~ 被害者の方はこちら ~ LINEいじめへの8つの対処法-いじめの専門家が解説
こんにちは!いじめ撲滅委員会代表,学校心理士の栗本顕です。私の専門は「いじめ」です。心理学の大学院で研究もしてきました。
現在はいじめの問題を撲滅するべく、研修やカウンセリング活動を行っています。また全国の小~高校生、保護者や先生へのカウンセリングや教育相談も行っています。
今回のテーマは
「LINEいじめ」
です。
さまざまな種類のいじめがある中、時代背景とともに、いじめは姿形を変えてきました。こうした変化にも教職員は、柔軟に対応していくことが大切です。
目次は以下の通りです。
・児童生徒を取り巻くSNS
・LINEいじめのメカニズム
・LINEいじめの7つの対処法
ネットいじめの基礎から対処法までわかりやすく解説していきます。
LINEいじめと深刻さ
LINEいじめは大きく以下の原因により深刻化しやすいと言えます。
・想像しにくさ
・ネットリテラシーの低さ
・グループ機能と閉鎖性
・同調圧力が生じやすい
想像しにくさ
ネットでは相手の顔が見えないため、傷ついているかわかりにくいという特徴があります。表情や声の調子など、人間関係に大切な要素がないため、相手のつらさが伝わりにくいのです。
特にいじめる側は「ただのじょうだん」のつもりでも、いじめられる側には「つらいいじめ」と感じられていることが多いです。このような気持ちのずれが、直接会って話すときよりもネットでは起こりやすいのです。
ネットリテラシーの低さ
中学生・高校生はネットの使い方の経験が浅いです。そのため、SNSや掲示板での悪口などについて、相手がどう感じるか想像できないことがあります。
ふざけ半分で悪口を書き込んだり、ネット上なら何をやっても大丈夫と考えてしまう場合があります。
グループ機能と閉鎖性
LINEグループで起きるいじめは、学校のクラスで起きるいじめととても似ています。以下の図は、クラス内で起こるいじめの構造を簡単に示したものです。
クラスの中でのいじめは、まわりで見ている人たちが「いじめる人といじめられる人」を取り囲むことで、外にいじめの事実が伝わりにくくなっています。そのため、先生がいじめに気づくことが難しくなってしまうのです。
では、LINEいじめと比較してみましょう。以下の図は、「LINEいじめ」が発生している状況を簡単に示したものです。
LINEグループの中でも、多くの人が見ているだけで何もせず、いじめの事実が外に広まることがありません。学校内のいじめなら、グループ外の誰かがいじめに気づき、先生に知らせることができます。
でも、LINEいじめの場合、グループの中だけの話になりやすく、外からいじめの事実を知ることができません。そのため、先生たちがLINEいじめに気づくことがとても難しいのです。
同調圧力がかかる
LINEのグループでは、みんなと同じようにする圧力が強くかかります。例えば、グループ内でいじめがあった時、それを止めようとすれば、グループから外されるかもしれません。
あるいは、自分がいじめの対象になってしまうかもしれません。こうした怖さから、いじめに加わったり、見て見ぬふりをしてしまうのです。
LINEいじめへ8つの対処法
それでは、実際にLINEいじめへの対処はどのようにすればいいのかをご紹介していきます。LINEいじめはモニタリングが難しいため、児童生徒を内面から変えていくことが大切です。
今回は、8つのやり方を提案させて頂きます。
①証拠を残す
②ブロック機能を活用する
③トークの非表示機能を使う
④トークをミュートにする
⑤信頼できる人に相談する
⑥一緒にいて楽しい友人を大切に
⑦すぐに返信しない
⑧自分の時間を大切にする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①証拠を残す
つらいメッセージを見るのはとても辛いことですが、もし大丈夫なら、いじめのメッセージのスクリーンショットを撮っておきましょう。スマホの電源ボタンと音量ボタンを同時に押すと、画面を保存できます。
LINEのトーク画面では、メッセージの日時が表示されるので、いつ、どんなやりとりがあったのかが記録されます。これは、いじめの証拠として大きな力になります。
日付と時間も一緒に写そう
グループ名も画面に入れておこう
相手のアカウントがわかるように
証拠を集めることは、「自分は悪くない」という事実を示すためのものです。自分を責めないでください。あなたはただ、自分を守るための準備をしているだけなのです
②ブロック機能を活用する
LINEには、いじめから身を守るための「ブロック」機能があります。いじめてくる相手をブロックすると、その人からのメッセージが届かなくなります。
ブロックするには、相手のプロフィール画面を開き、「ブロック」を選びます。「ブロックするのは怖い」と思うかもしれませんが、あなたの心を守るために必要なことです。自分を守ることは決して悪いことではありません。
相手には通知されない
いつでも解除できる
過去のトーク履歴は残る
必要なら、信頼できる大人に手伝ってもらいながら、ブロック機能を使ってみましょう。あなたの心の平和を取り戻すための大切なステップです。
