発話トレーニング―相性チェック
発話トレーニングでは、豊かで楽しく話す力をつけていきます。まずは以下の質問を通して、発話トレーニングがあなたに合っているかをチェックしてみましょう。
【質問項目】
1. 話題をふるのが苦手で相手任せになる
2. 話す話題が不足していると感じる
3. 1問1答えになることが多い
4. 相手を笑顔にする話ができない
5. 共通点を見つけて話を広げるのが苦手
6. 雑談を楽しませる工夫が少ない
【結果判定】
* はいが4個以上:話し方レッスンとの相性がとても高いです
* はいが2~3個:学んでおくと安心につながります
* はいが0~1個:現状では大きな支障は少なめです
はいが2点以上の方は、以下の発話トレーニングの説明を読んでみることをおすすめします。後半には、動画付きの「お試し発話練習」もご用意しました。ぜひ参考にしてみてください。
発話トレーニングの概要
発話トレーニングは、話題の作り方や広げ方を学び、会話が自然に続く力を育てるための練習です。話す内容が思いつかない、話がすぐに終わってしまうと感じている方にとって、会話の土台を整えるきっかけになります。
練習のひとつに、1問2答練習があります。これは、1つの質問に対してサービス精神をもって話を膨らませる練習です。
NG例 1問1答
質問
最近ハマっていることはありますか
答え
コンビニで新作アイスを探すことですかね・・・
OK例 1問2答
質問 最近ハマっていることはありますか
答え コンビニで新作アイスを探すことです。最近一押しのアイスですと、モンブラン味のアイスで、栗の風味が最高においしいです。
NG例では、傾聴側がまた質問をしなくてはならないので、負担をかけてしまいます。OK例では、積極的に自分から話題を提供すると、傾聴側も負担が少なくリラックスして会話が展開していきます。
個人指導では、「言葉が出てこない」「伝わらない」「緊張する」といったお悩みに対して、心理的、技術的両面からアプローチします。話し上手になるというよりも、自分らしく、自然に話せる自分を目指します。
学習内容
発話トレーニングの個人指導では、以下の内容を扱います。
* 話すことへの苦手意識を整理
* 5W発話法で会話の土台作り
* 感情発話法で豊かな表現
* 1問2答練習,1問3答練習
* 具体例提示法,場面の切り取り法
* 実践場面でロールプレイ
指導者は国家保持者の公認心理師です。
受講代金
レッスン代 42,800円(税込)
・レッスン回数 70分×3回分
・資料,送料込み
・途中解約時は未受講分を返金できます
お申込み
お申し込みはこちらより必要事項をご記入の上でご依頼ください。
お試し―発話トレーニング
ここからは発話トレーニングのサンプルをお伝えします。まずはお試しとしてご活用ください。
5W発話法
先ほど1問2答の重要性をお伝えしましたが、実際に1問2答をするには、5Wから始めていくのがおすすめです。「時間」「場所」「登場人物」「きっかけ」「特徴」のなかから、情報を追加していくと自然と話すボリュームが増えていきます。
いきなり、面白くて、楽しい話題を話すというより、まずは自己開示の量を増やすイメージで十分です。以下の動画では、たんたんと自分の話を増やす練習を講師が実演しています。参考にしてみてください。
余談ですが、下記の動画の撮影時に、美容院で、髪型と眉毛カットを完全に失敗してしまい、謎のパイナップルヘア、眉なし講師でちょとこわもてなっています。。(泣)本当はめちゃめちゃやさしいんですよ笑 それではご覧ください。
プラス感情質問法
話題を広げる重要なスキルの1つに、「自分へ感情質問」があります。これは相手がしてくれそうな質問を、自分にすることで会話を広げていくやり方です。具体的には、「好きな〇〇は何かというと?~」「気に入っている〇〇は何かというと~」と自分で自分の感情を聴くことで話を広げていきます。
発話トレーニングはプロの噺家になることを目的とせず、日常会話をそれなりに話せるようになることを目的としています。以下講師の川島の実演となります。無理せず、マイペースで話すことを心がけて話しています。参考にしてみてください。
具体例提示法
5W発話法と自分へ質問法に慣れてきたら、次に具体例提示法の練習をしていきます。具体例提示法では、「例えば」「具体的には」というフレーズを使って、1つ1つの話題を具体的に掘り下げていく手法です。話題の解像度が上がり、興味深い話になりやすいです。以下講師の亀井幹子の実演です。参考にしてみてください。
期待できる効果
発話に対する苦手意識が強い方でも、段階的に練習することで「安心して話す感覚」を少しずつ取り戻していくことが可能です。
話すことへの不安が軽くなる
発話前に生まれる緊張や不安を扱いながら、話すことに対して過剰なプレッシャーを感じずにすむようになります。
表現力と自己肯定感の向上
「伝わった」という成功体験が少しずつ増えることで、自己表現への自信と、対人関係における安心感が育ちます。
講師からのメッセージ
話すことに苦手意識があるのは、あなたが「伝えたい気持ち」が強いからかもしれません。発話は、スキルであると同時に、安心感と自己理解が土台になります。話すことが苦手でも、あなたの中にはちゃんと「伝える力」があります。あせらず、やさしく育てていきましょう。
発話と心理学研究
発話トレーニングの効果
筆者の川島は、大学院時代に100名ほどを対象に傾聴トレーニングの効果を分析しました。下記の図はその結果です。
発話が苦手な方(オレンジ色)にはトレーニングを実施し、一般的な方(黒色)にはトレーニングを行っていません。トレーニング後は、発話が苦手な方も一般の方とほぼ同じレベルに達しているのが分かりますね。
実はこの研究では、70%ほどの脱落率がありました。しかし、継続的にトレーニングをされた方は結果を残していました。筋トレと同じように、しっかりと練習を重ねれば傾聴力をつけることはできると言えます。
幸福感が向上する
和田(1995)は、男性91名、女性156名の大学生を対象に、自己開示量と幸福感を測定しました。その結果、以下のグラフのようになりました。
自己開示の欲求度が4の時に心理的幸福感がもっとも高くなっていることが分かります。つまり自己開示が「やや多い」方が幸福感高いことが考えられます。自分の思いや主張を伝えることは、幸せな人生にプラスに働くのです。
やりとりが増える
Laurenceau ら (1998)の研究によると、下記のように、自分の自己開示、相手の自己開示はそれぞれ、促進しあう関係があり、最終的に親密性につながることもわかっています。
上記の図を見ると「自分の自己開示」「パートナーからの開示」は、パートナー同士の応答を増やします。さらに相互のやり取りがふえることで、親密性が高まることも分かりました。
さらに、「自己開示」と「パートナーからの開示」はそれぞれ、直接的に親密性へ影響を与えていますね。つまり、双方の自己開示はお互いに促進し合い、親密性を高める傾向があるのです。