
認知療法と相性チェック
認知療法は、物事の受け止め方や考え方のクセを見直すことで気持ちを整えていく心理療法です。まずは認知療法があなたに合っているか、チェックしてみましょう。
【質問項目】
1. ネガティブに考えがちだ
2. 思い込みが激しい方だ
3. 相手の心を読んで疲れる
4.自分を責めることが多い
5. 将来を考えると不安になる
6. 感情のコントロールが苦手だ
【「はい」の数】
4~6:学習を強く推奨
2~3:学習を推奨
0~1:現状では不要
はいが2点以上の方は、このまま説明を読んでいくことをおすすめします。後半には「お試し認知療法クイズ」も用意しました。ぜひ参考にしてみてください。

認知療法の概要
認知療法とは
認知療法は、精神科医のベックによって提唱された心理療法です。私たちの「考え方(認知)」が気分や行動に大きく影響するという理論に基づき、ネガティブな思考のクセを現実的でバランスの取れたものへと修正していきます。
思考の偏りの修正
ネガティブな思考のクセは認知療法では「認知の歪み」「思考の偏り」と呼びます。例えば、以下のようなものがあります。
・白黒思考
物事を白か黒かで捉える
人の好き嫌いが激しい
曖昧な状況が苦手である
など、極端に考えがちな心の癖
・心の読みすぎ
きっと私を嫌っているんだ
評価が下がったに違いない
容姿が悪いと思われた
など、他人の気持ちを考えるすぎる
このような認知の歪みは10種類あります。
考え方をバランスよく
個人レッスンでは、認知の歪みを発見し、「本当にそうだろうか?」と現実的な視点で検討したり、バランスの取れた新しい考えを見つけていきます。そして、抑うつ感、対人不安、人間関係の悩みなど、を改善していきます。

学習内容
認知療法の基本的なやり方を学び、セルフケアができることを目標とします。学習内容はこちらです。
・思考と感情の密接な関係
・思考の偏り10パターンの理解
・認知的コンフュージョンの改善
・偏った認知の修正,反証法
・認知の再構成,コラム法
講師紹介
指導者は、国家保持者の公認心理師である川島達史、大塚真梨子、亀井幹子です。下記の動画で雰囲気など参考にして頂けると幸いです。
受講代金
・受講料 52,800円(税込)
・回数 70分×4回分
・解約時 未受講分を返金
代金には資料代,送料が含まれます
お申込み
お申し込みはこちらから。必要事項をご記入の上でご依頼ください。
お試し認知療法
ここからは認知療法で学ぶ内容を一部紹介します。お試しとしてご活用ください。
読みすぎ癖への対処
「心の読みすぎ癖」とは、相手の気持ちを根拠なく悪い方向に決めつけてしまう思考のクセです。
「嫌われたかも」
「不快に思っていないだろうか」
「怒っているに違いない」
と思い込み、不安や緊張を強めてしまいます。認知療法では、この思考に気づき、柔軟にとらえ直す練習を行います。
【問題】
相手と仲良くしようと長文のメールを送ったにも関わらず、返信が一言であっさりしていた
①私と関わりたくないんだ
②忙しくて見れていないかも
③気に障ることをしたに違いない
【回答例と解説】
①や③で頭がぐるぐるしてしまう方は「心の読みすぎ」で不安を増幅させます。②のように「他の可能性もある」と柔軟に考えることが大切です。
反証法で思考を柔軟に
「反証法」とは、自動的に浮かぶネガティブな思考を「本当にそうだろうか?」と検討し、現実的な考えに修正する方法です。
【問題】
あなたは友人と喧嘩をしてしまいました。この時、「もう修復不能だ!」と感情的になっています。以下の選択肢のうちどれが反証にあたるでしょうか。
①あいつとは分かり合えない!と怒る
②連絡先を消去しよう!と行動
③結局は仲直りしてきたと過去を回想
【回答例と解説】
①や②のように極端に決めつけると、不安や落ち込みが強まります。一方で、③のようにこれまでの実績などを元に考えると、思考を現実的にすることができます。
有益質問法で前向きに
「有益質問法」とは、自分への問いかけを前向きに変えることで、気持ちや行動を建設的に導く方法です。「どうすれば自分のためになるか?」と問い直すことで行動の選択肢が広がります。
【問題】
待ち合わせに遅れて、相手を待たせてしまいました。あなたはどう問いかけますか?
①自分はいつもダメだ!と自責
②原因と対策を考え相手に伝えよう
③嫌われたに違いない!と落ち込む
【回答例と解説】
①や③は自己否定や不安を深めます。反省をしつつも②のように「次に活かせる問いかけ」を選ぶのが有益質問法です。建設的な質問は、気持ちを前に進める力になります。
講師からのメッセージ
認知療法は、メンタルヘルスの入門的に学習することが多く、世界で最も学ぶことが多い心理療法です。練習を重ねると、心を落ち着ける力をつけることができます。皆さんのご応募をお待ちしています。
学術的な効果
学術的な効果が気になる方は以下を参照ください。
不安感の改善
竹田ら(2015)は、対人援助職220名を対象に、認知の歪みと認知療法の効果について調査をしました。以下の図は認知の歪みが高い群に対する結果の一部となります。
STAIの得点は、不安の大きさを意味します。認知療法を実施すると不安が小さくなっていることがわかります。
完全主義の改善
Rileyら(2007)は、完全主義があり日常生活支障が出ている20人を対象に、認知行動療法を行い、その効果を調査しました。その結果の一部が下図となります。
認知療法を行った後は、完全主義傾向の得点が下がっているのが分かります。具体的には、対象となった20名のうち15名に改善がみられました。



