論理力トレーニング―相性チェック

論理力を高めると、思考や会話がクリアになります。次の6つの質問で、あなたに合った学び方をチェックしてみましょう。

1. 自分の意見を筋道立てて説明するのが苦手
2. 相手の話を整理して理解するのに時間がかかる
3. 話が飛びやすく、要点をまとめにくい
4. 会議や商談で説得力に欠けると感じる
5. 論理的に考えるより感覚で判断しがち
6. 文章を書くとき構成に時間がかかる

はいが4個以上:論理力トレーニングとの相性がとても高いです
はいが2~3個:学んでおくと安心につながります
はいが0~1個:現状では大きな支障は少なめです

はいが2つ以上の方は、論理力を磨く絶好のタイミングです。後半にはビジネス場面での論理力を高める、お試しトレーニングもご用意しました。ぜひ参考にしてみてください。

論理力向上の概要

論理的に話すとは

あなたは「自分の説明が伝わりにくい」と感じたことはありませんか?会議で話が長くなり要点がぼやけてしまったり、報告で結論がなかなか出てこず「結局どういうこと?」と聞き返されたり。実はこれらは、能力や知識が足りないのではなく、「論理の組み立て方」を学んでいないことが原因です。

論理の基礎‐3点セット

まずは論理とは「論題・結論・根拠」の3点で構成されます。

・論題 = 問題提起や質問
・結論 = 論題に対する簡潔な回答です
・根拠 = 結論を支えるデータや理由

【例1:会議運営】

* 論題:なぜ会議時間を短縮すべきか?
* 結論:生産性を上げるためです。
* 根拠:社内調査で、会議の平均90分のうち実際に意思決定に使われているのは40分に満たず、残りは重複した議論に費やされていました。

【例2:業務効率化】

* 論題:なぜ社内システムをクラウド化すべきか?
* 結論:コスト削減とスピード改善につながるからです。
* 根拠:現行のオンプレ環境では年間保守費用が1,000万円以上かかっていますが、クラウド移行後は約30%削減でき、同時にアクセス速度も平均20%向上する見込みです。

個人レッスンではこの論理の基礎構造をしっかり作れるように繰り返し練習していきます。

結論先行で話す練習

論理の基礎構造を作れるようになったら、次に説明する練習をしていきます。多くの人は、根拠をだらだらと2分3分も話し続け、最後になってようやく結論にたどり着きます。聞き手は途中で混乱し、「この人は何を言いたいのだろう?」と集中力を失ってしまいます。

一方「説明がうまい人」は、最初に結論をスパッと提示し、1分以内に根拠を添えてまとめます。話の流れがシンプルで、聞き手は余計なストレスを感じずに理解できます。

NG例,OK例

説明が下手な人と、うまい人には以下の違いがあります。

「論題:なぜ我が社の新入社員がすぐにやめるのか?」

【NGな例】
「理由は色々あるんですけど、例えば配属先の雰囲気が合わなかったり、先輩や上司の指導が厳しすぎるとか、逆に放任されすぎるとか、あとは仕事量が多くて残業もあって、生活リズムも崩れてしまって、やっぱり心身の負担が大きいからで……とにかく色々あって離職につながっているんです。」

NG例では、結論が出るまで時間がかかり、また根拠もメリハリがないので、何を言いたいのかわかりません。

【OK例】
「結論から言うと、新入社員が辞める主な理由は『上司のマネジメントスキルの不足が最大の要因』です。私が社内調査をしたところ、上司が語気を荒げるケースが60%あるという結果になっています。まずは上司のマネジメント力を上げるのが最大の課題です。

Ok例では結論を早めにいうことで、興味を引きます。また思い切って余計な根拠をそぎ落として、最も話し合うべき論題が明確になってわかりやすくなっています。

ビジネス歴20年の講師

講師は現役経営者の川島達史、元リクルートの大塚真梨子が担当しています。両名とも20年近くビジネスの最前線で戦ってきました。また2名とも公認心理師でもありますので、心理学的な視点でのアドバイスができるのも特徴です。論理的なトレーニングはもちろん、緊張しやすい、不安になりやすい、というメンタル面での相談も気軽にご質問ください。

学習内容

論理力向上の個人指導は、2段階あります。

基礎編 初心者向け

ビジネス経験が浅い方向けに、論理的にわかりやすく話す練習をしていきます。社会人として最低限の論理的スキルの向上を目指します。報告連絡相談をスムーズにしたい方、わかりやすく話す力をつけたい方におすすめです。

* 論理的思考の基礎  感情・直感との違い
* 論理の基礎構造作成練習
* PREP法,MECE法練習
* 相手に合わせた伝え方の工夫
* 演習:意見の整理と要約トレーニング
* 日常会話・ビジネス・文章に活かす論理の型

発展編 中級者向け

論理的な説明だけでなく、説得力のある話し方が必要な方向けのプランです。特に、営業職の方、商談が多い方、人前で話す機会が多い方におすすめです。発展編は、基礎編が終了した方のみとなります。こちらに進むかは、基礎編が終了後、お伺いします。

