。

第一に、パートナー選びの指針の一つとすることが考えられる。
例えば、回避型の傾向が強い男性が不安型の傾向の強い女性と付き合ってうまくいくかと言われれば、その見通しはあまり良好とは言えないように思われる。お世辞にも相性がすごくいいとは言えないであろう。
もちろん、年収その他の諸条件を重視してもよいが、愛着スタイルがずれまくっていると、かなり苦しい関係になることがあり得るから、少なくともこの視点をとりいれて恋活なり婚活なりをしたほうが「よい相手」を見つけられる可能性が高いだろう。
自分を知り、自分に合う愛着スタイルの持ち主を見つけるという視点が必要ではないかと思われる。

第二に、既にできあがった人間関係をうまく回すツールとして活用することが考えられる。
例えば、不安型の傾向の強いパートナーには、しばしば愛情を示したり、共感をしていくことが大切だ。なお、愛情は「条件付き」ではだめで、無条件に示される必要がある(条件付きでの愛情表現は、不安型の人をなおさら不安にさせる)。他方で、回避型傾向の強いパートナーに対しては、その人の自由を一定限度尊重することが大切だろう。
ここはある種の「交換条件」のようなもので、回避型が不安型に100%あわせていればいずれ回避型の人が爆発するし、不安型が回避型に100%あわせていてもいずれ不安型の人が爆発するだろう。
回避型は不安型に愛情を示して安心してもらえるように努力し、他方で、不安型は回避型の自由を一定程度は尊重する必要がある。このあたりについては、それぞれの愛着スタイルについて腹を割って話し合い、お互いにどうして欲しいのか、どうされないと生きづらいのか、どこまで譲り合うことができるのか、について真摯に話し合うことも必要かもしれない。
間違っても、相手の愛着スタイルそのものを否定したり修正しようとしてはならない。それはその人の人格であり個性なのだから。否定するのではなく、それをその人の個性だと受け入れた上で、愛着スタイルが異なる者同士が快適に暮らせるための「コミュニケーションスタイル」を模索することこそが建設的なのだ。

人間関係に新たな視点を与える「愛着スタイル」という概念。
興味があれば、岡田尊司さんの著書「愛着障害」「夫婦という病」を手にとってみて欲しい。

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