認知療法と相性チェック

認知療法は、物事の受け止め方や考え方のクセを見直すことで気持ちを整えていく心理療法です。まずは以下の質問を通して、認知療法があなたに合っているかをチェックしてみましょう。

【質問項目】

1. ネガティブな考えが頭から離れにくい
2. 思い込みが激しい方だと思う
3. 相手の心を読みすぎて疲れる
4. 小さな失敗でも強く自分を責めてしまう
5. 将来を想像すると不安ばかり浮かんでしまう
6. 感情に振り回されて行動できないことがある

【結果と誘導文】
はいが4個以上:認知療法との相性がとても高いです
はいが2~3個:学んでおくと安心につながります
はいが0~1個:現状では大きな支障は少なめです

はいが2点以上の方は、以下の認知療法の説明を読んでみることをおすすめします。後半には日常の思考パターンを見直せる「お試し認知療法クイズ」もご用意しました。ぜひ参考にしてみてください。

不安になりやすい女性,認知療法で改善

認知療法の概要

認知療法とは

認知療法(認知行動療法:CBT)は、アメリカの精神科医アーロン・ベックによって1960年代に提唱された心理療法です。私たちの「考え方(認知)」が気分や行動に大きく影響するという理論に基づき、ネガティブな思考のクセを現実的でバランスの取れたものへと修正していきます。

思考の偏りの修正

ネガティブな思考のクセは認知療法では「認知の歪み」「思考の偏り」と呼びます。例えば、以下のようなものがあります。

・白黒思考
物事を白か黒かで極端に捉える
「自分が正しい,相手が間違っている」
「好きか嫌いか」「勝つか負けるか」
と極端に考える

・心の読みすぎ
根拠なく他人の気持ちを決めつける。
「きっと私を嫌っているんだ」
「評価が下がったに違いない」
「容姿が悪いと思われた」

このような認知の歪みは10種類あります。個人レッスンではこのような極端な思考をほぐし、抑うつ感、対人不安、人間関係の悩みなど、を改善することを目指していきます。

実生活に活かす具体的な練習

個人レッスンでは、認知療法のワークを日常の悩みに合わせて実践します。思考記録表を使って自分の考え方のクセを整理したり、「本当にそうだろうか?」と現実的な視点で検討したり、バランスの取れた新しい考えを一緒に見つけていきます。

集団の輪に入れない男性

学習内容

認知療法の基本的なやり方を学び、セルフケアができることを目標とします。学習内容はこちらです。

・認知療法とは何か
・思考と感情の密接な関係
・思考の偏り10パターンの理解
・認知的コンフュージョンの改善
・偏った認知の修正,反証法
・認知の再構成,コラム法

指導者は国家保持者の公認心理師となります。下記の動画で雰囲気など参考にして頂けると幸いです。

受講代金

レッスン代 52,000円(税込)
・レッスン回数 70分×4回分
・資料,送料込み
・途中解約時は未受講分を返金できます

お申込み

お申し込みはこちらより必要事項をご記入の上でご依頼ください。

個人指導申し込み

お試し認知療法

ここからは認知療法で学ぶ内容を一部紹介します。まずはお試しとしてご活用ください。

心の読みすぎ癖に気づく練習

「心の読みすぎ癖」とは、相手の気持ちを根拠なく悪い方向に決めつけてしまう思考のクセです。「嫌われたかも」「怒っているに違いない」と思い込み、不安や緊張を強めてしまいます。認知療法では、この思考に気づき、柔軟にとらえ直す練習を行います。

【問題】
友人にLINEを送ったのに半日返事がありません。あなたはどう考えますか?
1.「きっと嫌われたに違いない」と思う
2.「忙しくて見れていないのかも」と考える
3.「もう友達ではなくなった」と落ち込む

【回答例と解説】
①や③は「心の読みすぎ」で不安を増幅させます。②のように「他の可能性もある」と柔軟に考えることが、認知療法で大切にする思考の転換です。個人レッスンでは、実際の人間関係の場面を題材に「心の読みすぎ」に気づく練習を一緒に行います。

反証法で思考をとらえ直す練習

「反証法」とは、自動的に浮かぶネガティブな思考を「本当にそうだろうか?」と検討し、現実的な考えに修正する方法です。悲観的な思い込みに振り回されるのではなく、事実に基づいた視点でとらえ直すことで気持ちを安定させることができます。

【問題】
親しい友人と食事の好みの価値観の違いから軽い言い合いになってしまいました。あなたはどう考えますか?
1.「自分は人間関係をうまく築けない」と落ち込む
2.「価値観がずれても関係は修復できることがほとんど」と考える
3.「もう友情は終わったに違いない」と思い込む

【回答例と解説】
①や③のように極端に決めつけると、不安や落ち込みが強まります。一方で、食事の価値観のズレは誰でもあるもので、大概の場合はお互い認め合って、関係性は続けられるものです。②のように現実的に基づいて考えることが、反証法の大切な一歩です。

有益質問法で前向きになる練習

「有益質問法」とは、自分への問いかけを前向きに変えることで、気持ちや行動を建設的に導く方法です。「なぜダメなんだろう」と自己否定するのではなく、「次にどうしたら良いか?」「どうすれば自分のためになるか?」と問い直すことで行動の選択肢が広がります。

【問題】
待ち合わせに遅れて相手を待たせてしまいました。あなたはどう問いかけますか?
1.「自分はいつもダメだ」と責める
2.「次はどうすれば遅れないかな?」と考える
3.「もう嫌われたに違いない」と落ち込む

【回答例と解説】
①や③は自己否定や不安を深めます。②のように「次に活かせる問いかけ」を選ぶのが有益質問法です。建設的な質問は、気持ちを前に進める力になります。個人レッスンでは、実際の失敗体験を題材に、有益質問法で前向きな行動につなげる練習を行います。

講師からのメッセージ

感情が不安定なあなたは、「感じる力」が豊かな人です。その繊細さゆえに、傷ついたり、疲れたりすることもあると思います。でも、その感情はコントロールするものではなく、理解し、向き合うことで落ち着いていきます。

認知療法は、自分の思考と感情の関係を丁寧に見つめる方法です。「どうしてこうなるの?」の答えを、一緒に見つけていきましょう。

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学術的な効果

認知療法を実践すると、偏った思考パターンに気づき、それを客観的に見つめ直すことで、自分自身を深く理解し、心の安定を取り戻すきっかけとなります。学術的な効果が気になる方は以下を参照ください。

不安感の改善

竹田ら(2015)は、対人援助職220名を対象に、認知の歪みと認知療法の効果について調査をしました。以下の図は認知の歪みが高い群に対する結果の一部となります。

認知療法によるストレスプログラムの効果

STAIの得点は、不安の大きさを意味します。認知療法を実施すると不安が小さくなっていることがわかります。

完全主義の改善

Rileyら(2007)は、完全主義があり日常生活支障が出ている20人を対象に、認知行動療法を行い、その効果を調査しました。その結果の一部が下図となります。

認知療法と完全主義の心理学研究

認知療法を行った後は、完全主義傾向の得点が下がっているのが分かります。具体的には、対象となった20名のうち15名に改善がみられました。