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親ができるいじめの証拠の集め方とは?

いじめ撲滅

~ ご家族の方はこちら ~ 親ができるいじめの証拠の集め方とは?

はじめまして!いじめ撲滅委員会代表、公認心理師の栗本顕です。私の専門は「いじめ」です。心理学の大学院で研究もしてきました。現在はいじめの問題を撲滅するべく、研修やカウンセリング活動を行っています。

いじめ撲滅委員会代表栗本顕

今回のテーマは「親ができるいじめの証拠の集め方」です。お子さんがいじめにあっているのに、学校が動いてくれない。そんな時、親として何をすればよいのでしょうか。証拠があれば学校も対応せざるを得なくなります。

目次は以下の通りです。

 

①いじめの証拠が必要な理由
②いじめの証拠になるもの一覧
③証拠集めの具体的な手順
④診断書の取得方法
⑤学校との効果的な交渉術
⑥探偵や専門家への依頼
⑦弁護士への相談タイミング
⑧証拠収集時の注意点
⑨証拠がない場合の対処法

 

お子さんを守るために必要な知識を分かりやすくお伝えします。ぜひ最後までご一読ください。

いじめの証拠が必要な理由

いじめの問題を解決するためには、証拠が欠かせません。なぜなら、証拠がないと学校や加害者側が事実を認めないことが多いからです。

多くの学校では「証拠がないから対応できない」と言われてしまいます。これは学校が責任を避けたいという気持ちの表れでもあります。しかし、しっかりとした証拠があれば、学校も無視することはできません。

また、いじめによって心や体に傷を負った場合、慰謝料や治療費を請求することも可能です。その際にも証拠は必要不可欠です。警察に相談する場合も同様で、証拠があることで事件として扱ってもらいやすくなります。

証拠は「お子さんの苦しみを証明する大切な手段」なのです。一人で悩まず、きちんと証拠を集めて対処していきましょう。

いじめの証拠になるもの一覧

いじめの証拠には様々な種類があります。どのような証拠が有効なのかを知っておくことで、適切な対応ができるようになります。

写真・動画による証拠

写真や動画は最も分かりやすい証拠の一つです。目で見て確認できるため、学校や相手方も否定しにくくなります。ただし、撮影には十分な注意が必要です。

撮影できる証拠は以下になります。

いじめの現場
壊された持ち物
体についた傷
汚された制服
落書きされた物
破られた教科書
隠された靴
投げられたゴミ

写真や動画を撮る時は、日付と時間が分かるようにしておきましょう。スマートフォンなら自動的に記録されます。また、一つの証拠を色々な角度から撮影することで、より説得力のある証拠になります。

音声による証拠記録

音声による証拠は、言葉によるいじめを証明する重要な手段です。ICレコーダーやスマートフォンのアプリを使って録音することができます。

録音できる内容は以下になります。

悪口や暴言
脅しの言葉
からかいの声
仲間外れの会話
先生への相談
加害者の証言
目撃者の話
学校との面談

録音する際は、お子さんの安全を最優先に考えてください。無理に録音しようとして、いじめがひどくなることもあります。また、録音していることがバレないよう、十分に注意が必要です。

日記・メモの作成

日記やメモは継続的な記録として非常に価値があります。毎日の出来事を詳しく書くことで、いじめの全体像を把握することができます。

記録すべき項目は以下になります。

いつ起きたか
どこで起きたか
誰がしたか
何をされたか
目撃者はいたか
その時の気持ち
体の調子
学校への報告

日記は手書きでノートに書くことをおすすめします。後から書き直したのではないかと疑われないためです。毎日続けることで、信頼性の高い証拠になります。

SNS・ネット上の証拠

最近はインターネットを使ったいじめも増えています。LINEやTwitterなどのSNSでの悪口やからかいも立派ないじめです。これらの証拠も必ず保存しておきましょう。

保存すべき証拠は以下になります。

LINEのやりとり
メールの内容
SNSの投稿
掲示板の書き込み
動画の投稿
写真の拡散
なりすまし
個人情報の暴露

スクリーンショットを撮って保存することが大切です。相手が削除してしまう前に、必ず証拠を残しておきましょう。日付と時間も一緒に保存できるとさらに良いです。

 

証拠集めの具体的な手順

証拠集めは計画的に行うことが重要です。闇雲に証拠を集めようとしても、効果的な結果は得られません。順序立てて進めていくことで、より強力な証拠を集めることができます。

初期対応でやるべきこと

いじめが発覚したら、まず落ち着いて初期対応を行いましょう。この段階での対応が、その後の証拠集めに大きく影響します。感情的にならず、冷静に行動することが大切です。

最初にやるべきことは以下になります。

子どもの話を聞く
安全を確保する
証拠を保全する
記録を開始する
学校に連絡する
写真を撮る
医師に相談する
弁護士に相談する

お子さんからしっかりと話を聞くことから始めましょう。否定せず、最後まで話を聞いてあげることが重要です。そして、これ以上被害が拡大しないよう、安全の確保を最優先に考えてください。

