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4.コミュ力を向上させる職場作り 朝礼スピーチ

4.コミュ力を向上させる職場作り 朝礼スピーチ

コミュニケーションをとる機会は減少

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その上で,具体的な仕組みを作るわけですが,こちらは会社ごとに色々なプランが考えられると思います。昔であれば,仕事終わりに上司が部下を飲みに誘って悩みの相談を受けたり,同僚同士で憂さ晴らしをしたりするのが慣例だったかもしれません。しかし,現
代の若者はお金がないために日々外で飲み歩くことは難しいですし,上司とのコミュニケーションも嫌がる傾向にあります。賛否はあるかもしれませんが,時間外のコミュニケーションが難しくなっている以上、就業時間内にコミュニケーションをする機会を作らざるをえないような状況にあります。

コミュ力を向上させる様々なアイデア

では,就業時間内にどのような形でコミュニケーションをする機会を作ればいいのでしょうか。いくつかのアイデアを列挙してみたいと思います。会社によって取り入れられそうなものがありましたら検討してみてください。

朝礼スピーチでトレーニング

まずは朝礼を活かすことが挙げられます。多くの会社で取り組んでいることだとも思いますが,朝のスピーチを定期的に社員に行わせることはとてもお勧めです。特に会社であれば,自社商品の売り込みなどでプレゼンする機会があると思いますが,プレゼン力を鍛
えるには日々会社の内部でトレーニングしなくてはなりません。1ヵ月に1 度設定すれば,年12回は人前で話す機会を作ることができます。週に1 回なら年間48回です。これだけ毎日人前で話す訓練をすれば,かなりプレゼン力はついてくるでしょう。

そして,上司は稚拙なスピーチであってもダメ出しばかりするのではなく,万来の拍手で誉めてあげることが重要です。特に日本の会社では誉めるよりも,叱る頻度が高い文化があります。もちろん甘やかす必要はありませんが,本人の目線に立ってよいところを見
つけ,しっかり誉める習慣を身につけてほしいものです。

しかし,スピーチの時間を設定すると,どうしても既存の業務の時間が圧迫されてしまうという問題が起こります。例えば20人の部署で毎週1 回1 分間スピーチをする機会を作るとすると,20人÷ 5日= 4 人で,最低でも毎朝4 分,拍手や移動の時間も入れると現実的には10分程度,毎日時間が取られます。この10分に本当に意味があるのかどうかについては,明確に判断することは残念ながら難しいでしょう。とりあえず1 分ぐらいで続けてみて,先ほど挙げたメンタルヘルスチェックで定期的に変化を見るしかありません。

それでも毎週1 回スピーチをする機会があるということは,週に1 度は誰でも主役になれる機会があるということです。人間誰でも人に認められたいという承認欲求がありますから,慣れてくればだんだん人前に立つことがうれしくなってきます。人前に立って話せ
ることに対する自信がつくと,コミュニケーションにおいては大きな財産になります。時間的なリスクは確かにありますが,人前に立つ機会を日常の業務に取り入れてほしいと思います。

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