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発達障害社員対応研修

①初めての会社様へ

発達障害社員 対応研修

研修の概要

職場にいるちょっと変わった人

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職場でちょっと変わっているな・・・と思った人はいませんか?実はその社員が発達障害である可能性があります。発達障害とは、広範性発達障害、注意欠陥多動性症候群、学習障害などを意味します。発達障害の社員は、脳の器質的な問題を持つため、一般の社員と同じような基準で評価をしたり、仕事を割り振っても会社にとっても本人にとってもマイナスになることが多いです。

例えば発達障害の中にアスペルガー障害があります。アスペルガー障害の方知的な能力は保たれている一方で、非言語の読み取りが非常に苦手だと言われています。よくある行き違いが「この書類適当に仕上げておいて」という抽象的な指摘です。こういった抽象的な指摘は健常者では今までの経験から大体の落としどころがわかるものですが、アスペルガー障害の方はとても混乱してしまいます。結果、アスペルガー障害の方なりに仕上げても、上司の理想とは程遠い仕上がりになってしまい、評価が下がるという問題に発展していきます。この問題を社員に押し付けるには酷で、経営者、人事、上司が問題を共有していかなくてはなりません。

 発達障害の有病率は広汎性発達障害が2%、注意欠陥多動性症候群が3~5%、分類不能なものは1~2%と言われています。会社でいえば20人に1人ぐらいはいらっしゃるということです。単純にこの比率を会社に当てはめることがもちろんできないですが、仮にこの数をそのまま会社に当てはめると500人の規模でいえば25人程度、1000人の会社であれば50人もの社員がいる計算になります。

ダメ社員として埋もれさせていませんか?

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発達障害の問題について実は未解明の部分が多く、ここ15年ぐらいでやっと社会的に認知されてきた問題です。経営者の方、人事の方もこの問題に精通した方はほとんどおらず、間違った対処をかなりしてしまっている会社がかなりあります。

例えば、発達障害とは知らず、
「あの社員は上司の指示がきけない」
「まったく融通がきかない」
「同じミスばかりする」

といったように“ダメ社員”のレッテルを張ってしまうことです。

もし、その方が何らかの発達障害を抱えていて、苦しんでいたらどうでしょう?
本人達はいたってまじめで、わざと仕事でミスをしたり、上司の指示をきいていないわけではありません。

発達障害の方はできない部分もありますが、逆にできる部分も多く持ち合わせています。
記憶力が極端に良かったり、ある分野に関しての知識が豊富にあったりと、普通の人にはない能力を持っていたりします。
そうした能力を活かせないまま“ダメ社員”として、埋もれさせては企業にとってもマイナスになってしまいます。

発達障害はその特性を理解できれば、その方にあった部署の仕事について能力を発揮することできます。当研修ではこのような発達障害についての理解と、会社の対処法について具体的に学んでいきます。

発達障害の知識から対応法までを強化

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研修においてはまずは、社員の「発達障害っぽさ」とは一体何なのか?その評価、理解、対応力を強化していきます。主に管理職、人事、経営者の方々に向けて、以下の5つのアプローチを行います。

★ 各種発達障害の特徴を学ぶ
★ 発達障害と制度に関する知識(障害者雇用制度など)
★ 間違った対処法の代表例を学ぶ
★ 実践的なトレーニングとしてロールプレイ
★ 発達障害と制度に関する知識(障害者雇用制度など)

目次

1日目 アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム障害、社会的コミュニケーション障害
2日目 ADHD(注意欠如・多動性障害)
3日目 学習能力のアンバランス(学習障害)、知的な制約(境界知能)
4日目 自己中心的な性格

詳しい内容

1日目 システム化が強い(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム障害、社会的コミュニケーション障害)

①何が困ってる?
・こだわりが強くて指示に従わない。
・気配りができない。
・セールストークの布石となる雑談が苦手。

②どうする?
・システム化(男性脳)と共感性(女性脳)のそれぞれの働きを知る。
・心の進化の歴史から理解する(進化心理学)
・問題点を具体的に示す(具体化)
・視覚認知に訴える(ビジュアルラーナー)。
・パターン認識、パターン学習を積み重ねる(構造化)
・よくある事例で実践練習