継続的な記録方法

証拠集めは一度だけでなく、継続的に行う必要があります。いじめは繰り返し行われることが多いため、その度に記録を残すことで、より説得力のある証拠になります。

継続的に記録する内容は以下になります。

毎日の出来事
体調の変化
学校の対応
治療の記録
相談の内容
写真や動画
音声データ
関係者の証言

記録は詳しく、具体的に書くことが大切です。「いじめられた」だけでなく、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」したのかを明確に記録しましょう。時間が経つと記憶があいまいになるため、その日のうちに記録することをおすすめします。

証拠の整理と保管

集めた証拠は適切に整理して保管することが重要です。いざという時にすぐに取り出せるよう、分かりやすく整理しておきましょう。また、証拠を失わないよう、バックアップも作成しておくと安心です。

証拠の整理方法は以下になります。

時系列で並べる
種類別に分ける
コピーを作る
デジタル保存
クラウド保存
物理的保管
目録を作成
第三者に預ける

証拠は原本とコピーの両方を保管しておきましょう。原本は大切に保管し、学校や弁護士への提出にはコピーを使います。デジタルデータは複数の場所に保存し、万が一の時に備えておくことが大切です。

 

診断書の取得方法

いじめによって心や体に影響が出た場合、医師の診断書は重要な証拠になります。診断書があることで、いじめの深刻さを客観的に証明することができます。

医療機関での相談

お子さんの体調に変化があったら、遠慮せずに医療機関を受診しましょう。外傷がある場合は整形外科や外科、心の問題がある場合は心療内科や精神科が適切です。小児科でも対応してもらえます。

受診する診療科は以下になります。

心療内科
精神科
小児科
整形外科
外科
内科
皮膚科
眼科

医師にはいじめが原因であることを正直に伝えましょう。診断書にもその旨を記載してもらうことで、いじめとの因果関係が明確になります。また、治療の経過も記録してもらうと、より詳細な証拠になります。

診断書の費用と期間

診断書の作成には費用がかかり、通常は保険の対象外です。費用は病院によって異なりますが、一般的な相場を知っておくと安心です。また、作成にかかる期間も病院によって違います。

診断書の詳細は以下になります。

費用:3000円~8000円
期間:即日~2週間
保険:適用外
様式:病院指定
内容:症状と原因
有効期限:なし
再発行:可能
英訳:別料金

急いで診断書が必要な場合は、事前に病院に相談してみましょう。場合によっては即日発行してもらえることもあります。費用についても事前に確認しておくと、準備ができて安心です。

学校との効果的な交渉術

証拠が集まったら、学校との交渉に移ります。感情的にならず、冷静に事実を伝えることが重要です。準備をしっかりして臨みましょう。

証拠を使った学校交渉

学校との交渉では、集めた証拠を効果的に活用することが大切です。証拠を見せながら、具体的に何が起きているのかを説明しましょう。感情論ではなく、事実に基づいて話すことで、学校も対応せざるを得なくなります。

交渉の準備は以下になります。

証拠をまとめる
要求を整理する
面談を申し込む
複数で参加する
録音の準備
文書で記録
期限を設定
次の手段も検討

学校との面談では、必ず複数の人で参加することをおすすめします。一人だと学校側が有利になりがちですが、複数人いることで対等な立場で話し合いができます。また、面談の内容は必ず記録に残しておきましょう。

内容証明郵便の活用

学校が口約束だけで済ませようとする場合、内容証明郵便を送ることも有効です。正式な文書で要求することで、学校側も真剣に対応するようになります。また、法的な証拠としても価値があります。

内容証明の内容は以下になります。

いじめの事実
学校の対応不備
具体的な要求
対応期限
証拠の添付
法的措置の示唆
連絡先の明記
今後の対応

内容証明郵便は郵便局で手続きできますが、弁護士に依頼することもできます。弁護士名で送ることで、より大きな効果が期待できます。文面も法的に適切なものを作成してもらえます。

探偵や専門家への依頼

個人での証拠集めには限界があります。より確実な証拠を集めたい場合は、探偵などの専門家に依頼することも検討しましょう。

探偵事務所の活用

探偵事務所では、プロの技術を使って証拠を集めてもらえます。特に、親では近づけない学校内での様子を調査してもらうことができます。ただし、費用がかかるため、事前によく相談してから依頼しましょう。

探偵ができることは以下になります。

尾行調査
張り込み調査
聞き込み調査
撮影調査
録音調査
証拠収集
報告書作成
証言収集

探偵事務所を選ぶ際は、いじめ調査の実績があるところを選びましょう。また、費用についても事前に詳しく確認することが大切です。調査期間や方法についても、よく相談してから決めましょう。

親が行う際の限界

親が自分で証拠を集めることには限界があります。学校内に入ることはできませんし、他の子どもたちから話を聞くことも困難です。また、感情的になりやすく、冷静な判断ができなくなることもあります。