③トークの非表示機能を使う
いじめのメッセージが含まれるトークを完全に削除するのは、証拠がなくなるため避けたほうがいいでしょう。そんなとき便利なのが「非表示」機能です。
トーク一覧でいじめのあるトークを左にスワイプし、「非表示」を選ぶと、トーク一覧から消えます。ただし完全に削除されるわけではなく、後から「非表示」のメニューから見ることができます。
嫌な気持ちを防げる
証拠はしっかり残せる
必要なときだけ見返せる
非表示機能を使うことで、いじめのメッセージを毎日目にするストレスから解放されます。心の負担を減らしながらも、必要な証拠は残しておくことができる便利な機能です。
④トークをミュートにする
LINEには「ミュート」機能があり、特定のトークやグループからの通知を消すことができます。いじめのメッセージが来るたびに通知音が鳴ると、とても不安になりますよね。
ミュート機能を使えば、通知音やバイブレーションが鳴らなくなるので、あなたのペースでメッセージを確認できるようになります。トーク画面を開いて右上のメニューから「通知」を選び、オフにすることができます。
自分のタイミングで確認できる
グループだけミュートも可能
常に通知を気にしなくてよくなる
ミュート機能を使うことで、常に通知を気にする必要がなくなり、少し心が軽くなるかもしれません。まずは、通知のストレスから解放されることが大切です。
⑤信頼できる人に相談する
つらいことを一人で抱え込むのはとても大変です。勇気を出して、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。家族、先生、スクールカウンセラー、警察、友だち、誰でもいいのです。「相談するのは弱い証拠」なんて思わないでください。
むしろ、助けを求めることは、とても勇気のいる強い行動です。あなたの味方になってくれる人は必ずいます。
つらいことがあると切り出す
少しずつ話してもOK
LINEいじめだけ伝えるだけでOK
もし最初に話した人があまり理解してくれなかったとしても、がっかりしないでください。別の人に相談してみましょう。あなたの話を真剣に聞いてくれる人は必ずいます。
⑥一緒にいて楽しい友人を大切に
いじめをしてくる相手とは、できるだけ関わらないようにするのも一つの方法です。LINEではブロックや既読無視を活用し、学校でも極力関わらないようにしましょう。
その代わりに、あなたと楽しく会話できる友人と積極的に関わっていくことが大切です。もしそういう友達がまだいないなら、趣味や部活動などを通じて新しく友達を作る努力をしてみましょう。
いじめる人とは関わらない選択をする
楽しく会話できる友人を見つける
共通の趣味や関心事で新しい友達を作る
人間関係は選べるものです。自分を傷つける人と無理に関わる必要はありません。あなたの良さを理解してくれる人と過ごす時間を増やしていくことで、少しずつ心が軽くなっていきます。
いじめメッセージへの対応で大切なのは、相手のペースに巻き込まれないことです。感情的なメッセージが来ても、すぐに反応せず、時間を置いてから返信するようにしましょう。
⑦すぐに返信しない
いやがらせのLINEが来たらカチンときて、すぐに言い返したくなるものです。しかし、いじめっ子は、あなたの反応を楽しんでいること多いです。そこで、すぐに返信せず、数時間後に短く淡泊に返信しましょう。
すぐに返信せず、まずは深呼吸
時間をおいて、冷静になってから対応する
返信する内容は短く、感情を入れない
時間をおいて返信することで、相手のペースに振り回されない関係を作れます。最終的には相手も「すぐに反応がない」とわかれば、いじめの効果が薄れて、次第に減っていくことも期待できます。
⑧自分の時間を大切にする
LINEいじめに悩むと、どうしてもそのことばかり考えてしまいがちです。でも、あなたの人生はLINEだけではありません。いじめのことを忘れて、好きなことに集中する時間を作りましょう。
好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、スポーツをしたり、家族と過ごしたり…。LINEから離れて、自分が本当に楽しいと感じることに時間を使うことで、心のバランスを保つことができます。
一日30分はLINEを見ない時間を作る
好きな活動に集中する時間を持つ
自分の気持ちを日記に書き出してみる
いじめの影響で自信をなくしているときこそ、「自分には価値がある」と思い出すことが大切です。あなたらしさを大切にして、心の健康を守りましょう。
まとめとお知らせ
動画解説
LINEいじめについては動画も作成しています。良かったらご覧ください。
まとめ
いじめの形態は時代と共に変わっていきます。現在社会はITといじめが密接に関わることが多くなっています。
特に10代の学生は最新のアプリやSNSをどんどん取り入れ、大人が知らないうちにいじめを発展させていることが多々あります。
繰り返しになってしまいますが、先生もこれらのアプリに触れるようにして、是非予防に努めてほしいと考えています。
お知らせ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。