*両面提示法で説得力向上
*中心ルート法 周辺ルート法
*フットインザドア法
*鉄則!3つの限定法
*鮮明効果法で心に刺さる例を
*ビフォー,アフター法
*専門性アピール法は最大のツカミ
*意見引用法で根拠を強く
*ユーモア提示法

指導者は、ビジネス経験が豊富な、現役経営者となります。国家資格の公認心理師でもあるので、ビジネス、心理学の両面からレッスンが可能です。

受講代金

基礎編

レッスン代 42,800円(税込)
・レッスン回数 70分×3回分
・資料,送料込み
・途中解約時は未受講分を返金できます

発展編

レッスン代 42,800円(税込)
・レッスン回数 70分×3回分
・資料,送料込み
・途中解約時は未受講分を返金できます

お申込み

お申し込みはこちらより必要事項をご記入の上でご依頼ください。

個人指導申し込み

お試し―論理力トレーニング

ここからは論理力トレーニングで学ぶ内容を一部紹介します。まずはお試しとしてご活用ください。

論理の基礎構造

まずは冒頭お伝えした、論理の3点セットの練習問題です。

【練習問題】
会議で「なぜ新入社員が辞めるのか?」と質問されました。次の3つの答え方のうち、論理的にわかりやすいのはどれでしょうか?

1.「色々な理由があるんですが、例えば配属先が合わなかったり、先輩の指導が厳しかったり、逆に放任されすぎたり、仕事量が多くて残業もあって……結局そうした要因で辞めてしまうんです。」
2.「結論から言うと、新入社員が辞める主な理由は『上司のマネジメントスキル不足』です。社内調査で上司が強い口調で指導するケースが60%にのぼり、改善が必要です。」
3.「辞めるのは本人の性格が合わなかったからだと思います。」

【回答例】
正解は②です。結論(上司のマネジメント不足)を最初に提示し、その後にデータという根拠を示しているため、聞き手にとって理解しやすく説得力があります。
①のようにだらだら根拠から入ると、結論が出るまでに時間がかかり要点がぼやけます。③は根拠がなく、主観的すぎて信頼されません。

論理的に話すとは、「論題→結論→根拠」の順序をシンプルに守ること。結論を先に出すだけで、説明はぐっと伝わりやすくなります。個人レッスンでは、この流れを身につけるための実践練習を繰り返し行います。

SDS法

SDS法は「Summary(要約)・Detail(詳細)・Summary(まとめ)」の順で話す方法です。最初と最後に要点を伝え、中盤で理由や具体例を加えることで、話にまとまりが生まれます。会議報告や商談説明で使うと「要点がすぐわかる」と信頼感を与えることができます。

【問題】
会議後に「今日の進捗を簡単に教えて」と上司に言われました。SDS法を意識した答えはどれでしょうか?
1.「予定通り進んでいます。今週はテストが完了しました。次週はリリース準備に入ります」
2.「今週はテストをして、その後資料をまとめて、さらに…」と時系列で話す
3.「順調です!テストも終わり、リリース準備も予定通りです」

【回答例】
最もSDS法に沿っているのは①です。最初に結論(予定通り進んでいる)を述べ、詳細(今週の成果)、最後に次の流れ(来週の予定)でまとめています。②のように時系列で話すと焦点が分散しやすく、③は根拠が不足します。SDS法は会議や上司への報告で特に有効です。

MECE法

MECEは「漏れなく、ダブりなく」考えを整理する方法です。課題や要因を洗い出すときに抜けや重複があると、対策がずれてしまいます。業務フロー改善や戦略立案の場面で、全体を的確に把握するための思考法です。

【問題】
「プロジェクトの進行が遅れている原因」を整理するとき、MECEに沿った分け方はどれでしょうか?
1.「担当者の好き嫌いで分ける」
2.「人員不足の問題」と「作業プロセスの問題」で分ける」
3.「やる気のある人」と「やる気のない人」で分ける」

【回答例】
②が最もMECE的です。「人員不足」と「作業プロセス」という切り口で分ければ、重複なく全体をカバーできます。①の「好き嫌い」や③の「やる気」で分けるのは、客観性に欠け、根拠もなく偏った見方になります。

こうした分類は具体的な改善策につながらないため、MECE的には「ダメな分け方」です。MECEを意識すれば、原因分析を抜け漏れなく整理でき、改善策を的確に導けます。

期待できる効果

論理的思考のスキルは、対人場面でも自己理解でも、多くの場面で活用できます。

思考の整理がスムーズに

頭の中にある情報や感情を整理しやすくなり、複雑なことでも落ち着いて考えられるようになります。その結果、相手にもわかりやすく自分の考えを伝えることができます。

報告・連絡・相談の質が向上

要点を整理して話せる、背景や理由を説明できる、相手に応じた伝え方ができる、自分の考えを添えて相談できるなど、信頼される伝達力が育ちます。

説得力のある伝え方ができる

「なぜそう思うのか」を根拠とともに伝えられるようになり、相手に納得してもらえる力が高まります。自己主張と対話のバランスも整ってきます。

講師からのメッセージ

論理的に話すというのは、「理屈っぽくなること」ではありません。あなたの思いや考えを、相手が「なるほど」と受け取れる形にすること。言葉の整理は、自分の心を整えることにもつながります。自信をもって伝えられるようになる、その一歩を一緒に踏み出しましょう。

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