親の証拠集めの限界は以下になります。

学校内への立ち入り
他の児童への接触
専門的な調査技術
法的な知識不足
感情的な判断
時間的な制約
費用の問題
安全性の確保

無理をして証拠を集めようとすると、かえって状況が悪化することもあります。お子さんの安全を最優先に考え、必要に応じて専門家の力を借りることも大切です。一人で抱え込まず、相談できる人を見つけましょう。

弁護士への相談タイミング

いじめの問題が深刻になったら、弁護士への相談も検討しましょう。法的な観点からアドバイスをもらえるため、より効果的な対応ができるようになります。

弁護士相談の必要性

弁護士に相談することで、法的な権利や手続きについて正しい知識を得ることができます。また、学校や加害者との交渉も代行してもらえるため、精神的な負担が軽減されます。損害賠償請求や刑事告発についても相談できます。

弁護士ができることは以下になります。

法的アドバイス
学校との交渉
証拠収集指導
内容証明作成
損害賠償請求
刑事告発
民事訴訟
示談交渉

弁護士に相談する前に、これまでに集めた証拠をまとめておきましょう。時系列で整理し、どのような被害があったのかを分かりやすく説明できるようにしておくことが大切です。

無料相談の活用法

弁護士への相談には費用がかかりますが、無料相談を行っている弁護士事務所もあります。また、弁護士会や自治体でも無料の法律相談を実施しています。まずは無料相談を活用してみましょう。

無料相談の種類は以下になります。

弁護士会の相談
自治体の相談
法テラス
弁護士事務所
電話相談
オンライン相談
子ども専用相談
学校問題専門

無料相談の時間は限られているため、事前に質問内容をまとめておきましょう。また、相談後に有料での依頼を検討する場合は、費用についてもしっかりと確認することが大切です。

証拠収集時の注意点

証拠を集める際には、法律やプライバシーに関する注意点があります。間違った方法で証拠を集めると、逆に問題になることもあるため、十分に注意しましょう。

法的な問題を避ける

証拠収集では、プライバシー権や肖像権に注意する必要があります。勝手に他人を撮影したり、録音したりすることは法的な問題となる場合があります。特に隠し撮りや隠し録音については、慎重に行う必要があります。

注意すべき法的問題は以下になります。

プライバシー権
肖像権
盗撮・盗聴
不法侵入
名誉毀損
信用毀損
脅迫・強要
偽計業務妨害

ただし、いじめの証拠収集という正当な目的がある場合は、ある程度の権利侵害は許容される場合もあります。不安な場合は、弁護士に相談してからアドバイスをもらいましょう。

子どもの安全を最優先

証拠集めも大切ですが、何よりもお子さんの安全が最優先です。証拠を集めようとして、いじめが悪化したり、お子さんが危険な目にあったりしては意味がありません。無理をせず、安全を確保しながら進めましょう。

安全確保のポイントは以下になります。

子どもの同意
危険性の判断
段階的な対応
逃げ道の確保
相談体制
心理的ケア
医療的ケア
法的保護

お子さんが嫌がっている場合は、無理に証拠集めを進めてはいけません。まずはお子さんの気持ちを大切にし、安心できる環境を作ることが重要です。証拠集めはその後でも十分に間に合います。

証拠がない場合の対処法

証拠が不十分だからといって、諦める必要はありません。証拠がない場合でも、できることはたくさんあります。現在の状況から始められることを考えてみましょう。

証拠不足でもできること

直接的な証拠がなくても、状況証拠を集めることで、いじめの事実を証明することは可能です。また、目撃者の証言や学校の記録なども重要な証拠になります。諦めずに、できることから始めてみましょう。

証拠不足でもできることは以下になります。

状況証拠の収集
目撃者の探索
学校記録の開示
関係者の証言
医師の診断
カウンセラー記録
友人の証言
家族の証言

学校には生徒の記録や指導記録などが残っている場合があります。これらの開示を求めることで、いじめの事実を立証できることもあります。また、担任や他の先生からの証言も重要な証拠になります。

今からでも間に合う対策

過去の証拠がなくても、今からでもできることはたくさんあります。記憶が新しいうちに詳細な記録を作成したり、関係者から話を聞いたりすることで、有効な証拠を集めることができます。

今からできることは以下になります。

記憶の整理
詳細な記録作成
関係者への聞き取り
医療機関の受診
学校への報告
教育委員会への相談
専門家への相談
法的手続きの検討

時間が経つほど記憶があいまいになり、証拠も失われていきます。できるだけ早く行動を起こすことが重要です。一人で悩まず、信頼できる人に相談しながら進めていきましょう。

まとめ

いじめの証拠集めは、お子さんを守るための大切な手段です。写真や動画、音声記録、日記やメモなど、様々な方法で証拠を集めることができます。ただし、お子さんの安全を最優先に考え、無理をしないことが重要です。

学校との交渉では、感情的にならず冷静に事実を伝えましょう。必要に応じて弁護士や探偵などの専門家の力も借りることで、より効果的な解決が期待できます。証拠がない場合でも諦めず、今からできることを始めてみてください。

お子さんの笑顔を取り戻すために、一歩ずつ前進していきましょう。あなたは一人ではありません。多くの人があなたとお子さんを支えています。

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