アンガーマネジメントと相性チェック

アンガーマネジメントは、怒りの感情を「なくす」のではなく「うまく付き合う」ことを目的とした心理トレーニングです。怒りの背景には、自分の大切にしている価値観や思考のクセが隠れています。まずは以下の質問を通して、アンガーマネジメントがあなたに合っているかをチェックしてみましょう。

【質問項目】

1. ついカッとなって後悔することがある
2. イライラを我慢してため込んでしまう
3. 家族や友人に強く当たってしまうことがある
4. 怒りをきっかけに人間関係が悪くなったことがある
5. 小さなことでもイライラが長引くことがある
6. 怒りの感情をコントロールできないと感じる

【結果と誘導文】
はいが4個以上:アンガーマネジメントとの相性がとても高いです
はいが2~3個:学んでおくと安心につながります
はいが0~1個:現状では大きな支障は少なめです

→ はいが2点以上の方は、以下のアンガーマネジメントの説明を読んでみることをおすすめします。後半には日常のイライラを整理できる「お試しクイズ」もご用意しました。ぜひ参考にしてください。

アンガーマネジメントの概要

アンガーマネジメントとは何か

アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれた心理的トレーニングです。怒りの感情を「なくす」のではなく、適切に理解しコントロールすることを目的としています。

提唱者であるレイモンド・ノヴァコ博士をはじめ、多くの専門家によって研究され、職場、家庭、教育の現場など幅広く実践されてきました。対象は、イライラや怒りを抱えやすい人、怒りをため込んで人間関係に影響を及ぼす人など、幅広い層に向けられています。

大きな価値感に気がつく

アンガーマネジメントは「怒ってはいけない」という抑圧ではなく、「怒りに気づき、どう扱うか」を学ぶ方法です。イライラを爆発させて後悔する方や、反対に我慢して溜め込んでしまう方に特に効果的です。

怒りの背後には自分の大切な価値観や欲求が隠れています。それに気づくことで、怒りを単なる衝動ではなく、自分を理解するためのサインとして受け止められるようになります。結果として、人間関係の改善やストレス軽減につながっていきます。

実生活に役立つ具体的な練習

個人レッスンでは、アンガーマネジメントの具体的なスキルを日常生活に取り入れていきます。例えば「6秒ルール」で衝動的な反応を抑える練習や、怒りの強度を数値化して自分のパターンを把握するワーク、伝えたい気持ちを冷静に言葉で表現する練習などを行います。

実際の場面を想定しながら学ぶことで、「怒りに振り回される自分」から「怒りを活かして行動できる自分」へと変化を実感していくことができます。安心できるサポートの中で、新しい自分に出会える時間になるでしょう。

学習内容

アンガーマネジメントの個人指導では、以下の内容を取り扱います。

* 怒りの正体とそのメカニズム
* 怒りの「第1感情」「第2感情」を読み解く
* 「6秒ルール」と怒りのピーク対処法
*怒りの温度計で冷静になる
*現実に戻る,クラウディング法
* 怒りを生み出す「べき思考」の仕組み
* 具体的な場面別・伝え方のトレーニング

指導者は国家保持者の公認心理師です。

受講代金

レッスン代  29,800円(税込)
・レッスン回数 70分×2回分
・資料,送料込み
・途中解約時は未受講分を返金できます

お申込み

お申し込みはこちらより必要事項をご記入の上でご依頼ください。

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お試し‐アンガーマネジメント

ここからはアンガーマネジメントで学ぶ内容を一部紹介します。まずはお試しとしてご活用ください。

6秒深呼吸ルール

【概要説明】
怒りは一瞬で爆発しがちですが、実は6秒ほどでピークを過ぎると言われています。「6秒深呼吸ルール」は、怒りを感じたらすぐ反応せず、ゆっくり深呼吸して6秒待つ方法です。その間に感情が少し落ち着き、冷静に対応できる余裕を取り戻すことができます。

【問題】
家族に「また片づけてないね」と注意されてカッとなりました。どう対応しますか?