③利用できる制度
・障害者手帳について
・障害者雇用について
・診断機関

2日目 ADHDの特性(注意欠如・多動性障害)

①何が困ってる?
・うっかりミスが多い。
・落ち着きがない。
・すぐにカッとなる。
・机の整理ができない
・すぐにものをなくす。
・ハマると抜け出せない。
・2つの作業(ながら行動)が同時にできない。

②どうする?
・ADHDの特性の二面性を知る。
・心の進化の歴史から理解する(進化心理学)。
・集中しやすいように机を配置する(刺激抑制)。
・やるべきことを小分けにして優先度をつくる(作業内容の構造化)。
・挨拶、日課、時間割による定時を決める(時間の構造化)。
・机や部屋の整理のための定位置を決める(場所の構造化)。
・メモ帳をシステマチックに書く(記載の構造化)。
・達成感を目に見える形にする(行動療法)
・システム化の良さを伸ばす(キャリアカウンセリング)
・よくある事例で実践練習

③利用できる制度
・障害者手帳について
・障害者雇用について
・診断機関

④教材
・アニメ「ドラえもん」
・坂本龍馬
・織田信長
・エジソン

3日目 学習能力のアンバランス(学習障害)、知的な制約(境界知能)

①何が困ってる?
・できることできないことが極端。
・理屈が通じない。
・同じ間違いを繰り返す。
・何も考えていない。
・すぐ人のせいにする。

②どうする?
・学習能力の個人差を知る(読字障害、書字障害)
・知的能力の個人差を知る(知能)
・社会的能力の個人差を知る(社会的知能)
・振り返りを助ける(メタ認知)
・ルールを徹底する(行動療法)
・何ができて何ができないのかを見極める(仕事内容の限界設定)
・いつまでに達成できなければどうするかを先に決める(時間の限界設定)
・その人の限界を職場の共通認識として理解する(集団規範)
・よくある事例で実践練習

③利用できる制度
・障害者手帳について
・障害者雇用について
・診断機関

④教材
・映画「アイアムサム」
・映画「インハーシューズ」

4日目 自己中心的な性格(パーソナリティの偏り)
①何が困っている?
・好き嫌いが激しい。
・不平不満が多い。
・威圧的な態度をとる。
・振り回して楽しんでいる。

②どうする?
・叱る(指導する)ためにほめる(承認)
・信頼関係をつくる(ラポール)
・言い方を工夫する(アサーション)
・複数で対応する(客観化)
・問題点をオープンにする(透明性)
・全体の場で一般論として具体的な問題点を言う(集団規範)
・問題行動を一般論として書面化し掲示する(牽制)
・特別扱いしない(心理的距離の限界設定)
・孤立させて包囲する(同調)
・よくある事例で実践練習

③利用できる制度
・障害者手帳について
・障害者雇用について
・診断機関

講師紹介

兵働、川島達史

講師から会社様へ

この講座を通して、今まで「変だ」「困った」と思っていた社員が、実は発達障害の傾向(非定型発達)があると気付くことで、彼らの思考パターンが理解できます。そして、より良いコミュニケーションのコツが見えてきます。

また、受講する方々が、発達障害の傾向(非定型発達)がある上司、同僚、部下へのより良い対応を学ぶだけでなく、自分自身の中の発達障害っぽさへの気付きが得られ、自己学習していくことも狙っています。

講座を開催する場合、より実践的に、より楽しく、より盛り上げていくためにも、そちらの職場で実際に困っている人について、それぞれの受講者に以下のような匿名の事前アンケートをとり、ケーススタディとして活用することを提案させていただいています。

ケーススタディのための事前アンケート

・あなたの職場ではどんな困った人がますか?
・すでにどういう対応をしましたか?
・どうなることを望みますか?

当研修が、そちらの会社の社員の方々のより良いコミュニケーションのスキルを伸ばしていくことに役立つことを心より願っています。