コミュニケーション能力とは何か?
皆さんはコミュニケーションと聞くとどんなイメージを持つでしょうか?
一般的には明るい笑顔で話し、会議で活発に議論をしていくといったイメージがあるかもしれません。IT系の方であれば、もう少し広く、メールやチャット、ツイッター等を含めてイメージするかもしれませんね。
学術的にもコミュニケーションの定義はわりと曖昧です。工学系の定義であれば、
「情報伝達」と定義されます。ここで言う情報とは、物質やエネルギーが構成する
一定の法則を意味します。
エネルギーや物質の持つ一定の法則が、メディアによって行き来すればそれが
コミュニケーションとなります。
何でも良いのですが、今このコラムはキーボードで作られた言葉で書かれていますが、
これは画面の上に言語を書いて形を作っています。
これは広義の意味で私が画面上に物理的な法則を作っているのです。
これをメディアである、インターネットを通して皆さんに伝え、それを皆さんなりに理解してもらっている。
この一連の作業がコミュニケーションです。
もっと広く考えると、冷え性の方と暑がりの方が手を繋ぐと手がメディアになって冷え性から暑がりに
温度が伝わります。これもコミュニケーションです。ちょっと意味が広すぎますね(笑)
このように学術的にはコミュニケーションという言葉自体が、まだしっかりと定義がなされていません。
ですから、一般的に使われているコミュニケーションという言葉もぼんやりとしか使われないので、
なんだか漫然としたイメージしか抱けないのです。
しかし、このコミュニケーション能力という定義をしっかりとさせていかなければ、
取り組む課題も漫然としたものになってしまいます。
そこで、現代社会で生きていくために必要となる「コミュニケーション能力」を改めて定義してみましょう。
弊社の基本的な考え方として現代社会で必要となるコミュニケーション能力は
- 1.メンタルヘルス
- 2人間関係を築く力
- 3.情報を生成する力
- 4.情報を伝達する力
- 5.情報を読み取る力
であると考えています
1.メンタルヘルス
まずあらゆるコミュニケーションの土台となるのはメンタルヘルスです。
例えば皆さんは、孤独を感じていたり、うつっぽいときに明るく話したり、
会議の席で創造的なアイデアを発言することができるでしょうか。
なかなか難しいと思います。
心理統計的にもコミュニーション能力は孤独感や対人不安と正の相関があることが分かっています。
そのためコミュニケーション能力を考える上では必ずメンタルヘルスの状態について把握しておく
必要があります。
2.人間関係を築く力
人間関係を築くとは、朝挨拶をしたり、御礼を言ったり、お客様に笑顔を振りまいたりするなどの、
基本的な人間関係を築くためのスキルです。
わりとイメージしやすいのではないでしょうか。人間関係を築く力はソーシャルスキルとも言われ、
コミュニケーション能力の中核を占める能力だと言えます。
家族であれ、会社であれ、どんなコミュニティであれそこには人間関係があります。
この時人間関係を築く力がないと現代社会はかなり生きにくくなってしまいます。
組織で起こる半分ぐらいの問題はこの人間関係から始まると言っても過言ではないでしょう。
3.情報を生成する力
情報を生成する力には少し説明が必要です。
まず「情報」はインプット型とアウトプット型に大別されます。インプット型の情報とは、
すでに誰かが作り出した情報です。例えば新聞の記事、教科書に書いてある知識などが挙げられます。
インプット型の情報には弱点があります。それは相対的に価値が低いという点です。
例えば、日本の首相が誰か?と言う問いの答えは誰でも知っていることです。
無価値と言うわけではありませんが、誰でもが知っている情報ですのでそこそこの価値しかありません。
これに対して、アウトプット型の情報とは、インプットされた情報を組み合わせ、新しく生成された情報です。
アウトプット型の情報は自分自身が組み合わせて作ったオリジナルの情報で、希少性のある優れた情報
になる可能性があります。
希少性とはいつの世も強みの象徴になります。この人にしか出来ない、世界に1つしかない・・・・
少ないものには価値があるのです。
4.情報を伝達する力
情報を伝達する力の説明に入りましょう。情報を生成する力があったとしても、
これは他人に伝わらなくては宝の持ち腐れとなります。
例えばボソボソと話したり、プレゼン能力が低かったりすると、せっかくの貴重なアイデアが無駄に
なってしまうのです。
自分が作ったすばらしい情報は相手に伝えなければ世の中に存在しないのと同じです。
ビジネスの場面では、情報の伝達力もとても大事になってきます。
5.情報を読み取る力
情報を読み取る力とは、情報をインプットする能力です。
会話の中から相手の意図を正確に読み取ったり、的確に質問をしたりする能力です。
インプット情報はアウトプットする情報の元となる貴重な情報となります。
その意味で相手の話を効率よく聞く力が必要となるでしょう。
このように、現代社会で生きていくために必要となるコミュニケーション能力には5つ
の力が必要です。
また、その必要性は個人が生きて行く環境によって異なってきます
例えばアパレルなどの店頭に立つ仕事をする販売員にとっては、言うまでもなく人間関係を築く力
が重要になってくるでしょう。
しかし、同じ会社でもデザイナーという職種であれば話は別です。いくらデザイナーさんに人間関係を
築く力があったとしても、肝心のデザイン力が無ければ仕事になりません。デザイナーという仕事には
人間関係を築く力よりも、情報を生成する力の方が求められるのです。
このようにヒトコトでコミュニケーション能力といっても、5種類ある力のうちどれが必要なのかは会社の
業態や職種、個人が属しているコミュニティによって大きく異なるのです。
そのため画一的なコラムを書いても費用の無駄になってしまいます。まずは御社がどんなコミュニケー
ションを必要としているのかを詳細に把握した上で、効果が上がるようにコラムを執筆していきます。
せっかく予算を取って書くわけですから無駄にならないように全力を尽くしたいと考えています。