1. すぐに言い返してしまう
2. 深呼吸して6秒やり過ごす
3. 黙って部屋を出ていく

【回答例】
②が「6秒深呼吸ルール」です。怒りのピークをやり過ごすことで冷静さを取り戻せます。①のようにすぐ反応すると後悔が残りやすく、③は悪くはないですが、毎回話し合いを避けると問題を先送りする癖がつきます。ただし、怒りがかなり強い場合は③でもOKです。

個人レッスンでは、実際の場面を想定して「6秒待つ練習」を行います。

怒りの温度計

【概要説明】
怒りの強さを0〜10で数値化する「怒りの温度計」は、自分の感情を客観的に把握する方法です。小さな苛立ちも「3」、大爆発しそうなら「9」と数字でとらえることで、怒りに飲み込まれず対応の幅が広がります。

【問題】
友人が約束の時間に15分遅れてきました。そのときの心の中で怒りをどう表現しますか?

1. (最悪な奴だな!もう二度と会わない)
2. (今の怒りは5くらいかな。まだ冷静だ」と数値化する)
3. (何も感じてはいけない…我慢しよう)

【回答例】
②が「怒りの温度計」です。感情を数値化することで気持ちを整理しやすくなります。①のように極端に反応したり、③のようにため込むと関係に悪影響を及ぼします。レッスンでは日常の怒りを数値で捉える練習を行います。

グランディング

【概要説明】
グランディングは、怒りや不安に飲み込まれそうなときに「今ここ」に意識を戻す技法です。足の裏を床に感じたり、周囲の音や匂いに注意を向けたりすることで、思考の暴走を止め、落ち着きを取り戻せます。

【問題】
上司の一言にカッとなりそうになりました。そのときの対応として望ましいのは?

1. 頭の中で反論を繰り返す
2. 足の裏の感覚に注意を向ける
3. 我慢して感情を押し殺す

【回答例】
②がグランディングです。「いまここ」に意識を戻すことで、怒りの渦から一歩離れることができます。①や③のように思考や我慢にとらわれると、気持ちがさらに強まります。レッスンでは、実際に身体感覚を使った落ち着き方を練習します。

セルフトークを整える

【概要説明】
セルフトークとは、自分の心の中でのつぶやきです。怒りを感じたときに「絶対に許せない!」と考えると気持ちは増幅します。逆に「ちょっと落ち着こう」「話せば伝わる」と声をかけると、冷静さを保つことができます。

【問題】
友人にドタキャンされ、怒りが湧きました。そのときのセルフトークとして最も有効なのは?

1. 「ふざけるな!絶対に許さない」
2. 「まずは気持ちを整理してから伝えよう」
3. 「何も言わず関係を切ろう」

【回答例】
②が望ましいセルフトークです。自分への声かけを工夫することで、怒りに支配されず建設的な行動がとれます。①や③は感情的な選択に偏りやすく、人間関係の悪化につながります。レッスンでは、自分に合ったセルフトークを探す練習をします。

講師からのメッセージ

怒りはあなたの「心からのメッセージ」です。そのままぶつけてしまうと関係が壊れてしまいますが、適切に扱うことで、思いやりある行動につなげることもできます。怒らない自分になるのではなく、「怒りに流されない自分」を一緒に育てていきましょう。

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怒りと研究

怒りとストレスの関係

佐藤ら(2005)は、大学生155名をタイプAとタイプBの2群に分け、日常生活のストレスを比較しました。タイプAとは怒りやすい傾向がある人で、タイプBは穏やかな傾向がある人を意味します。その結果の一部が下図となります。

大学生のデリバリーハッスルとタイプA

タイプAの方が、全体的にストレスを溜めやすいことがわかります。怒りは自分自身を苦しめる感情であると言えます。

怒りと生理的な影響

井澤ら(2004)は、男子大学生20名に対して、怒りの生理的な影響について研究を行いました。その結果の一部が下図となります。

アンガーマネジメント 血圧との関係

図のように、衝動的な怒り情動を表す「短気」が、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と関連を示すことがわかりました。怒りを制御することはからだの健康においても大切と言えます。