家族療法との相性チェック
家族療法は、家族や身近な人との関わり方を見直し、より良い関係を築くための心理療法です。まずは以下の質問を通して、家族療法があなたに合っているかをチェックしてみましょう。
【質問項目】
1. 家族関係があまりよくない
2. 家族の問題を相談する人がいない
3. 親子や夫婦の関係で衝突が繰り返される
4. 家族に自分の気持ちを素直に伝えにくい
5. 誰かの問題が家族全体に影響している
6. 家族関係を今より良くしたいと思う
【結果と誘導文】
はいが4個以上:家族療法との相性がとても高いです
はいが2~3個:学んでおくと安心につながります
はいが0~1個:現状では大きな支障は少なめです
はいが2点以上の方は、以下の家族療法の説明を読んでみることをおすすめします。後半には、家族関係の理解を深めるためのお試しの練習問題も用意しました。ぜひ参考にしてみてください。
家族療法の概要
家族関係を見つめ直す「家族療法」
家族療法は、1950年代に精神科医マレー・ボーエンをはじめとした研究者たちによって体系化された心理療法です。「個人の問題は家族全体の関わり方とも深く結びついている」という考えに基づき、親子・夫婦・兄弟などの関係性を整えることで心の安定を目指します。
海外や日本でも広く実践され、思春期の子どもの問題、夫婦の不和、介護をめぐる葛藤など、幅広い場面に活用されてきました。
家族の絆を取り戻す力
家族療法は「誰が悪いか」を探すのではなく、「どう関わり方を変えれば楽になるか」を重視します。例えば、子どもの不登校やパートナーとの衝突なども、家族の中での役割やコミュニケーションの癖を見直すことで改善することがあります。
イライラやすれ違いが続く関係を柔らかく解きほぐし、安心できる対話や支え合いを築く力を養うのが特徴です。孤立感や無力感を抱えやすい方に特に効果的です。
実生活で活かせるレッスン
個人レッスンでは、家族療法の考え方をもとに実際の会話や関わり方を練習します。例えば「相手を否定せずに自分の気持ちを伝える方法」や「怒りや不安を悪循環にせず対話に変える工夫」などを具体的なワークで体験していただきます。
また、家族それぞれの立場に立って見直す練習をすることで、関係性を新しい角度から理解できるようになります。ひとりで悩みを抱え込むのではなく、安心できるサポートの中で学ぶことで、家族とのつながりを取り戻すきっかけになります。
学習内容
家族療法の個人指導では、以下のような内容を取り扱います。
* 家族療法とは,家族システムの考え方
* 問題行動の「背景」にある関係性
* 家族の中での役割とポジションに気づく
* 「問題を共有しない関わり方」の学習
* 境界線(バウンダリー)と自立した関係
* やりとりを変えるための言葉がけと行動
指導者は国家保持者の公認心理師となります。下記の動画で雰囲気など参考にして頂けると幸いです。
受講代金
レッスン代 29,800円(税込)
・レッスン回数 70分×2回分
・資料,送料込み
・途中解約時は未受講分を返金できます
お申込み
お申し込みはこちらより必要事項をご記入の上でご依頼ください。
お試し‐家族療法と問題
家族関係を理解するシステム論
【概要説明】
家族療法では、家族は一つの「システム」と考えます。一人の行動や気持ちは、家族全体のバランスや関係性と結びついています。誰かが不安定になると、他の家族が補おうと動き、逆にその行動が新しい問題を生むこともあります。個人の問題を孤立して見るのではなく、家族全体の仕組みとして理解するのがシステム論の基本です。
【問題】
子どもが学校に行き渋るようになり、母親は付き添いを始めました。その結果、父親は「もっと厳しくすべきだ」と母親を責めるようになりました。この状況は何を示しているでしょうか?
1. 母親が悪い行動をしている
2. 家族全体のシステムが影響している
3. 子どもだけの性格が原因
【回答例と解説】
②が正解です。子どもの不登校だけでなく、母親の対応や父親の反応も含めて「家族システム」として影響し合っています。家族療法では、一人を責めるのではなく、全体の関係性を見直すことで改善を目指します。
円環的因果律を理解する
【概要説明】
家族療法では「原因と結果は一方通行ではない」と考えます。例えば、夫が無口になると妻が不満を募らせ、さらに夫が話さなくなる…といったように、お互いの反応が循環しながら問題が続いていくのです。これを「円環的因果律」と呼び、悪循環を理解することが変化の第一歩となります。
【問題】
夫婦の会話で、妻が「どうせあなたは話してくれない」と責めると、夫はますます黙り込んでしまいます。このやり取りは何を表しているでしょうか?
1. 妻の性格が悪いから
2. 夫の努力不足が原因
3. 双方のやり取りが循環している
【回答例と解説】
③が正解です。一方的に誰かが悪いのではなく、やり取りが円を描くように続いているのが「円環的因果律」です。この仕組みに気づくと、新しい関わり方を考えやすくなります。
【個人レッスンへの誘導文】
悪循環に気づくことで、関係性を変える第一歩が生まれます。レッスンでは実際の場面を使いながら、円環的因果律を整理していきます。
家族に必要な境界線
【概要説明】
境界線とは、家族の中で「関係の距離感」を示す考え方です。親子の結びつきが強すぎると自立が妨げられたり、逆に距離が離れすぎると孤立感を招くこともあります。家族療法では、健康的な距離感=適度な境界線を意識することで、互いの成長と安心を両立させていきます。
【問題】
思春期の子どもが「一人でやりたい」と言ったとき、母親が細かく口を出し続けたらどうなるでしょう?
1. 子どもの自立が妨げられる可能性がある
2. 子どもの反抗心が強まるだけで終わる
3. 母親の言葉は常に正しい
【回答例と解説】
①が正解です。境界線が適切に保たれないと、子どもの自立や安心感が損なわれることがあります。家族療法では、適度な境界線を意識することでバランスの取れた関係を目指します。
ダブルバインド(二重拘束)
【概要説明】
ダブルバインドとは、矛盾するメッセージを同時に受け取り、どう反応しても責められるような状況のことです。例えば「自分の意見を言ってね」と言われたのに、言ったら「それは違う」と強く否定される場合などです。家族療法では、この矛盾に気づき、自由な表現ができる環境を整えることを大切にします。
【問題】
親から「自分の考えを言いなさい」と言われた子どもが意見を伝えたら、「そんな考え方はダメ」と怒られました。この状況は何を表しているでしょうか?
1. 子どもがわがままを言っている
2. 親の教育が正しい形
3. 矛盾したメッセージに縛られている
【回答例と解説】
③が正解です。これはダブルバインド(二重拘束)の典型例です。子どもはどう行動しても否定され、混乱や不安を抱えやすくなります。家族療法では、この矛盾を整理し、自由に表現できる関係を築くことを目指します。
【個人レッスンへの誘導文】
矛盾したメッセージから解放されると、家族の中で安心して話せるようになります。レッスンで一緒に整理していきましょう。
家族は大切な存在である一方、最も感情が動きやすい関係でもあります。うまくいかないとき、私たちは「相手をどうにかしよう」と必死になりますが、大切なのは「自分がどう関わるか」を整えること。家族との間に、健やかな距離と安心できる関係性を築くサポートをさせていただきます。