16 : 傾聴トレーニング 大事なときは人間性を肯定する
・傾聴トレーニング 大事なときは人間性を肯定する
会話はただ続ければいいと言うものではありません。中身が伴わないただ続けるための会話は、聴き手も話してもただただ苦痛になってしまいます。。。
原因はやはり中身にあります。会話が続いているように見えても、質が伴っていないことが多いのです。質を向上させるには、
オウム返しをしっかりと行うこと、肯定返しをしっかりと行うこと
が基本になります。
・傾聴の方法次第で相手との距離がグッと近くなる
ただこれはボクシングで例えるとジャブのようなものです。通常の会話としてはOKなのですが、たまには相手の心に響く傾聴のスキルも持っておきたいものです。
そこで人間関係を築く上で絶対に覚えておいて欲しいスキルが人間性肯定法です。
人間性肯定法は相手の人格や考え方に焦点を充ててプラスの言葉を伝える方法です。名詞返し肯定法に比べて肯定的な側面がより強くなり、相手との人間関係を強力につなげていく効果があります。
名詞肯定返しがジャブなら、人間性肯定方は黄金の右ストレートというところでしょうか。好感を持たれること間違えなしです。
・名詞返し肯定法と人間性肯定法の違い
ここで比較するため名詞肯定法について具体的な例を見てみましょう
鈴木さん
「先週、伊勢神宮に旅行に行ってきたんだ~。神社を見ているととても心が和みます。また行きたいなあ」
肯定返し法
「伊勢神宮ですか~。伊勢神宮は神話の世界に迷い込んだみたいで神聖な気持ちなりますよね」
と返していきます。単純な肯定返し法では伊勢神宮と言う名詞から連想できる肯定的な面を述べていきます。
これに対して人間性肯定法では次のように返していきます。
人間性肯定法
「鈴木さん神秘的なところにいかれたんですね。神社とか好きな方は、おだやかな方が多くてなんだか安心します。」
「伊勢神宮ですか。神社が好きな人は、情緒的で暖かい方が多いので好感が持てます」
と言った形で、「伊勢神宮そのもの」を肯定するのではなく、「伊勢神宮を好きな鈴木さんそのもの」を肯定するのです。
・ここぞと言うときは人間性を肯定しよう
人間性肯定法は相手との距離を近くしたいときに本当に効果があります。みなさんは大事な人に人間性を肯定されたらどんな気持ちになるでしょうか。 やっぱりうれしいですよね。
また人間性を肯定する習慣をつけることは、自分自身も人に対するポジティブな感情を芽生えさせる練習になります。 ポジティブな感情を持てば、自然と会話の相手を好きになることができますし、好きになれば明るく楽しい会話に結びついていきます。是非練習してみてくださいね。
練習問題
それでは具体的に練習してみましょう。
会話の相手が次のように発言してくれました。 人間性を肯定するとどのような回答になるでしょうか? 2つの練習問題を解いてみてくださいね。
練習問題1
山田さん
「最近、仕事で部下のグチを聴くことが多くてね・・・ちょっと大変なんだけど、遅くまで付き合って聞いているようにしているんだ。」
練習問題2
山田さん
「去年からネット上の対戦将棋にはまっていてね。全国の有段者と対戦できるのが面白くてしょうがないよ。まだなかなか勝てないんだけどチャットで友達とかもできるしオススメだよ!」
2つの問題について山田さんの人間性を肯定するとどうなるでしょうか? 答えを見ないでじっくり考えてみましょう。 考えること自体がとても大事なことなので!
考えましたか?
それでは回答例をみてみましょう。
練習問題1 回答例1
人間性肯定
「仕事終わりはとても疲れていると思いますが、それでも付き合える山田さんは本当に部下思いですね」
練習問題2 回答例
人間性肯定
「なんだか山田さんの熱意がすごいつたわってきます♪ 何かに打ち込んではまれる人の話は面白いです 将棋ってどんなところが面白いのですか?」
こんな感じで、山田さん自身を肯定できていればOKです。 毎回相手の人間性を肯定することはなかなか難しいですが、ここぞというときに是非相手のいい面を発見して肯定してみてくださいね♪